更新日: 2024.06.06 17:07
【インディ500コラム】シボレー勢が圧倒。ホンダ“孤軍”のチップ・ガナッシ隊と躍進のダークホース
フンコス・ホーリンガー・レーシングも、とくにアグスティン・カナピノが、ツーリングカー出身でインディカー2年目とは思えないスピードを見せた。プレナム・トラブルが出なければ彼は予選でトップ12に食い込んでいただろう。カナピノの進境は著しく、コースを問わず速さを見せている。
スポット参戦のドレイヤー&レインボールド・レーシングも高く賞賛されるべきレースを戦ったと言えるだろう。ライアン・ハンター-レイは予選でトップ12に食い込み、レースもリード。チームメイトのコナー・デイリーは予選でこそ不発だったが、レースでは作戦が大当たりでトップグループへ進出すると、そのポジションをキープするレース巧者ぶりを見せて10位でゴールした。
これほどまでの好調を見せたシボレー勢に対してホンダユーザーは、プラクティス時点からレース用の低ブーストでも苦戦していたが、レース終盤にチップ・ガナッシ・レーシングのスコット・ディクソンとアレックス・パロウのふたりがトップ争いに食い込んでいった。
予選ではトップ12にも入れなかった彼らだが、レース用セッティングは非常に強力で、作戦面の強さも後押しし、チームはふたりをトップグループへと押し上げた。ただ、彼らがトップを長く維持できなかったのは、中団からのスタートに臨むためにダウンフォースが多めのセッティングとしていたためかもしれない。
そして終盤土壇場のバトルではディクソンがしぶとさを発揮し、最終ラップでアレクサンダー・ロッシ(アロウ・マクラーレン)をパスしての3位を得ることになったのは、そのおかげだったと考えることもできる。パロウも、マクラフランとのバトルに競り勝って5位でゴールした。
インディ500が今年のシボレーのシーズン3勝目で、ホンダと勝利数で並んだ……と思えば、翌週の第6戦デトロイトはお膝元だというのにホンダがワン・ツー・スリー・フォーフィニッシュ。ふたつのマニュファクチャラーによる一進一退のバトルは今後も続けてられて行くことになりそうだ。