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投稿日: 2020.07.01 07:30
更新日: 2020.06.30 21:00

いよいよF1復活も、事前準備の段階でチームに格差/スペイン人ライターのF1便り


F1 | いよいよF1復活も、事前準備の段階でチームに格差/スペイン人ライターのF1便り

 もうひとつの“悪い例”はマクラーレンだ。彼らも同様の運命に苦しめられた。エンジンが理由でテストを行えなかったのだ。彼らのケースでは、2018年マシンはルノーのエンジンを積んでいた。しかしルノーとの契約は、古いパワーユニットを積んだ旧型マシンの使用については網羅していなかったのだ。そういうわけで、カルロス・サインツJr.とランド・ノリスは、新シーズン開幕前にテストが行えず、他の選択肢を探さなければならなかった。マクラーレンの場合、カーリンと良好な関係にあることが幸いした。ふたりのドライバーがオーストリアの前にいくばくかの走行距離を稼げるように、カーリンからF3マシンを借りることができたのだ。それでも完璧な状況からはほど遠い。

 だがF1の全員にとって、小型のレーシングカーを走行させることは、なんのレーシングカーも走らせないよりはましだということは明確だ。その根拠は、ドライバーは身体的にスピードになれる必要があることにある。彼らの反応時間がよく訓練されることは明らかだ。また一部のドライバーは、iRacingや、rFactor 2、また2019年公式F1ゲームなどオンラインでレースをしてきた。こうしたことは彼らの本能を鋭くしておくことの助けにはなるだろうが、本物のマシンをコースで走らせることとは大きく違う。それが、マクラーレンがドライバーにF3マシンをドライブさせた理由だ。しかもそれはダラーラF317ではなく、さらに古いF312だった。だがそうしなければ、サインツJr.とノリスには何かが欠けたままだっただろう。

 専門家によると、人間は実際に意識した記憶よりも、筋肉が蓄えた記憶から多くを学ぶのだという。靴紐を結ぶことや、コンピュータのタイピングをするようなことを考えてみてほしい。そうしたときは、やっていることについて特に意識的に考えてはいないだろう。それは頭に深く染み込んでおり、身体がほとんど本能的にどのようにやるかを記憶しているのだ。ドライバーにとって、レッドブルリンクでのレースに100パーセントの状態で臨みたかったら、その感触をふたたび感じておくことは重要だ。それでも、彼らが最高のパフォーマンスを出すところを想像するのは難しい。確かに、一部のドライバーは他のドライバーよりも良いコンディションにあるかもしれない。その理由の一部は、最初のレースの前の1カ月にどのようなトレーニングをすることができていたかということになるだろう。

 個人的には、F1は追加のテストデーをレッドブルリンクで開催することもできたのではないかと感じている。2020年型マシンを3、4時間ほど実際に走行させるのは誰にとっても良いことになったと思う。現状では、一部のチームが2020年マシンをドライブできた一方で、他のチームは2018年マシンを走らせることを余儀なくされ、また、適切なF1マシンではなく、F3マシンの使用を頼みの綱にしなければならなかったのは、不公平だと考えている。とにかく、レース日程が近づいているなかではっきりしていることは、誰もが待機期間が終わることを喜んでいるということだ!

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