更新日: 2016.11.21 12:27
FIA-F4もてぎ:最後まで攻めの姿勢を貫いた宮田莉朋が王座に輝く
■第13戦決勝
土曜日午後からの第13戦は、いよいよ全車ドライタイヤを装着しての戦いに。運に左右されない、純粋な速さ比べを制したのは阪口だった。ポール大湯はスタートに出遅れ、その脇を宮田がすり抜けていくも、ピタリと食らいついて離れなかった阪口は3コーナーでトップに浮上。4コーナーでは大湯にも抜かれた宮田ながら、やはり大きな遅れは取らず。

さらに大滝、篠原を加えて、激しいトップ争いは5台で繰り広げられるようになる。そんななか、5周目の1コーナーでは宮田が2番手に再浮上。そして7周目の5コーナーでトップを奪おうとするも、これは仕掛けが早すぎた感も。アウトから迫って、阪口のリヤタイヤと宮田の翼端板が当たって弾かれてしまったからだ。
しかし、走りに影響を及ぼすほどではなかったのは不幸中の幸い、9周目には宮田がファステストラップを叩き出す。そして、最終ラップの90度コーナーで宮田がふたたび迫るも、阪口はしっかりガードを固めて逆転を許さず。ようやく初優勝の時が訪れた。

「1レース目は、やりきれない感でいっぱいでしたが、このレースではとにかく勝ちに行こうと、気持ちを入れ替えて臨みました。やっと勝てたというより、スタッフの皆さんに『長いこと、お待たせしました』って気分の方が大きいですね」と阪口。宮田が2位で、大湯が3位でフィニッシュした結果、第14戦にチャンピオン獲得の権利を残したのは、奇しくもこの3人だけだった。
ちなみにトップ宮田と阪口の差は4ポイント。とはいえ、それぞれ25番手、33番手から第14戦に挑む以上、もう得点は不可能とも思われた。阪口より前方からスタートする宮田は守りの姿勢でレースに挑む可能性もあったが、それはまったくの杞憂に終わる。宮田は20番手スタートの大湯を必死に追いかけ、そして揃って順位を上げ続けたからだ。