更新日: 2021.10.25 16:28
ホンダ 2021スーパーGT第6戦オートポリス レースレポート
しかし、タイヤが温まると#64 Modulo NSX-GT(大津)のペースが戻り、32周目には前を走る2台を抜き返して#8 ARTA NSX-GT(野尻)の背後に迫ります。2台は3番手を引き離しながらNSX-GT同士のデッドヒートをしばらく続けましたが、40周を迎える頃にはタイヤの消耗により#64 Modulo NSX-GT(大津)のペースが落ち、順位を落としていきました。
一方、トップを守った#8 ARTA NSX-GT(野尻)は快調に周回を重ね、2番手以降に大差をつけて独走したまま65周を走り切り優勝を飾りました。Hondaのマシンがオートポリスで優勝したのは2007年のARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン)以来のことでした。
13番手からスタートした#1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)が6位、#17 Astemo NSX-GT(塚越/バゲット)が8位に入賞し、選手権ポイントを獲得しました。この結果、山本はドライバーランキングトップ、牧野はランキング2位のポジションを守って、サクセスウエイトが半減となる第7戦ツインリンクもてぎを迎えることとなりました。
■レース後コメント
●佐伯昌浩
Honda R&D Co., Ltd. Honda GT Project Leader
「長い間、Hondaとしてはオートポリスでポールポジションを獲りはするものの優勝できていなかったので、今年はなんとか勝ちたいと思っていました。ようやく九州のファンの皆さんの前で優勝することができました」
「8号車が優勝したのはもちろんですが、ポイントリーダーの1号車が見事なピット戦略などの結果6位に入賞してポイントを重ねたのは、タイトルに向けて大きな意味があります」
「シリーズ最終戦の富士スピードウェイはトップスピードがモノを言うコースで、必ずしも我々に有利だとは言えないので、サクセスウエイトが半分になる次回のツインリンクもてぎ戦でポイントをしっかり重ねて、最終戦富士では少ないポイントでもタイトルを獲れるよう戦います」
●野尻智紀
「ここまで8号車としてなかなか結果を出せずにきましたが、前回のレース後、チームとミーティングを重ねてチーム全体で強くなろうとみんなでがんばってきた成果が出たのだと思っています」
「ただ、決勝レースのパフォーマンスがよかった反面、持ち込み状態ではつまずいてしまったので、次回のレースまでエンジニア任せではなく、ドライバーとしても一緒になってマシンのポテンシャルを上げていくつもりです」
「大津選手が迫ってきたとき、隙を見せれば当然狙ってくると思ったので、絶対にインへは入れないという気持ちを見せるため、少しダーティーにも見えるかもしれない走りをして抑えました。一発のタイムが出るセッティングではなかったので、とにかくペースを守って走るしかありませんでした」
●福住仁嶺
「今シーズンは、優勝できてもおかしくないレースが何回もあったのに自分のミスなどで落としてしまい、落ち込んだり自信をなくしたりすることもありました。今回のレースに向けてもあまり自信を持てなかったのですが、先週スーパーフォーミュラでシリーズチャンピオンになった野尻選手に助けてもらいながら戦いました」
「でも、まだ自分のパフォーマンスには満足できないし、マシンのセッティングにも改善できる面があると思うので、次戦に向けてドライバーとしてもしっかり関わって準備をしたいと思います」
「今年のNSX-GTは、Hondaさんが細かいところまで研究して仕上げてくださったので、そこが強みになっていると思います。支えていただいている皆さんに感謝したいです」