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投稿日: 2019.11.27 17:39

スペイン人ライターのF1便り:地獄の底から“フォーミュラ1.5”まで這い上がったマクラーレン


F1 | スペイン人ライターのF1便り:地獄の底から“フォーミュラ1.5”まで這い上がったマクラーレン

 また、マクラーレン成績向上のもうひとつの大きな理由が、MCL33よりMCL34の方が競争力のあるパッケージとなっていることを、公平に指摘しておくべきだろう。チームは2018年の早い段階で、将来のチャンスをものにするため、翌年のマシンに集中していた。現在の状況を見る限りその戦略はうまくいっているようだ。

 これは、パット・フライ、アンドレア・ステラ、最近ではジェームズ・キーといった優秀な人材を抱える技術チームの仕事のおかげでもある。チーム代表に就任したアンドレアス・ザイドルのことも付け加えるべきだろう。彼は元々ポルシェ・モータースポーツ全体を率いることになっていた。それにもかかわらず、マクラーレンを“救う”ために、その非常に魅力的なポジションを諦めたのだ。

 ザイドルにマクラーレンを救えるかどうかは時間が経てば分かるだろうが、その兆候は非常にポジティブなものだ。ザイドルのリーダーシップは人気があり効率的でもあるので、マクラーレンファンに希望を取り戻すだろう。

 2019年シーズンのマクラーレンは優れた仕事をしており、これまで行われた20戦中15戦でポイントを獲得している。またそのうち7戦で2台ともトップ10内のフィニッシュを果たしている。

 実際のところ、コンストラクターズ選手権4位という成績は、2012年以来のベストリザルトなのだ。ほとんどのレースにおいて、マクラーレンのマシンは中団チームのなかで最高であることは間違いなく、最終結果は予測可能だった。サインツのブラジルGPでの表彰台は、通常の出来事というわけではなかったかもしれない。フェラーリの同士討ちやハミルトンの接触&ペナルティなどレース終盤の混乱によってサインツがトップ3に入ることができたからだ。

 マクラーレンからは競技面で学ぶべきことがある。実際チームはマシンから最大の性能を引き出すことができている。F1ではチームがチャンスを逃すところをよく目にするが(ハースは大抵そうだ)、ここがマクラーレンに感銘を受ける部分だ。

 チームがより優れた取り組みを行ってきているのは間違いない。しかし私は、アロンソの存在がチームの状況を難しくしていたということを思い出さずにはいられない。同じことが以前のフェラーリでも起きていたのではないだろうか?2007年のマクラーレン、さらにWECトヨタにおいても……。アロンソが偉大なドライバーであることに間違いはない。だがザク・ブラウンがマシンに乗せたいと思うタイプの人間ではないと思う。ではサインツとノリスは?私は彼らがトップで戦うところを楽しみにしている!

2019年F1第20戦ブラジルGP カルロス・サインツJr.、ランド・ノリス(マクラーレン)
2019年F1第20戦ブラジルGP カルロス・サインツJr.、ランド・ノリス(マクラーレン)


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