更新日: 2023.02.15 02:35
D’station Racing 2023アジアン・ル・マン・シリーズ第1戦/第2戦ドバイ レースレポート
D’station Racing
Race Report – 2023.02.15
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2023 Asian Le Mans Series
Round 1 / 2 Dubai Autodrome (UAE)
Round.1:FEB.11 Qualify :8th / Race:13th
Round.2:FEB.12 Qualify :8th / Race: 6th
ドバイで掴んだ世界と戦う手ごたえ。第2戦で6位入賞
2023年も、いよいよD’station Racingにとってチャレンジングなレースシーズンがやってきた。今シーズンもD’station RacingはWEC世界耐久選手権への挑戦をはじめ、日本ではスーパー耐久やGTワールドチャレンジ・アジアといったレースに参戦するが、そのシーズン開幕に先立ち、今季もアラブ首長国連邦で集中開催されるアジアン・ル・マン・シリーズに挑むことになった。
このシリーズはかつては日本など東アジアを舞台に行われていたが、コロナ禍により中東での集中開催となって以降、ヨーロッパから世界屈指のレベルをもつチーム、ドライバーたちが大挙参戦。ル・マン24時間の参戦枠を争うべく、今季もGTクラスには24台がエントリーした。D’station Racingにとっては格好の腕試しの舞台とも言え、今季もWECで戦うTF SPORTのスタッフと日本人スタッフが力を結集し臨んだ。
そんなシリーズに向け、D’station Racingは2月10日(金)からのプライベートプラクティス、そして2回のフリープラクティスに臨んだ。星野敏/藤井誠暢/チャーリー・ファグというWECトリオが交代しながら走行を重ねていくが、予想どおりプラクティスから非常にレベルが高く、タイム差も僅差。そんななかでフリープラクティス1ではファグのベストタイムで7番手につけるなど、予選を前にしっかりと競争力があることを確認していった。
迎えた2月11日(土)は、午前11時45分から予選が行われ、夕刻午後4時45分からの第1戦決勝、翌日の第2戦に向けたグリッドを決めていった。ベストタイムで第1戦、セカンドベストで第2戦のグリッドが決まるが、ここでアタックを担った星野が快走をみせる。ベストは1分59秒140、セカンドベストは1分59秒689で、両戦ともに8番手という好位置を獲得してみせた。
そんな星野の頑張りを決勝結果に繋げるべく、午後4時45分からの第1戦に臨んだ。スタートドライバーを務めたのは星野だ。
アグレッシブな海外の強豪たちのなか、星野は序盤奮闘をみせ9周目まで8番手を争っていったが、バトルのなか接触がありパンクチャーに見舞われてしまった。星野はピットに戻り、その後もチェックを繰り返しコースに戻ったが、大きくポジションを落としてしまった。また、マシンバランスも苦しい状況で、その後1時間35分走った後に藤井、そしてファグと交代し完走を目指したものの、思うように順位挽回はならず。最後は13位でレースを終えることになった。
D’station Racingとしてはやや悔しいレースとなった第1戦だったが、明けて2月12日(日)午後3時から行われた第2戦では、作戦を変更。藤井をスタートドライバーに据えると、WEC同様序盤から素晴らしい追い上げを披露。一気にトップに浮上する。セットアップも良好で、好ペースでマージンを広げていった。
藤井は1時間2分を走り星野に交代すると、こちらも好ペースでラップを刻んでいく。ただ、42周目にセーフティカーが入ってしまい、リードを失うことになってしまった。とはいえリスタート後も粘り強くレースを戦った星野は、表彰台圏内でレースを進めることに成功した。
レースも残り1時間ほどというタイミングで、今度はファグがステアリングを握る。全車がピット作業を終えると、順位は2番手。先行する#34 BMWは大きなリードを保っていたが、表彰台圏内での戦いが可能かと思われた。
