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投稿日: 2024.05.04 21:51

LMcorsa 2024スーパーGT第2戦富士 決勝レポート


スーパーGT | LMcorsa 2024スーパーGT第2戦富士 決勝レポート

SGT2024 rd2 FSW Final
LMcorsa REPORT
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT

3時間の決勝レースは後方からの追い上げを狙ったが想定外のピットストップをしいられ、20位で完走する

<気象データ>
気温:23℃、路面温度:41℃(決勝レース前)

 新たなレースフォーマットを用いた2024 AUTOBACS スーパーGT Round2 FUJI GT 3Hours RACEの決勝レースが、5月4日(土)に富士スピードウェイで開催された。
ゴールデンウイークに行なわれることが恒例となっているスーパーGT第2戦は、これまでも450kmや500kmと通常の決勝レースより距離が延長されてきたが、今回はスタートから3時間後にチェッカーが振られるタイムレースとなった。大きなトラブルがなければ、GT300クラスで110周ほどの走行が予想され、走行距離は500kmを超えることとなる。ただ、セーフティーカーが導入されると走行距離が短くなるため、チームによって採用する戦略が異なるはずで、チーム力が順位にどの程度の影響を及ぼすのかが見物となった。

 今季は予選方法も刷新されていて、これまでのノックアウト形式ではなくふたりのドライバーが予選Q1とQ2を走行し、合算されたタイムの結果が決勝レースのグリッドとなる。また、2回の予選と決勝レースのスタートまでは同じタイヤで走行する規定となり、タイヤのマネージメントも勝敗をわける要素となる。

 5月3日(金)に実施された予選では予選Q1を吉本大樹選手が走行し、Bグループの9番手で惜しくもトップ16を決める予選Q2のグループ1には入れなかった。予選Q2を担当した河野駿佑選手は吉本選手をコンマ2秒ほど上回るタイムをマークし、ふたりの合算タイムで18位となり、決勝レースを27台中18番手からスタートすることとなった。

 迎えた決勝レースの5月4日(土)も予選と同じく朝から快晴で、絶好のレース観戦日よりとなる。ゴールデンウイーク開催ということで、3日、4日の両日で富士スピードウェイには8万8400人のスーパーGTファンが集結し、3時間の決勝レースを盛り上げた。

 4日は午前中にサポートレースやピットウォークが実施され、12時から予定どおりにウォームアップ走行が始まった。Syntium LMcorsa GR Supra GTにはスタートドライバーを務めることになった河野選手が乗り込み5周を走ると、続けて吉本選手も最終のチェックを行なった。

LMcorsa 2024スーパーGT第2戦富士 決勝レポート
2024スーパーGT第2戦富士 Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)

 決勝レースは予定どおりの13時30分にフォーメーションラップがスタート。河野選手は後方から追い上げたいところだったが、オープニングラップの混戦で行き場がなくなりポジションを落としてしまう。それでも4周目には21番手、12周目には19番手までポジションを戻して先行するマシンをテールトゥノーズで追った。15周目にはコースサイドで止まった車両を回収するためにFCY(フルコースイエロー)が出されたが、翌周には再開。17周目になるとタイヤ交換や給油のためにピットに戻るマシンが出始める。20周を超えても河野選手のペースは落ちず24周目には1台をパスして16番手となり、チームは26周目にピットインの指示を出した。

 今回の3時間レースは2回の給油を含めたピットストップが義務付けられている。チームは給油と4本のタイヤ交換を実施し、ドライバーは河野選手から吉本選手に乗り替わった。23番手までポジションを下げたもののピット作業はミスなく、コースに復帰。ただ、走行を始めるとすぐに吉本選手からマシンの違和感を伝える無線が入る。3周を走行しても症状は改善しなかったため、チームはマシントラブルの可能性があると判断して緊急のピットインを余儀なくされた。

 ホイールの損傷かナットの緩みなどが疑われたが、結果的には想定外のピックアップ(路面のタイヤかすやゴミ)が原因で、マシンのチェックなどで1分ほどのピットストップをしいられた。吉本選手は新品のタイヤに交換して27周目にふたたびコースに復帰するが、走行しているマシンでは最後尾の26番手となってしまった。トップからは2周の周回遅れとなったものの順調に周回を重ねていき、38周目に25番手、45周目に24番手、53周目に23番手と先行するマシンをパス。60周を超えると2回目のピットストップを行なうマシンが出てきて、吉本選手は71周目に18番手で最後のスティントを担当した河野選手にバトンを渡した。4本のタイヤ交換と給油を行ない、コースに戻るとすぐに自己ベストタイムを更新して周回していく。24番手まで下げていたポジションだが、85周目には21番手となり、上位陣と遜色ないラップタイムで走行していく。最終的にはファイルラップで1台をパスして20位でチェッカーを受けた。

 マシンの特性から後方のスタートだと厳しいレースになること予想されたが、想定外のトラブルによって勝負権を失ってしまった。次戦までにはスーパーGTのエントラントテストが予定されているので、マシンの状況なども含めて立て直しを図る。

<飯田章監督>

18番手からのスタートで厳しいレースではあったのですが、想定外のピットストップで勝負権を失ってしまいました。ピットに入ったときにはマシントラブルかと思っていましたが、タイヤの問題でした。同じタイヤメーカーを履いていたマシンも苦戦していたので、コンディションと合っていなかったようです。マシンのポテンシャルはあるはずなのに、準備してきたことや想定している戦略がはまらず悔しい結果が続いています。次戦の鈴鹿サーキット戦までにテストがあるので、マシンの状況をしっかりと確認して準備を進めていきます。

<吉本大樹選手>

決勝レースはセカンドスティントを担当したのですが、ニュータイヤに履き替えてコースインしたときから違和感を覚えました。ストレートでも真っ直ぐに走れず、ブレーキングも止まらないので緊急でピットに戻りました。原因はタイヤのピックアップだったようですが、今までに感じたことない状況でした。このイレギュラーなタイヤ交換で最後尾に下がってしまい、結果として20位でした。今回は公式練習から若干のトラブルがあったり、速さもライバルに劣っていて厳しい状態でした。今のままでは真っ向勝負できないので、さまざまな方向から見直す必要があります。

<河野駿佑選手>

スタートと最後のスティントを走ったのですが、スタート直後は隊列の中での位置が悪く順位を落としてしまいました。吉本選手のスティントは残念な結果でしたが、後半は路面温度が下がっていく中で、それなりのペースで走行できていたと思います。ただ、根本的にスピードが足りず、現状のマシンではライバルに勝つことができません。苦しいですが、しっかりと現実と向き合いながら、状況を打破していきたいです。すぐに次戦の舞台となる鈴鹿サーキットでテストがあるので、まずはマシンの状態をチェックして、戦える準備をします。


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