更新日: 2022.11.08 08:06
【全ドライバー独自採点/F1第20戦】王者の走りを見せつけたフェルスタッペン。入賞目指す角田を襲ったインシデント
■評価 6/10:フェラーリのパフォーマンス不足を受け入れられなかったルクレール
シャルル・ルクレール(フェラーリ):予選7番手/決勝6位
ピエール・ガスリー(アルファタウリ):予選14番手/決勝11位
周冠宇(アルファロメオ):予選12番手/決勝13位
セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン):予選17番手/決勝14位
ミック・シューマッハー(ハース):予選16番手/決勝16位
シャルル・ルクレール(フェラーリ)はチームメイトとは異なり、この週末のフェラーリにはトップ争いをする力がないという事実を受け入れず、常に限界を超えてしまっていた。ピレリタイヤのテストに当てられたFP2で不必要なクラッシュを喫したことも、マイナスになった。予選ではスロットルレスポンスの問題で、ボッタスに敗れた後、決勝スタートで前に出て、最後まで6番手を走った。
ピエール・ガスリー(アルファタウリ)は、予選でチームメイトに敗れた後、決勝スタートで16番手に順位を落とした。ランス・ストロールに抑えつけられて苛立ちを募らせたガスリーは、ターン4でパスする際に、ストロールをコース外に押し出し、自分自身もコースから外れた。そういう場合、ポジションを戻さなければならないことは、チームから言われなかったとしても、分かっていたはずだ。5秒ペナルティを科されたのは当然のことで、ピットストップ後には16番手に戻ってしまったが、怒りが良い方に作用し、アグレッシブに戦い、ベッテルとアルボンを抜いて11番手まで上がったところでチェッカーを迎えた。
一方、周冠宇(アルファロメオ)は、アルボンを結局抜けなかった。周は、路面のグリップの低さにチームメイトほどうまく対応できなかった。予選ではQ2には進めたものの、ボッタスとは0.7秒の差があった。決勝ではリカルドとほぼ同じ戦略で、ミディアムタイヤで長いスティントを取った後、ソフトに交換してプッシュしようとしたのだが、リカルドと異なり、周はタイヤを機能させることができなかった。ベッテルを抜いた後はポジションを上げられず、13位という結果にとどまった。
日本とアメリカで好調だったセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)は、AMR22が、高地に位置し、路面のグリップが低いメキシコのサーキットでうまく機能せず、スピードを欠いていることに落胆した。予選ではQ1で敗退、決勝1周目にふたつ順位を上げ、ピットストップまで周冠宇の後ろを走った。アンダーカットが成功し、ガスリーと周の前に出たが、ベッテルはソフトタイヤを機能させることができず、レース終盤にポジションを落とし、14位という結果に終わった。
ミック・シューマッハー(ハース)は、決勝ではチームメイトよりも速かったものの、ハースVF-22はレースコンディションでは10台のなかで最も遅かった。予選ではケビン・マグヌッセンに負けてQ1で敗退。マグヌッセンがパワーユニット交換で降格されたため、15番グリッドからスタートしたシューマッハーは決勝を16位で終えた。
■評価 5/10:ペナルティのマグヌッセン、遅いマシンに苦労し下位から浮上できず
ケビン・マグヌッセン(ハース):予選15番手/決勝17位
ランス・ストロール(アストンマーティン):予選18番手/決勝15位
メキシコでハースのマシンに速さがなく、グリッドペナルティを受けなければならない状況のなかで、ケビン・マグヌッセン(ハース)には、通常ほどのモチベーションが見られなかった。それでも予選ではシューマッハーを破ってQ2に進出。スタートでウイリアムズ2台を抜き去るが、すぐにアルボンに抜き返され、ニコラス・ラティフィにもパスされた。2回ストップのラティフィに対し、マグヌッセンは1回ストップで前に出て、シューマッハーを追ったが届かなかった。
ランス・ストロール(アストンマーティン)は最後尾グリッドから素晴らしいスタートを切り、1周目に15番手に。13周目にガスリーに押し出される形で抜かれた後、ギャンブルで早期ピットストップ。この戦略は、タイヤのデグラデーションが低かったために効果をもたらさず、結局チームメイトから10秒遅れの15番手に終わった。
■評価 4/10:ただひとり2周遅れにされたラティフィ
ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ):予選20番手/決勝18位
ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)は週末を通して、20人のなかで最も遅かった。他者のペナルティで18番グリッドに繰り上がったが、スタートで結局最後尾に落ちてしまった。7周目にマグヌッセンを抜いた後、戦略で敗れ、タイヤの状態が良くなかったことで、唯一ウイナーから2周遅れでのフィニッシュとなってしまった。