更新日: 2018.02.15 18:36
【アウディジャパン】アウディグループ:厳しい市場環境下でも、好調な収益を記録
アウディグループ:厳しい市場環境下でも、好調な収益を記録
●2009年:アウディブランドの総車両販売台数は949,729台。売上高298億ユーロ、税引前利益19億2,800万ユーロ、税引前売上利益率6.5%
●アウディAG 取締役会会長 ルパート シュタートラー:「困難な環境において良好な結果が得られたことで、将来の成功への道が開かれた」
●ネットキャッシュフローは23億2,100万ユーロ(19億2,500万ユーロ)と、前年の数字を大きく上回る
●財務担当取締役 アクセル ストロットベック:「営業活動によって得られたキャッシュフローから、すべての投資を実行」
●純流動資産106億6,500万ユーロ(92億9,200万ユーロ)は前年を上回る数値
●自動車産業界で最高の利益分配金:平均2,300ユーロに加え1人あたり1,200ユーロの特別ボーナスを支給
●2010年の展望:アウディブランド車100万台以上の販売、2009年を超える売上高と営業利益
インゴルシュタット発:
アウディグループは、全世界的な金融・経済危機の影響を受けたにもかかわらず、販売台数の落ち込みは若干にとどまり、良好な営業利益を計上して2009年度を締めくくりました。アウディAG取締役会会長のルパート シュタートラーは「16億ユーロという営業利益は、この困難な状況下においてもアウディが業界のベストたり得ていることを示しています。生産性の向上に一貫して取り組み、デザインとスポーティネス、品質と効率というアウディの価値に大規模な投資を継続するという、当社がここ数年採用してきた方針が、明らかに実を結びつつあります」と述べました。
「今年は、さらに魅力的で燃費効率の高いモデルを投入して市場シェアを向上させ、プレミアムセグメントにおける世界のマーケットリーダーになるという目標の達成に取り組む予定です」とアウディAG 取締役会会長シュタートラーは付け加えています。
世界の自動車市場が直面する困難な状況により、アウディブランド車両の販売台数は5.4%減少し、949,729台となりました。2009年度の売上高は298億4,000万ユーロ(341億9,600万ユーロ)で、前年比12.7%減となりました。この減少は主に販売台数の落ち込みによるものですが、為替レートの悪影響もあります。
営業利益は42.1%減の16億400万ユーロ(27億7,200万ユーロ)となりました。税引前利益は新記録となった前年の数字を39.3%下回る19億2,800万ユーロ(31億7,700万ユーロ)、税引後利益は38.9%減となる13億4,700万ユーロ(22億700万ユーロ)でした。
厳しい経済環境にもかかわらず、ROI(投資収益率)は11.5%(19.8%)と、依然として高いレベルを維持しています。税引前のROS(売上利益率)は6.5%(9.3%)でした。「世界の自動車産業界において、アウディグループがもっとも収益性の高いメーカーであることを、これらの数字は示しています。2009年のような危機の年は、それが特に明確になりました」と、アウディAG財務および組織担当取締役のアクセル ストロットベックは強調しています。
「将来を見据えた慎重なアプローチによって当社は危機をうまく乗り切り、営業活動によって得たキャッシュフローからすべての投資を行うことを可能にしました。23億ユーロを超えるネットキャッシュフローにより、我々は健全な剰余金を生み出しましたが、これは実に前年の優れた数字を大きく上回るものです」とストロットベックは説明しています。「製品への投資はすべて計画通り実行することができ、将来の成長のために必要とされる確固たる基盤を築くことができました。」
純流動資産は14.8%増加して、およそ107億ユーロ(93億ユーロ)となりました。
困難な状況に際して成功の鍵となったのは魅力的なモデルラインナップです。昨年はR8 V10、A4 allroad quattro、A5 Cabriolet、A5 Sportbackなど、数多くの新製品が発表されました。
38の市場で販売記録を達成
2009年、アウディは世界のお客様に949,729台(1,003,469台)の車をお届けしました。販売台数は、新記録を樹立した前年から5.4%減少しています。販売が好調な市場はアジア/太平洋地域、とくに中国です。西ヨーロッパ(ドイツを含む)における販売台数は低下していますが、アウディはプレミアムセグメントにおける市場シェアを増大させています。
ドイツ国内における販売台数は、228,844台(258,111台、11.3%減)でした。西ヨーロッパ(ドイツを含む)において、アウディは市場環境を考慮すれば良い業績をおさめたと言えるでしょう。販売台数は588,309台(666,984台、11.8%減)となり、プレミアムセグメントにおける競合他社の数字をしのいでいます。ドイツに次いで大きな市場である英国では、販売台数が90,513台(101,522台、10.8%減)となりました。隣国のフランスでは48,010台(51,200台、6.2%減)、イタリアでは57,204台(62,053台、7.8%減)を記録しました。
2009年における最大の単独輸出市場は、前年同様に中国(香港を含む)で、158,941台(119,598台、32.9%増)を販売しました。この結果は、中国のプレミアムセグメントにおいて、アウディブランドが2009年もマーケットリーダーの地位を保ったことを意味しています。
2007年9月からCKD(完全現地組み立て)による組み立てラインの操業を開始したインド市場の業績も大変好調です。販売台数は、前年比57.9%増の1,658台(1,050台)でした。アウディは現在、アウランガーバード工場においてA4およびA6を組み立てていますが、人気モデルQ5の組み立ても6月から開始されました。アウディは、インドにおいてセールスおよびディーラーネットワークを体系的に拡大しており、年末までにディーラーの数を現在の12から16に増やす予定です。
