更新日: 2022.05.04 00:24
LMcorsa 2022スーパーGT第2戦富士 予選レポート
S-GT2022 rd2 FSW QF
LMcorsa REPORT
♯60 Syntium LMcorsa GR Supra GT
昨シーズンは2勝を挙げた験の良い富士スピードウェイだが
公式練習では本来のパフォーマンスを引き出せなかったものの
予選に向けたセット変更が奏功し、予選Q2で11位を獲得する
3年ぶりに新型コロナウイルス感染拡大に対する緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などが発令されていないゴールデンウィークとなり、行楽地などは多くの観光客で賑わっているという。ゴールデンウィーク開催が恒例となっているAUTOBACS SUPER GT 2022 SERIESの第2戦「FAV HOTEL FUJI GT 450km RACE」も多くのファンが集まり、目の前で繰り広げられる戦いを見届けることとなった。
第2戦の富士スピードウェイラウンドは例年、通常の300kmよりも長い500kmのディスタンスで競われてきたが、今戦は450kmの決勝レースとなり、5月3日(火)に公式練習と予選が、5月4日(水)に決勝レースが開催される。
昨シーズンはこの富士スピードウェイで開催された第2戦と第8戦の両方で勝利を飾ったLMcorsa。連勝している験の良いサーキットということで、是が非でも好成績を残したいとチームは士気高く今戦に挑んだ。
走り始めとなる公式練習は3日の9時から10時45分の1時間45分にわたって行なわれた。3月末の公式テストや昨年のデータをもとにセットアップを決めてサーキットに持ってきたSyntium LMcorsa GR Supra GTだったが、路面コンディションと合わないのか想定外の状況に見舞われた。いつもの公式練習と同様に吉本大樹選手がマシンの状況とコンディションを確認していくが、マシンの反応が悪いというコメントが返ってくる。出来る限りの調整を行なうが状況は改善せず、公式練習のスタートから50分ほどすると河野駿佑選手がSyntium LMcorsa GR Supra GTのステアリングを握る。河野選手も厳しい状況の中で決勝レースを想定したロングランテストを実施したが、タイムもタイヤのグリップもベストにはほど遠い状況だった。結果として公式練習では2人のドライバーが39周を走行し、1分37秒586がベストタイムでGT300クラスの28台中23番手のタイムとなった。
気象データ
気温:13℃、路面温度:18℃(公式練習開始時)
気温:16℃、路面温度:23℃(予選Q1時)
予選
想定外の苦戦をしいられた公式練習のあとにはFCY(フルコースイエロー)の運用を試す10分間の走行時間が設けられていた。チームは公式練習の終了からFCYトレーニングの20分間で可能な限りのセットアップ変更を行ない、予選に向けて少しでも状況が改善することを祈った。FCYトレーニングでSyntium LMcorsa GR Supra GTのステアリングを握った河野選手は公式練習の状態から大きく変わったことを報告し、チームはこのセットアップをベースにして予選に対して調整を加えていった。
サポートカテゴリーの予選や決勝レースを挟み15時からGT300クラスの予選Q1がスタート。今季もGT300クラスの予選Q1は出走するマシンがAとBの2組にわけられ、上位8台ずつが予選Q2に進出する。
LMcorsaはB組に振り分けられ予選Q1を担当した河野選手がSyntium LMcorsa GR Supra GTに乗り込んだ。アウトラップを含めて3周をウォームアップに使うと4周目からアタックを開始する。公式練習では1分37秒台をマークするのがやっとだったが、アタック1周目に1分36秒312をマークし、翌周もタイム更新を狙った。セクター1ではやや遅れたがセクター2、3ともに自己ベストタイムをマークし1分36秒092を記録し、6番手のタイムで予選Q2への進出を果たした。
GT500クラスの予選Q1を挟んで実施されたGT300クラスの予選Q2は、16台のマシンがポールポジションを狙い競い合った。吉本選手はアウトラップから4周目までをウォームアップに使い、5周目にアタックを実施。セクター1、2ともに河野選手と同等のタイムを刻むとセクター3でタイムを伸ばし1分35秒963をマークする。翌周もタイム更新を狙ったがセクター3でタイヤのグリップが下がってしまい、結果として1分35秒963がベストタイムで予選を11位で締めくくった。
明日の決勝レースは通常よりも150km長い、450kmのロングディスタンスとなる。2回のピットストップが規定となるがタイヤ交換の義務はない。そのためチームにより戦略が異なることが想定される。LMcorsaの長所であるチームワークとピット作業によって少しでも上位でゴールすることが目標となる。
コメント
飯田章監督
「持ち込みのセットアップがコンディションと合っていなかったようで、公式練習では予想外の苦戦をしいられました。1時間半ほどの公式練習でセットアップを変更していき、その後のFCYトレーニングの時間も使ってようやく方向性がみえてきました。予選ではぶっつけ本番でしたがQ1を担当した河野選手が6番手で通過してくれ、予選Q2の吉本選手もミスなく11番手となりました。完璧な状態ではないですが決勝レースまでにもう少し知恵を絞って上位へ入れるように準備していきます」
吉本大樹選手
「公式練習の走り始めはマシンが曲がらなく苦労しました。この状態だと予選Q2へ進出することは難しいと思っていましたが、FCYトレーニングの時間も含めてなんとか状況に合ったセットアップが見つかりました。予選は河野選手のQ1と私のQ2ともにマシンのパフォーマンスは引き出せたと思っています。決勝レースに向けて不安要素はありますが、しっかりとチームとともに戦略を考え、スタートポジションよりも上位でゴールできるように進めていきます」
河野駿佑選手
「公式練習では吉本選手が走り始めの状況が良くないとのコメントがありました。そのあとに決勝レースを想定したロングランテストを担当しましたが、こちらも手応えがなく厳しいリザルトとなりました。しかし、FCYトレーニングの前に行なったセットアップの変更が良く、状況が好転しました。予選はQ1を担当したのですが、ミスなく確実にまとめないとQ2への進出は難しいと感じていたので、とにかく100%のパフォーマンスを引き出すことだけを考えました。結果的に公式練習よりもマシンの状況が改善していて予選Q2へバトンを繋げました」