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投稿日: 2024.08.28 19:24
更新日: 2024.08.28 19:26

G Force Engineering 2024フォーミュラ・リージョナル第4大会もてぎ レースレポート


国内レース他 | G Force Engineering 2024フォーミュラ・リージョナル第4大会もてぎ レースレポート

2024 Formula Regional Japanese Championship ラウンド4 もてぎ大会

・ミハエル・サウター:前大会岡山から3連勝を達成し、チャンピオン獲得に向けて大きく前進
・ジェシー・レイシー:レース9で辛抱強いレースを披露し、3位表彰台獲得
・セバスチャン・マンソン:レース9で今季2度目のポール獲得も、2番手でフィニッシュ直後に他選手に接触したペナルティで1周減算、6位。レース10は2位表彰台獲得

 8月24〜25日の週末に、モビリティリゾートもてぎを舞台に2024 Formula Regional Japanese Championship(フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ=FRJ)のラウンド4が開催され、今季のレース9とレース10の2戦が争われました。

『G FORCE DRIVER DEVELOPMENT PROGRAM』(ジーフォース・ドライバー・デベロプメント・プログラム)のミハエル・サウター(19歳、Birth Racing Project, G FORCE F111/3)は、今大会で2勝をあげ前岡山大会から3連勝を達成し、今シーズンのシリーズチャンピオンへ大きく前進しました。ポールポジションからスタートしたレース10ではとりわけペースがよく、16周のレースを終始独走態勢で走り切り、2位に大きな差をつけてのフィニッシュとなりました。

 また、53号車のジェシー・レイシー(17歳、BIOIC JACK RACING、G FORCE F111/3)はレース9でスタートから中村賢明選手と激しい4位争いを展開し、辛抱強いレースを披露。スタート時のポジションを守り切り、4番手でフィニッシュしました(※正式結果では1番手繰り上がり3位表彰台獲得)。5番グリッドからスタートしたレース10ではスタート時のエンジンストールによりポジションを落とし、その後懸命に追い上げをはかりましたが、あまりペースが上がらずに6番手でチェッカーを受けました。

 55号車のセバスチャン・マンソン(16歳、BIRTH RACING PROJECT、G FORCE F111/3)はレース9で初のポールポジションを獲得。決勝ではトップを守ったままファイナルラップに入りましたが最終コーナーでオーバーランを喫し、サウターにオーバーテイクをゆるしてしまい、2番手でチェッカー。その直後に3番手フィニッシュの堀尾風充選手に接触、1周減算のペナルティが科され最終的に6位という結果に終わりました。

監督 岡澤優のコメント

「もてぎはシリーズ後半戦のスタートということで、良く考えて準備をし、ミスなくクオリティの高いレースをすることを目標にしました。エンジニア陣のおかげで車のパフォーマンスは走り出しFP1からレースまで一貫して好調で、特にレース10ではミハエルが序盤から独走し、大きなギャップをつくって優勝する印象的な展開でした」

「レース9で発生した接触事故については弁解の余地はありません。巻き込んでしまった堀尾選手と彼のチームに大変申し訳なく思っています。若手ドライバーの育成プロジェクトとして、経験の少ない若年層の選手を競技に参加させるリスクを再認識し、今後はますます積極的にサポートするよう努めます」

「次戦富士大会はWECのサポートレースです。新たなライバルの参戦も予定されていますし、大きな舞台でパフォーマンスを発揮できるよう、万全の準備をしてのぞみたいと思います」

5号車ドライバー ミハエル・サウターのコメント

「FPではクルマのフィーリングがとても良く、1分49秒8のラップタイムが出せたので、それを再現したかったたんだけど、Q1は思うようなタイムを出せなかったんだ。Q2ではタイヤ内圧を変更して、その結果ラップタイムを改善することができたし、ポールを獲ることができてよかった」

「レース9のスタートはうまくいったんだけど、内側に押されて1ポジション落としてしまった。最初の数周でP2に戻りたかったけど、前のクルマに付いていくのに苦労したんだ。3周目に前のクルマがミスをしてメインストレートで追い越すチャンスができたから、ブレーキングを遅らせてT1でオーバーテイクしてP2に。ファイナルラップで前をいくトップの車が何かトラブルをかかえていたようでどんどん追い上げることができて、彼が最終コーナーでミスをして縁石に乗り上げたところを捉えてオーバーテイクできた結果、トップでフィニッシュできたんだ」

「レース10はスタートがとても良くて、P1キープでT1を通過できた。その後はペースも良好で、クリーンなスタートからフィニッシュまで、勝利にむけてレースをマネジメントできたと思うよ。今週末もチームが素晴らしいクルマに仕上げてくれたおかげで、ランキングでのリードを広げられたことをとても嬉しく思っている」

G Force Engineering 2024フォーミュラ・リージョナル第4大会もてぎ レースレポート
ミハエル・サウター(Birth Racing Project, G FORCE F111/3)

