佐藤万璃音 2024ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ第4戦スパ レースレポート
佐藤万璃音、ELMS第4戦スパ・フランコルシャンは、波乱のレースで9位入賞!
昨季2023年シーズンよりELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに挑戦を開始した佐藤万璃音(ユナイテッド・オートスポーツ所属25歳)が、8月24~25日にベルギー、スパ・フランコルシャン・サーキットで開催された2024年ELMS第4戦『4 HOURS OF SPA-FRANCORCHAMPS』に参戦。予選でベン・ハンリー選手がアタック中にコースアウトして赤旗を出してしまい、最後尾からのスタートとなるものの、4時間レースでの逆転を目指して佐藤万璃音が激しく追い上げましたが、結果的にクラス9位でチェッカーを受け、2ポイントを加算する結果となりました。
今回のレースは天候が変動しやすいことで有名なスパ・フランコルシャン・サーキットです。レースウイークに実施されたテストデーでは総合トップタイムをマークしていたユナイテッド・オートスポーツ22号車でしたが、中一日置いてスタートしたフリー走行までの間に、風向きや路面温度といったコンディションが大きく変化してしまってバランスが崩れ、フリー走行1回目からリヤのグリップ感が失われる症状に悩まされ続けることとなりました。
予選ではその不安が的中し、ハンリー選手が開始早々にスピンを喫してコースアウトしてしまい、セッションは赤旗中断。22号車は結果的にノータイムとなり、クラス最後尾からのスタートとなってしまいました。
しかも激しいスピンアウトでタイヤを1セット壊してしまったことで、レギュレーションによって4時間レースを規定の3セットではなく、2セットで戦わねばならなくなってしまい、スタート前から大きなハンディを背負うレースとなってしまいました。
決勝レースは予選を走ったハンリー選手がスタートドライバーを担当しました。レース序盤から激しい混戦が続くなか、次に代わったシルバードライバーのフィリップ・ウグラン選手が他車と接触してしまい、マシンにダメージを受けてしまいました。
幸い大きなダメージではなかったためにそのままレース続行は可能でしたが、レースに使えるタイヤセット数の関係で、佐藤万璃音もタイヤマネージメントに集中しつつ、マシンのダメージをカバーしながら走る厳しい守りの戦いを強いられました。今回はアクシデントも多く、波乱に満ちた展開となり、レース前半だけで4度もセーフティカーが出る荒れたレースとなりました。
それでも4時間を無事走り切って、チームはクラス9位完走。貴重な2ポイントを加算することができました。次戦はイタリア、ムジェロ・サーキット。佐藤万璃音にとって第二の母国とも呼べるイタリアのレースで巻き返しを図ります。
●佐藤万璃音のコメント
「テストデーは走り出しからかなり好調だったのですが、いざ公式セッションがスタートするという段階から状況が一転し、ずっとマシンのバランスに悩まされることになった週末でした。いろいろセットアップを変更したのですが、最後までリヤのグリップ感がどうしても得られず、本来のマシンが持つポテンシャルを引き出せない状況でした。厳しい状況のなか、ベン・ハンリー選手が予選でコースアウトしてしまったことで、すべての流れが悪い方向へと向いてしまった感じです」
「決勝ではタイヤが2セットしか使えなかったこともあってピットのタイミングがライバルたちと異なったので、レース中も2番手に浮上したり12番手に落ちたりと、流れがつかみづらいレースでした。そんななかで、チームとしてはできる限りの努力をし、チームメイトもベストを尽くしてくれたと思います。自分もダメージを受けたマシンを労り、タイヤをセーブしながらうまく走りをマネジメントできました」
「結果は9位入賞でしたが、正直、自分たちのマシンにペースがなかったレースでした。今回のレースを終えた時点のポイントランキングは7位ですが、まだ残り2大会ありますから、最後まで諦めずにシリーズチャンピオンを狙いたいと思っています」