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投稿日: 2021.08.26 15:26
更新日: 2021.08.26 15:36

#31 TOYOTA GR SPORTS PRIUS PHV apr GT 2021スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート


スーパーGT | #31 TOYOTA GR SPORTS PRIUS PHV apr GT 2021スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート

2021 AUTOBACS SUPER GT
ROUND 3 鈴鹿サーキット
開催地:鈴鹿サーキット(三重県)/5.807km

8月21日(予選)
天候:曇り
コースコンディション:ドライ
観客数:7000人

8月22日(決勝)
天候:晴れのち曇り一時雨
コースコンディション:ドライ
観客数:1万1500人

より進化を遂げるためにたどる茨の道。しかしトラブルなく完走果たして収穫は大!

 全8戦で競われ、毎回激戦が繰り広げられることで大人気のスーパーGTに、aprはTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV(ZVW52)の2台体制で挑み、『#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT』を3年目のコンビとなる、嵯峨宏紀選手と中山友貴選手に託す。タイヤは信頼と実績のブリヂストンを使用する。

 新型コロナウイルスの影響で、本来なら5月下旬に開催されるはずだった、鈴鹿サーキットの第3戦が延期されてから約3カ月。そのため、ツインリンクもてぎの第4戦を間に挟む格好とはなったが、関係者による拡大予防の努力が実り、無事『FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE』として開催されることとなった。

#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは、今や唯一採用するハイブリッドシステムを含み、未だ発展途上にある。正確にいえばより完璧なものとするため、レースという過酷な条件のもとで茨の道を突き進んでいる最中。純粋なGTカーなら、踏み込まずに済む領域の探求も続けている。

 前回の予選にいたっては最下位に沈んだことから、タイヤを交換してピットスタートでレースを開始。着実に順位を上げていたが、その最中にGT500クラスの車両に追突される不運も……。それでも完走を遂げたことでデータを蓄積でき、また一歩前進を遂げた。

 思い起こせば1年前。同時期の鈴鹿で行われた、第3戦ではポールポジションを獲得。このときは決勝でセーフティカー(SC)に行く手を阻まれ、7位でのゴールに甘んじたとはいえ、一時はトップも走行し続けた。真夏の鈴鹿でサクセスウエイトを積んでいないという状況は、昨年と全く共通する。これまで重ねてきた苦労が、ついに実を結ぶのは果たして今回なのだろうか?

公式練習 8月21日(土)9:00〜10:40

 先週から今週半ばにかけて日本全国が大雨に見舞われて、一部地域では災害まで発生したほどだった。搬入が行われた金曜日も、待ち焦がれた『夏の日差し』に恵まれず……土曜日になっても天気はどんよりとしたままで、夜半まで降った雨によって路面の一部は濡れていた。問題は温度である。公式練習が始まろうとしていた頃の気温は26度で、路面温度に至っては28度と、50度を超えることを覚悟していただけに拍子抜け、いや想定外ですらあった。

 今回も中山選手の走行から、公式練習はスタートした。#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは計測開始と同時にピットを離れ、すぐに戻ってくるルーティンスタイルをとった後、本格的に走行を開始。そして、早々にこのセッションのベストタイムとなる、2分0秒563をマークする。

 その後はハイブリッドに関する試験を進め、途中赤旗中断やFCY(フルコースイエロー)のチェックが挟まれたが、やがて中山選手は2分2秒台でコンスタントに走行することとなった。ほぼ1時間経過したところで、嵯峨選手にチェンジ。ピットインを何度も繰り返したため、実質的な計測ラップは2分4秒949を記した1周だけながら、マシンを知り尽くしている嵯峨選手だけに、そう心配はあるまい。実際、この後に行われたFCYテストにおいても中山選手のみ走行し、ドライバー同士、信頼の高さをうかがわせもした。

公式予選Q1 8月21日(土)14:30〜14:40

 今回のQ1に、#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTはAグループでの走行となり、前回に続いて中山選手の担当となった。気温は27度、路面温度は公式練習より上がったとはいえ、31度でしかない。そのため、夏場のレースであってもウォーミングアップは普段通り入念に行われ、計測3周目からアタックが開始された。

 まずは2分0秒066が記録され、2分切りまであとわずか。引き続きコースを攻め立てていく中山選手ではあったが、2分0秒588と逆にタイムダウン。12番手に留まってQ2進出は果たせず、公式予選終了となった。

■予選後コメント
嵯峨宏紀選手

「今回は各種の試験とセットを中山選手で進めましたが、どうにも解決策が見いだせなく厳しい状況でした。前回からの課題を、今もかなり迷走中だというのが理由のひとつ。それとタイヤのレンジが若干硬めに出ちゃったというのがあって、かなり後方の位置になってしまいました。そうは言っても、レースではちょっとでもいい順位になるように、同時にデータ取りにはなると思うので、次に繋がるレースをやっておかなきゃ行けないので、そこはしっかりやろうと思っています。我々は、唯一のハイブリッド車両で、難題は理解の上です」

中山友貴選手

「走り初めからバランス良くなかったので、いろいろ修正してもらったのですが、結果的に予選に対しては、あまりいいグリップ感は得られませんでした。ミス無くきっちりアタックできたのですが、終わってみると同じブリヂストン勢は下位に沈んでいたので、タイヤのコンパウンドだったり、ゴムだったりが今日の天気にマッチしなかったのかな、という印象もありました。これだけは自然が相手なのでしょうがないですね……。決勝ではふたりで後方から追い上げて、ポイント獲って帰れるように頑張りたいと思います!」

金曽裕人監督

「今回選んだタイヤが今の気温だとか、温度レンジに合っていなかったというのはありましたけど、それは言い訳に過ぎません。今は前回に続いて、システム的な発展をひとつずつ消化している状態です。普通のクルマと違って、時間のないなかで難しいことをいっぱいやっているので、未来のクルマ社会のためなので、どうか長い目で見てやってください」

「でも、また新しいものも発見もできました! もう少し行けるはずでしたが、8月とは思えない天気だったというのもあるので、それほど悲観的ではありません。ちょっとタイヤは硬かったのですが、明日が夏日ならば面白くなりそうです。どういうレースを組み立てるか、これから必死に考えます!」

2021スーパーGT第3戦鈴鹿 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)
2021スーパーGT第3戦鈴鹿 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)

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