一方、米国における販売台数は、大幅に収縮した市場の影響により82,716台(87,760台、5.7%減)となりました。しかしながら、販売台数とは対照的に、プレミアムマーケット(高級輸入車グループ)におけるアウディブランドのシェアは8.3%(7.1%)に上昇しました。
子会社であるランボルギーニは、危機の影響を大きく受けました。2009年に販売した車両台数は、前年比37.7%減となる1,515台(2,430台)に留まりました。
展望を持って前進 : 需要に合わせて生産を調整
アウディは、危機に対して先を見通した対応を行い、生産台数を絞りました。工場から出荷された車両の台数は932,260台(ランボルギーニを含む)です。これは前年(1,029,041台)と比べて9.4%減です。
2010年から2012年までに、アウディグループは約55億ユーロの投資を計画していますが、それは主に新製品と効率化技術を対象としています。ニューモデルを積極的に投入していく、という商品戦略は変更なく継続され、少なくとも数年間は予算削減を行いません。「とくに注力するのは、燃費効率というテーマです。それに加えてスポーティさ、品質、デザインの向上に取り組みます」とアウディAG 取締役会会長ルパート シュタートラーは説明します。CO2排出量が140g/km未満となるモデルおよびエンジンバリエーションの数は、すでに39に達しています。その中でもCO2排出量120g/km未満のモデルおよびエンジンバリエーションの数は13に上ります。典型的な例は、100km走行のためにディーゼル燃料を4.6リットルしか必要とせず、1km走行するために発生するCO2排出量がわずか119gのアウディA4 2.0 TDI eです。
ディーゼル技術は、電気自動車、ハイブリッド車の開発とともに、アウディが掲げる効率戦略の重要な礎石という位置づけに変りありません。「新型A8 3.0 TDIクワトロは、ディーゼルエンジンが持つ将来の可能性を語るすばらしい実例です。100km走行のために燃焼させるディーゼル燃料は、わずか6.6リットルです」とシュタートラーは述べています。将来発表される前輪駆動バージョンはさらに燃費が良く、100kmあたり6リットルの燃料しか必要としません。CO2排出量は159g/kmです。アウディの新フラッグシップモデルは競合モデルの先を行き、ラグジュアリーカテゴリーに属するハイブリッド各車をしのぐ性能を備えているのです。
自動車産業界で最高の利益分配金
アウディAGは、経済危機にもかかわらず、全従業員に対してふたたび利益分配を行いますが、その平均額は1人あたり2,300ユーロに上ります。これは、自動車産業界において最高の利益分配額です。「今年は、それに加えて1人あたり1,200ユーロのボーナスを支給します。危機環境においてすばらしい仕事をしてくれた社員に、感謝の意を表するためです」と、アウディAG人事担当取締役のDr. ヴェルナー ビドゥッケルは述べています。
アウディグループ全体の従業員の年間平均数は、58,011人(57,822人)に増加しています。その内の44,344人(44,098人)がアウディAGの従業員で、インゴルシュタットには31,409人(31,358人)、ネッカーズルムには12,935人(12,740人)がそれぞれ勤務しています。
2010年の展望:アウディブランドとして100万台以上の販売、2009年を超える売上高と営業利益
アウディもまた、近年の経済危機を重大に受け止めていますが、その危機の中、比較的安定した経営を行うことができたことは、昨年の業績が示しているとおりです。「最悪の事態は脱出できたようですが、2010年に全ての危機が去る、とは言えないと思います。私たちは注意を怠らず、困難が発生しても迅速に、柔軟に対応できるようにしていなければなりません」と会長シュタートラーは説明します。
アウディは、2010年に順調な滑り出しを見せました。1月と2月、世界における販売台数は153,700台に達しましたが、これは前年同期比28.7%の増加です。その2ヶ月間で西ヨーロッパ(ドイツを除く)における販売台数は前年同期比で17.7%増加して58,722台となり、プレミアムセグメントにおけるマーケットリーダーの地位を確保しました。英国では32.6%増の11,989台、スペインでは20.5%増の7,032台、イタリアでは13.2%増の10,105台を販売しています。アウディブランドはまた米国でも快調な業績回復を見せ、前年同期比35.7%増の12,726台を販売しました。
「今年は、再び販売台数100万台以上を達成できると思います。それによって、新記録を作った2008年のレベルに戻ることができるのです」とシュタートラーは強調します。「ニューモデルの投入によって成長を再開し、2009年の売上と営業利益を上回る業績を残すべく、2010年の目標を定めました」と述べました。
魅力に溢れ、燃費効率の高い新製品が成功への鍵となります。「私たちは、小さなA1から、頂点に君臨するA8に至る、プレミアムメーカーの中でもっとも幅広いモデルラインナップを擁しています」と会長シュタートラーは述べています。アウディは、新型A1を、都市生活者を中心とした新しいターゲットグループに訴えるモデルにしたいと考えています。「スモールカーセグメントにおける初のプレミアムカー、A1に対するジュネーブモーターショーでの反応は圧倒的なものでした。従い、生産が開始されれば、最初の1年間にこのニューモデルを80,000台から100,000台販売できると予想しています」とシュタートラーは語ります。アウディはまた、今秋に発表されるA7 Sportbackにより、きわめて有望な新しいニッチ市場に進出する予定です。
*( )内の数値は、前年度の数値および対前年比の成長率です。