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投稿日: 2020.03.31 19:20
更新日: 2020.03.31 19:21

【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第1回後編】ファクトリー閉鎖も仕方なし。人出不足に悩むハースに利点も


F1 | 【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第1回後編】ファクトリー閉鎖も仕方なし。人出不足に悩むハースに利点も

 昨年からこのコラムでもお話ししている通り、僕らは今までレースに行きながら、すごく少ない人数で物事のプロセスを作ったり、シミュレーターやマシン開発などをしていました。

 大きいチームはレース部門と開発部門が完全に別れるだけの人数もお金もありますが、ウチはファクトリーからレースをサポートしてくれている人たちがシミュレーターやソフトウェアの開発などもやっているのですごく大変です。そういう状況なので、今後はレースのない8週間をどれだけ活かせるかという話になってきます。

 イギリスに戻ってからも、ファクトリーの人たちとプランを立てていました。4月9日から働けるのであれば、次の週からすぐに風洞も使いますし、そこで出てきた開発部品は6月末のフランスGPで投入できるし、物によってはカナダGPで使えるかもしれません。

 ほかのスポーツでも延期や中止など様々な措置をとっていて、オリンピックやサッカーのユーロ2020が1年延期になりました。6月にF1を始められるとは思えないですが、エンジニアリング面を考えたら、2カ月レースがないというのはウチの様なチームにとってはプラス面もあるので、前向きにとらえて時間を有効に使わないといけないですね。

2020年F1第2回バルセロナテスト3日目 ロマン・グロージャン(ハース)
ハースF1チームの2020年型マシン『VF-20』

 余談ですが、イタリアのダラーラ社近くのパルマという街は空気が汚いことで有名なのですが、移動がかなり減ったので、随分と空気が綺麗になったようです。

 また自宅から仕事をすることが多くなったので、仕事のやり方も考え直してある部分では効率も上がりました。すごく単純に言ってしまえば通勤時間がなくなっただけでも時間とお金が節約できますよね。これを機に働き方や環境のことなど考え直すことも出来るかと思います。

 またF1界ではチームの枠を超えて人工呼吸器の製造や試験などを急ピッチで進めています。普段はエンターテインメントであるF1がこの様な非常時に少しでも医療現場に貢献出来るのであれば嬉しいことです。

 大変な時ではありますが、とにかく一日でも早く状況が改善しみなさんがまた通常の生活を送れるようになることを願っています。どうぞ安全にお過ごしください。


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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