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MotoGP | レッドブルKTMファクトリー・レーシング 2021年

レッドブルKTMファクトリー・レーシング

■レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング プロフィール

 KTMのMotoGPクラスにおけるファクトリーチーム、レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング。KTMは2005年にはチームロバーツのエンジンサプライヤーを担っていたことはあるものの、ファクトリーチームとしてMotoGPクラスにフル参戦を開始したのは2017年シーズンから。なお、その前年、2016年シーズンの最終戦バレンシアGPには、ミカ・カリオがスポット参戦した。

 ちなみにKTMとしては、2008年で250ccクラス(Moto2クラスの前身)から、2009年で125ccクラス(Moto3クラスの前身)から撤退したが、Moto3クラスの初年度となった2012年からグランプリに復帰。その後2017年に、最高峰クラス、また、Moto2クラスはシャシーメーカーとしての参戦を果たしてMoto3クラスからMotoGPクラスまでの“階段”を作り上げた。ただし、Moto2クラスへの参戦からは、2019年をもって撤退している。

 さて、2017年からKTMのファクトリーチームとして最高峰クラスへ挑戦を開始したレッドブル・KTM・ファクトリーレーシングは、ライダーにポル・エスパルガロ、ブラッドリー・スミスを起用した。ともに前年まではヤマハのインディペンデントチームでMotoGPクラスに参戦。ポル・エスパルガロは表彰台こそ獲得していないが、コンスタントに上位入賞を果たしていた気鋭のライダーで、スミスは転倒こそ多かったが、期待されるふたりのライダーを確保したと言っていいだろう。

 KTMはのMotoGPマシン、RC16は、現在ツインスパーフレームが主流のMotoGPマシンにあって鋼管トラスフレームが採用され、サスペンションはWP製と、独自路線でスタートする。2017年はポル・エスパルガロがランキング17位、ブラッドリー・スミスがランキング21位で、コンストラクターズランキングは5位、チームランキングは10位だった。

 翌2018年もポル・エスパルガロ、スミスの布陣に変更はなし。最終戦バレンシアGPでは、豪雨によりレースの一時中断を挟むほどの悪条件のなか、ポル・エスパルガロが3位表彰台を獲得した。これがKTMにとって、ロードレース世界選手権の最高峰クラスにおける初の表彰台となった。ただ、シーズンを通して見れば、トップ10圏外の厳しいレースが続いていた。

 2019年シーズン、2018年限りで現役を引退したダニ・ペドロサがKTMのテストライダーに就任。また、ライダーラインアップが変更され、ポル・エスパルガロは継続起用ながら、スミスに代わってヨハン・ザルコが加入した。

 ポル・エスパルガロは次第にトップ10圏内でのフィニッシュを重ねるようになり、路面コンディションが難しい状況だった第13戦サンマリノGPでは見事、2番グリッドを獲得した。KTMとして初のフロントロウに並んだのだ。一方、ザルコは思うような成績を残すことができず、シーズン途中でチームを離れることになった。

 2020年シーズンはポル・エスパルガロ、そしてMoto2クラスからステップアップしたブラッド・ビンダーが加わる。さらに、RC16にも変化が見られ、フレームのパイプ形状がこれまでよりもやや平たくなった。テストライダー、ペドロサの貢献やこうしたマシンの進化を見るに、レッドブル・KTM・ファクトリーレーシングの新たな躍進に期待を寄せたい。

(TEXT:Eri Ito)

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