53号車ドライバー ジェシー・レイシーのコメント

「もてぎ大会は残念な週末になってしまった。金曜日はFP1で問題が発生し、7周しか走れなかった。土曜日の予選はP4とP6で、パフォーマンスはまぁまぁな感じだった。レース9はスタートしたときのスピードは悪くなかったんだけど、3周目以降にグリップが不足しはじめて、レースが進むにつれてどんどん悪化していったんだ。それでも7周に渡りTOM’Sのドライバーをおさえこみ、4番手を維持してフィニッシュできたんだけど、結果的に2番手のドライバーにペナルティが出たことで順位が繰り上がって3位表彰台獲得できた」

「レース10では改善できたところもあったんだけど、残念ながらスタートでストールしてしまった。すぐに抜かれてしまったドライバーたちを追い上げ始めたんけど、レース9と同じように数周したらグリップが大幅に低下してどんどん酷くなっていったんだ。最終的にはP6でフィニッシュで、ベストという結果にはほど遠かった。全体的に残念な週末だったけど、次の富士でより良い結果を出せるように、これまで以上に努力するつもり」

G Force Engineering 2024フォーミュラ・リージョナル第4大会もてぎ レースレポート
ジェシー・レイシー(BIONIC JACK RACING, G FORCE F111/3)

55号車ドライバー セバスチャン・マンソンのコメント

「大きな学びがある週末だった。レース1の終わりに大きなミスをしてしまった。予選では前回のラウンドより良いパフォーマンスが出せたと思う。富士に向けて勢いを保つことに集中したい」

G Force Engineering 2024フォーミュラ・リージョナル第4大会もてぎ レースレポート
セバスチャン・マンソン(BIRTH RACING PROJECT, G FORCE F111/3)

チーフエンジニア 湯地浩志のコメント

「5号車のミハエルは、持ち込みセットアップでそのままFP、QF、レースを過ごしたもてぎ大会は、我々エンジニアリングサイドとドライバーとのコンビネーション向上を実感した週末でした。過去3ラウンドのデータおよびミハエルのフィードバックから、DFレベル、ステアバランスをシミュレーションデータと見比べて持ち込みセットアップを決めていったのですが、パフォーマンス含め、これほどぴったりとは、嬉しい&びっくりでした。ただし、QF1およびレース9においては、グリップ不足を訴えており、次回富士に向けて、データ解析を進め、対策を検討・実施します」

「対照的に、QF2とレース10においては、圧倒的なパフォーマンスを発揮しており、レース10においては、デグラレーションも低くかったとのことでした。グリップに違和感があるときは、しっかりとマネジメントして、辛抱着くレースしてくれたのも、成長を感じると一面でした。これで、前戦岡山のレース8から3連勝を含む、10戦6勝と勝率60%となり、チャンピオンシップにも王手をかけましたので、引き続き、彼のパフォーマンスを発揮できるように、エンジニアリングしていきます」

「ジェシーは、覚醒した岡山ラウンドに引き続き、金曜日の走り始めは、トップレベルのタイムを記録していましたが、その後、グリップ不足に悩まされる週末でした。ドライビング自体は、前レースから引き続き、大きく改善しており、ペース不足については、次戦に向けて、データを解析し、対策を実施したいと思います。ミハエルのレース9同様に、グリップ不足に悩まされながら、レース9、10同様に、辛抱強くレースをしたことは、さらなるメンタルの向上も感じた週末でした。また、レース9において、ジェシーとクリーンなファイトを繰り広げてくれた中村選手にも敬意を表したいと思います」

「セバスチャンも、2度目のポールを獲得し、成長を感じる週末でした。レース9では、データ・車載映像を確認しましたが、最終ラップのV字コーナー立ち上がってから、エンジンに失火(レース後のデータ解析でエンジンのセンサードラブルが判明)が発生し、初優勝を目前にした16歳の少年が、コクピットのなかで、どれだけ失望したかを私も想像したと、日曜日のレース前のミーティングでも、それを伝えました。そして、どれだけパニックになったかも想像するが、レーシングドライバーは、無事に車両を持ち帰るのも仕事だし、一緒に走る他のドライバーやチームも含め、どれだけの人が尽力しているかを背負ってドライブしてほしいし、すべきという話もしました。その話を踏まえ、前日起こしてしまったアクシデントでメンタルなコンディション含め、万全ではなかったのですが、レース10で2位をしっかりと持ち帰ることができたことは良かったと思います」

「エンジニアリングとしては、今回も初めてのサーキットでしたが、ミハエルにドンピシャだった持込セットアップを、セバスチャンのフィードバック能力により、しっかりと自分に合わせこむということもできるようになっており、QF1でのポールポジション獲得につながりました」

「エンジニアリング全般として、それぞれのドライビングスタイルに対するセットアップも合わせ込みもレベルアップしてきたので、今まで、遠慮気味だった次のステップへのセットアップも次戦には盛り込んでいきたいと考えています。特に、富士は過去4ラウンド以上に、最高速が重要ですので、このあたりも含め、セットアップのさらなるレベルアップにも取り組みたいと考えています」


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