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投稿日: 2024.08.11 12:10

すべてのF2ドライバーにF1のチャンスはある。F2パドック事情とコンディション維持のノウハウ【宮田莉朋“三刀流“コラムLAP 7】


Blog | すべてのF2ドライバーにF1のチャンスはある。F2パドック事情とコンディション維持のノウハウ【宮田莉朋“三刀流“コラムLAP 7】

 さて、しばらくは連戦が続いていたこともあったためか、食事のこだわり、睡眠、トレーニングといった日々の『コンディション維持のノウハウ』を教えてくださいと、リクエストをいただきました。ただ、僕の食生活は日本にいたころとあまり変わっていなかったりします。

 僕は日本にいたころから自分で料理をしていたので、自分では栄養面で偏りのない食事はできていると感じます。ただ、今年からは食生活に関しては平日もレースウイークと同じようにしようと心がけていますね。というのも、日本にいたころは普段は朝食を食べずに、昼食と夕食だけで済ませていたのですけど、レースウイークの際には朝食も含めて1日に3回食べるという生活でした。

 ただ、ヨーロッパに来てからは普段から朝食もしっかり食べようと思い、今は1日3食を心がけています。昼食に関しては野菜、肉類などのタンパク質に加えて、パスタやパンなどの炭水化物も取り入れています。夕食は基本的には炭水化物は摂らず、タンパク質と野菜、ヨーグルトを摂るようにしています。それでも、メニュー内容は日本にいたころとあまり変わっていません。

2024 FIA F2第6戦バルセロナ 宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)
2024 FIA F2第6戦バルセロナ 宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)

 睡眠に関してはここ最近はヨーロッパ内でのレースが続いているため違和感なく過ごすことができています。ただ、一番苦手だなと感じたのは、ドイツからイギリスとか、中途半端に時差が1〜2時間あるところですね。睡眠を含めた実生活に地味に効いてくる感じです。逆に、大きく時差がある国の方が、楽に適応して過ごすことができたりしました。

 日々のトレーニングでは首に加えて、今は腕にも重点を置いています。というのもFIA F2マシンにはパワーステアリングがありません。日本ではスーパーフォーミュラをはじめ、4〜5年はパワーステアリングがあるクルマに乗っていました。そこからパワーステアリングがないフォーミュラカーに変わると、当初はパワーステアリングがないことが違和感だとすら感じていたりしました。

 当然、パワーステアリングがないことによる疲労はあります。そのため、疲労した部分をしっかりと鍛えるようなトレーニングに切り替えて取り組んでいます。

 それに関連して、レースウイーク中では走行セッション前にテニスボールを使った反射神経のウォームアップを行っています。国際映像には映らないのですけど、実はFIA F2ドライバーの多くが同様のウォームアップを行っていますね。僕もそうですが、FIA F2ドライバーの多くはフィジオが帯同しているので、フィジオと一緒にウォームアップをしている姿はよく見かけます。僕はクルマに乗るギリギリのタイミングでやって焦ったりするのは嫌なので、クルマに乗る1時間前にやるようにルーティン化しています。

2024年スーパーフォーミュラ第4戦富士スピードウェイ決勝 坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)
スーパーフォーミュラで4年ぶりの優勝を果たした坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)

■サマーブレイクには久々の帰国の予定&SF坪井選手へのメッセージ

 さて、このコラムが掲載される頃はサマーブレイク中です。僕には1週間弱しかないサマーブレイクですが、オフシーズン以来、久しぶりに日本に帰国する予定です。

 そして、8月といえばもう来シーズンの準備をしなければいけない時期でもあります。帰国した際には、お世話になっている方々に自分の近況と、自分がやりたいこと、そして感謝を直接お伝えしたいと考えています。

 サマーブレイク、夏休みといえば休日という感覚の方が多いかとは思いますが、8月はレーシングドライバーにとって、次のシーズンを左右するすごく大事な時期だと僕は考えています。1週間弱しかないありませんが、この間にやるべきことをやり、サマーブレイク明けの後半戦にしっかりと臨めるように準備を進めたいと思います。

 最後になりましたが、去年のスーパーGTのチームメイトで、今年、僕のスーパーフォーミュラ(SF)のマシンを乗り継いでもらった坪井翔選手(VANTELIN TEAM TOM’S)、スーパーフォーミュラ第4戦富士の優勝おめでとうございます。

 外から見ているだけですが、今年から変わった共通ダンパーがSFの新しい面白さを生み出しているなと感じますね。昨年までよりも考える要素が減ったことで、ダンパーの目指すべきところが各チーム同じ方向になったのかもしれません。それでもしっかりとタイム差が出るのが、スーパーフォーミュラの奥深い部分ですね。

 坪井選手はSFキャリアでは4年ぶりの優勝で、本当に嬉しいことだと思いますし、昨年まで僕が乗っていたクルマなので、僕もなおさら嬉しいです(笑)。それではまた次回のコラムで!

※今月の“リトモメーター”は飛行経路のみでお届けします!

2024年 宮田莉朋コラム第7回
7月3日から、ドイツ・ケルン-ボン(CGN)〜ロンドン・ヒースロー(LHR)、ヒースロー(LHR)〜イタリア・フィレンツェ・ペレトラ空港(FLR)、フィレンツェ(FLR)〜ドイツ・フランクフルト(FRA)、ケルン-ボン(CGN)〜ヒースロー(LHR)、ヒースロー(LHR)〜ケルン-ボン(CGN)、フランクフルト(FRA)〜ハンガリー・リスト・フェレンツ(BUD)、リスト・フェレンツ(BUD)〜ケルン-ボン(CGN)。


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