更新日: 2024.11.07 13:08
OTG Motor Sports 2024年FIA-F4第7大会もてぎ レースレポート
FIA-F4選手権2024rd11、13〜14 モビリティリゾートもてぎ
OTG MOTORSPORTS REPORT
#60 OTG DL F4CHALLENGE 熊谷憲太選手
2024年シーズンも7大会14戦で競われている『FIA-F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP(FIA-F4選手権)』。入門のフォーミュラカテゴリーとして競技がスタートした2015年から全戦がスーパーGTのサポートレースとして開始されていて、今季も7大会が国内のトップカテゴリーと併催される。
今季のスーパーGTは年間8戦で競われているが、8月末に鈴鹿サーキットで開催予定だった第5戦が台風の影響によって順延となり、併催予定だったFIA-F4選手権の第7戦、第8戦も12月に延期となっている。また、9月にスポーツランドSUGOで開催された第5大会、10月のオートポリスでの第6大会ともに雨がらみとなり、レースの不成立やキャンセルが相次いだ。
そのため、11月2日(土)〜3日(日)にモビリティリゾートもてぎで開催された第7大会は、変則的なスケジュールを採用。オートポリスで10月19日(土)に実施される予定だった第11戦は、前述のように天候不良でキャンセルとなったため、今大会に第11戦が組み込まれることになった。よって、第7大会では3回の決勝レースを実施することになる。レースウイークは、2日に第11戦と第13戦、3日に第14戦の決勝レースが予定され、予選は1日(金)に第11戦と第13戦分として行われた。
多くの若手ドライバーが参戦するFIA-F4選手権は、独自のスカラシップとなる『FIA-F4 JAPANESE CHALLENGE DRIVER』を2017年に創設。同スカラシップを得てOTG MOTORSPORTSで2024年シーズンを戦っている熊谷憲太選手は、今季が初のフォーミュラレースだったが開幕戦からポイントを獲得した。その後はライバル勢の復調や飛躍によって入賞を逃すことが多くなり、残り5レースは上位に入りたいとトレーニングなどで準備を進めてきた。
予選 11月1日(金)14時45分~15時05分(チャンピオンクラス)
第11戦/13位/1分58秒802
第13戦/14位/1分59秒027
今大会はキャンセルとなった第11戦の決勝レースが、2日(土)の午前中に組み込まれたことによって1大会3レース制となった。そのため、予選は1日(金)に実施。この日は午前中にOTG FIA-F4トレーシングと呼ばれる練習走行があり、一日を通してドライコンディションで走行となった。
熊谷選手がエントリーするチャンピオンクラスの予選は、14時45分から15時5分までの20分間にわたって行なわれた。すぐにコースインした熊谷選手は、2周のウォームアップを挟み3周目からアタックを開始。まずはトップから約1秒遅れの1分59秒636をマークすると、徐々にタイムを伸ばしていく。
計測7周目には自己ベストタイムの1分58秒802を記録するが、ライバル勢も同様にタイムアップを果たす。終盤はセクターベストを記録するが自己ベストタイムを塗り替えることができず、ベストタイムでグリッドが決まる第11戦は13位、セカンドベストタイムが採用された第13戦は1分59秒027で14位となった。
第11戦 11月2日(土)8時15分スタート
スタート13位、フィニッシュ12位
予選日から一夜明けた2日(土)は天気予報のとおりに朝から雨が降り続けた。直近の2大会は天候不良で決勝レースが不成立やキャンセルとなったため、同じような状況が心配された。それでも、第11戦の決勝レースは予定どおりの8時15分にフォーメーションラップが始まる。
1周のフォーメーションラップが終わると、チャンピオンクラスの19台とインディペンデントクラスの15台の計34台がグリッドに並び、13周後のチェッカーを目指した。13番手からスタートした熊谷選手は、1コーナーまでの加速が鈍りオープニングラップで2台に抜かれてしまう。
2周目に入ると、オープニングラップでのクラッシュによってセーフティーカーが導入される。雨量が増してコンディションが悪化したことで7周目までセーフティーカーランは続き、8周目にリスタート。熊谷選手はこの周に先行していたマシンのコースアウトなどで3台を抜き12番手まで浮上。だが、車両回収のために再びセーフティーカーが導入される。決勝レースは13周の予定だったが、10周目に規定の30分が経過したためチェッカーが振られ、熊谷選手は12位となった。
第13戦 11月2日(土)12時40分スタート
スタート14位、リタイア
第11戦の決勝レースを終えてから約4時間のインターバルを経て、第13戦の決勝レースが開催された。路面はウエットのままだったが、午前中の第11戦よりもコース上の水溜まりは少なく状況は多少改善していた。
熊谷選手は14番グリッドに並び、13周の決勝レースに備えた。第11戦はスタート後の加速で抜かれてしまったため、慎重な操作で1コーナーに進入していった。スタートが上手く決まると、オープニングラップで1台をパス。4周目には先行していたマシンのコースオフによって10番手まで浮上する。
5周目には車両回収のためにセーフティーカーが導入され、7周目まで先導していく。8周目にリスタートすると、熊谷選手はさらに上位を狙うためにチャンスを伺った。しかし、ヘアピンのブレーキングでフロントタイヤがロックしたためコースオフ。グラベルから抜け出すことができず、無念のリタイアとなった。
第14戦 11月3日(日)8時40分スタート
スタート15位、フィニッシュ12位
前日とは打って変わり晴天となった3日(日)に、第14戦の決勝レースが実施された。15番手からスタートした熊谷選手は、好スタートを決めるとオープニングラップの位置取りもよく12番手まで浮上する。さらに上位を狙おうとしたが、2周目にコースオフした車両を回収するためにセーフティーカーが導入される。
4周目にリスタートするとS字からヘアピンに掛けて先行するマシンにサイド・バイ・サイドで並び掛ける。しかし、続く90度コーナーでのポジション取りで1台にパスされて13番手に後退。6周目にはトップ10内を走っていたマシンが横転し、ふたたびセーフティーカーランとなる。
10周目までセーフティーカーが先導すると、11周目にレースは再開。12番手から追い上げを図ったが、またしても30分が経過したため12周目にレースは終了した。ライバルを凌ぐペースで走行した熊谷選手は、15番手からスタートし12位でフィニッシュとなった。
熊谷憲太選手コメント
「今大会のレースウィークは練習走行からトップとの差が詰まっていて、準備してきたことが少しは実っていたはずです。それでも、セクター2ではトップのマシンから離されていて、コーチをしてもらっている菅波選手や伊東選手のアドバイスで改善できました。予選は自信を持って挑んだのですが、ニュータイヤのピークを使い切れず終盤にタイムを伸ばせませんでした。セクターごとのベストタイムを合わせれば、もう少し良いポジションだったのですがまとめられませんでした」
「決勝レースは入賞を目指したのですが、3戦ともに荒れた展開でセーフティーカーが入りポジションを上げられませんでした。第13戦は10番手を走っていてさらに上位が見えたため攻めたのですが、ブレーキでロックしてコースオフしてしまいました。もっとも大事なことはチェッカーを受けることだと思っているので、自分のミスでレースを台無しにしたことは反省しないといけません。今大会も悔しいレースが続いてしまったので、気持ちを切り替えて最終戦へのイメージを作っていきます」