更新日: 2021.11.18 13:40
戦略的中で強さを発揮したガスリー。角田は「マシンバランスが崩れてもしっかり完走した」/ホンダ本橋CEインタビュー
──メルセデス、特にハミルトンのストレートでの異常な速さは、新品ICE(エンジン本体)によるものなのでしょうか。
本橋CE:そこは使い方もわからないし、これから解析していこうと思いますが、何があれだけの速さを生み出したのか、現時点ではちょっとわからないです。
──一方でマクラーレンのダニエル・リカルドがパワーロスでリタイアを喫している。信頼性の問題を抱えている印象です。
本橋CE:そうですね。過去には我々も、そういう時期がありました。今は信頼性、パフォーマンスの両面で戦える位置には来れるようになりましたけどね。
──角田選手のペナルティ、冒頭でも疑問を呈していましたが、ちょっと納得がいかないということですか?
本橋CE:そうですね。誰が悪いというのはレースなのでなんともいえないと思うのですが、あの瞬間の角田くんは自分が入っていくなかで当たらないようにという走行ラインを取っていた。他のドライバーたちの事故に至らないにしても類似した状況を見ても、あのペナルティはちょっとひどいというのが個人的な意見です。
──20台中唯一ソフトタイヤでスタートするというアグレッシブな戦略でしたが、しっかり順位を上げて、あの時点まではかなりうまく機能してました。
本橋CE:スプリント予選もそうでしたが、他のみんながミディアムタイヤを使うだろうと予想して、重要なスタートポジションを取りにいこうと。それが機能して、その結果あそこまで(ランス・ストロールを)追い込めた。ソフトの強みを活かした走りができていたと思います。それだけあの接触、そしてペナルティは残念でした。
──たらればですが、あそこでぶつかってなければポイント圏内まで行けていた?
本橋CE:そう思いますね。マシンパフォーマンスを見る限り、そこまで期待できたと思います。仕方なかったですね。
──ノーズを交換しましたが、空力的ダメージを抱えながら走っていたのですか?
本橋CE:はい。フロントウイング以外にも車体脇の空力パーツが壊れて、マシンバランスが崩れたまま走っていました。言い換えれば、そういう状態でもあそこまでしっかり走り切った。そこは頑張ってくれたと思うと同時に、角田くんの進化も実感しました。