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MotoGP | モンスターエナジー・ヤマハMotoGP 2021年

モンスターエナジー・ヤマハMotoGP

■モンスターエナジー・ヤマハMotoGP プロフィール

 モンスターエナジー・ヤマハMotoGPは、MotoGPクラスにおけるヤマハのファクトリーチーム。タイトルスポンサーは、2019年からエナジードリンクブランドのモンスターエナジーが務めている。

 現在MotoGPクラスに参戦するモンスターエナジー・ヤマハMotoGPは、イタリアに拠点を置くヤマハ・モーター・レーシングが運営するチームである。この会社は、1997年から1998年にかけて、ヤマハがファクトリー体制でサポートを行っていたヤマハチームレイニーを運営していたウェイン・レイニーの退任後の1999年に設立された。当初はオランダに設立されたが、2005年、拠点をイタリアに移している。

 2004年にはホンダから移籍したバレンティーノ・ロッシがチームに加入。ロッシは開幕戦南アフリカGPで優勝を果たし、チャンピオンを獲得すると、翌2005年にはロッシのライダーズタイトルとともに、コンストラクター、チームの3冠に輝いた。

 2008年には鳴り物入りでルーキー、ホルヘ・ロレンソが加入。ロッシとロレンソによるチームメイト同士の激しいバトルが何度も繰り広げられた。ヤマハファクトリーはロッシとロレンソによって、2004年から2010年までの7年間で5度のライダーズタイトルを獲得した。

 ロッシは2004年から2010年までヤマハファクトリーに所属し、2011年にはドゥカティのファクトリーチームへと移籍。ロレンソはアメリカ人ライダーのベン・スピーズをチームメイトに迎える。しかしスピーズは2シーズンを戦ってチームを去り、2013年からロッシが舞い戻った。この年、ホンダのファクトリーチームからマルク・マルケスがMotoGPクラスにデビューている。

 2015年にはロレンソが自身としては最後のチャンピオンに輝き、さらにコンストラクター、チームのタイトルも手にした。2019年シーズン終了時点で、これがヤマハにとって“最新”のタイトルになっている。

 ここ数年、ヤマハは苦戦を強いられており、2017年にドゥカティへと移籍したロレンソに代わってロッシのチームメイトとなったマーベリック・ビニャーレスとロッシは、YZR-M1の挙動に苦しんでいる。2017年から2019年にかけては、ドゥカティのアンドレア・ドヴィツィオーゾにランキング2位の座をも奪われた。

 こうした状況のなか、2020年、これまで長くその職を務めてきた辻幸一氏に代わり、ヤマハ・モーター・レーシング社長に伊藤洋氏が就任。さかのぼって2019年初頭には鷲見崇宏氏がプロジェクトリーダーに就いた。2005年から長くマネージングディレクターを務めるリン・ジャ―ビス氏とともに、2020年はあらためて挑戦のシーズンになりそうだ。

 事実、テストライダーにはこれまで起用されていた日本人ライダーの中須賀克行と野左根航汰に加え、2019年シーズンを限りに引退したホルヘ・ロレンソが新たに起用された。さらには2月上旬のセパン公式テストすら待たずに2021年以降のライダー布陣を発表するといった今後への決意と改革の意志が垣間見える。ヤマハファクトリーとして最後のシーズンであることが明らかにされているロッシと2021年のエースを託されたビニャーレスが、2020年を戦っていく。

(TEXT:Eri Ito)

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