更新日: 2019.10.13 19:49
「厳しい状況で鈴鹿を迎えたが、一歩でも二歩でも前進できる戦いを披露したい」/ホンダF1山本MD&浅木センター長
──金曜日のフリー走行で山本尚貴選手が日本人ドライバーとして日本GPを5年ぶりに走りました。
山本MD:セッション後、本人と話をしたら、『やばいっす、加速がすごい。コーナーから次のコーナーへ到達するスピードが尋常じゃない。久しぶりにシートに(背中が)めり込む加速を味わいました』と言っていました。今日のためにレッドブルのシミュレーターに乗るなどの準備は行ってきましたが、実際にF1マシンをサーキットで走らせるのは今回のフリー走行が初めてでした。
そういう状況を考えれば、今日の走りは良かったと思うし、トロロッソのチーム代表を務めるフランツ(・トスト)も私と同じように評価していました。本人が言うように鈴鹿マイスターとしての実力は披露できたと思います。本人にとっても、ホンダにとってもいい経験となりました。この機会を与えてくれたトロロッソとレッドブルに感謝したいですし、尚貴は2週間後にここで(スーパーフォーミュラの)レースをするので、この経験を生かして頑張ってほしいですね。
──今回、日本GPには新しい燃料が投入され、それにもホンダの知見が採り入れられていますね。
浅木センター長:昨年からホンダはHRD SakuraだけでF1を戦うのではなく、本田技術研究所のすべてのなかから、必要な人材と知見を持ち寄って戦うことになりました。
まず初めに航空エンジン研究開発部門でホンダジェットを開発するスタッフからMGU-Hやターボに関する知見をもらい、今回の新燃料に関しては、ホンダの先進研究所のスタッフからさまざまな提案をもらい、エクソンモービルとともに研究・開発をしてきました。
──新しい燃料によって何が改善されたのでしょうか。
浅木センター長:細かな部分は教えられませんが、現在のF1のPUというのは数十年前では考えられなかったようなシステムで燃焼させ、非常に高い圧力をシリンダー内で発生させている。そうなると、シリンダー内で発生した意図しない超高圧・超高温な燃焼が起きやすく、ノッキングが発生しやすくなります。ノッキングはエンジンにダメージを与えるので、そういう部分を改善させるために燃料を新しくしました。