しかし、後方からはハイペースで飛ばす#10 メルセデス、#21 フェラーリが近づく。どちらもGTレース界屈指のトップドライバーが操っており、ファグも粘りの走りをみせたものの、92周目、93周目に先行を許してしまった。さらに、運悪く最終周にパンクチャーに見舞われ、終わってみれば順位は6位となった。とはいえ、ヨーロッパの強豪のなかでしっかり戦えることを示し、自信を深めるドバイの週末となった。
COMMENTS:
Driver:Satoshi HOSHINO
ドバイでの2レースを終えましたが、第1戦が13位、第2戦が6位という結果となりました。特に日曜日の第2戦では戦略もうまくいったと思いますし、自分も良い走りができたと思うので、個人的には満足したレースでしたね。欲を言えば表彰台圏内で戦うことができていたので、ポディウムを獲得することができれば最高の結果になりましたが、ヨーロッパの強豪ぞろいの顔ぶれのなかでトップ10に入る6位入賞という順位は、D’station Racingとしても良い結果になったのではないかと思っています。この実績をもとに次戦アブダビではもっともっと良い走りをして、チームとして上位を狙いたいと思っています。日本からもたくさんのご声援ありがとうございました。
Driver:Tomonobu FUJII
アジアン・ル・マン・シリーズの第1ラウンドとなるドバイでの2レースは、予選で星野敏選手が8番手と良い位置につけてくれました。第1戦ではセットアップにも苦戦してバランスも苦しみ、13位という結果になってしまいましたが、第2戦ではクルマも良い方向にいき、スタートからトップに立つことができました。その後2時間首位を走り、星野選手もチャーリー選手もペースが良く、終盤2番手を走ることができましたが、バトルのなかで4番手となり、最後はパンクチャーがあり6位という結果となりました。とはいえ、ヨーロッパ勢が多く参戦するスタイルになってから最も良い結果だったと思いますし、翌週のアブダビでは表彰台を狙っていきたいと思います。
Driver:Charles FAGG
ドバイでのアジアン・ル・マン・シリーズの第1ラウンドの週末を終えることになったけれど、僕たちは特に日曜の第2戦で、素晴らしいペースをみせることができた。僕のチームメイトである星野サンも藤井サンもすごい仕事をしてくれたね。第2戦は表彰台争いをすることができたけれど、惜しくも届かなかった。結果的には第1戦で13位、第2戦で6位というものだったけれど、僕たちは結果以上に、このアジアン・ル・マン・シリーズのハイレベルな顔ぶれのなかで、勝利を争うことができる可能性があることを示すことができたと思っている。今から次週のアブダビでのレースが楽しみで仕方ないし、次の週末こそ表彰台を獲得してみせたいね。
Team Director:Tom FERRIER
D’station Racingにとって、特に第2戦のレースは良い内容になったのではないかと思っている。ドライバー3人も、日本からのクルーみんなも素晴らしい働きをしてくれたと思う。セットアップやレースストラテジーもうまく機能したし、トップ争いをすることができた。残念ながら表彰台は獲得できなかったが、このハイレベルなシリーズのなかで、チームとしての力をしっかり披露することができたのではないかと思っているよ。次のアブダビラウンドはドバイよりもアストンマーティン・ヴァンテージの相性が良いと思っている。チーム一丸となって、ベストなリザルトをつかみにいきたいね。
Chief Engineer:Jonathan LYNN
第1戦は15位という結果となったが、ストラテジーも悪い方向にいってしまったし、バッドラックもたくさんあったレースだった。しかし翌日の第2戦では、スタートからすごく良い流れをつかむことができて、我々のための一日になったように思う。セットアップも良かったし、セーフティカーが悪い方向にいってしまったものの、2回目のセーフティカーは悪いものではなかったね。最終的にパンクチャーで6位という結果になってしまったが、できれば表彰台に上りたかったので残念だった。アブダビは車両として相性も良いと思うし、さらにセットアップを煮詰め、特にロングランで良いペースを刻めるクルマに仕上げていきたいと思っている。