投稿日: 2016.04.14 16:06
ニッサンGT-R 2017年モデルにみる、モータースポーツ直系の空力デザイン
Kota Sera
世良耕太
リヤバンパーはサイドの形状を変更。横からの空気流をリヤに回り込ませず剥離させ、エネルギーロスを抑制する考え。これも、レーシングカーの空力と同じ。
また、GT-R NISMOでは横基調だったスロットは、縦基調になっている(矢印)。細かなことを伝えておくと、テールパイプフィニッシャーまわりのメッシュは新デザイン。ディフューザーは11年モデル以来不変。
15年モデルまでのGT-Rは、Cピラーに明確なキャラクターラインが走っていた。これは、Cピラーに沿って向きを変えた空気を、リヤウイングの上と下に分流するのが狙い。だが、この小さなエッジが微少な剥離を起こしていた。17年モデルでは、微少な剥離によって生じる流体のエネルギーロスを最小化しようと、分流させる機能はそのままにエッジをなくした造形に変更している。当然、プレス型は作り替え。
丸形テールランプ周辺の立体的な造形など、性能が同じなら格好いい方がいい、あるいは、性能に影響を与えないなら格好いい方がいい──とする思想を反映したディテールも随所に認めることができる。「格好いい方がいい」は、GT500のエクステリアデザインにも通じる思想だ。
ニッサンGT-R 2017年モデルは、エクステリアに関してだけでもモータースポーツ直系の興味深いアイデアが満載である。