更新日: 2019.03.19 19:23
IMSA:「優勝可能なペースが築けていた」マツダ、セブリング12時間はトラブルとアクシデントに泣く
一方、7番手からスタートした55号車マツダRT24-Pは、序盤に順位を落としトップから1ラップダウンとなるも、その後レースペースを取り戻し、リードラップに復帰する。さらに上位復帰を狙うチームはピットタイミングを駆使して一時はレースリーダにもなった。
しかし、レース折り返しを迎える直前、総合3番手を走行中だったボマリートが突然コントロールを失ってコースアウト。マシンはフロントからタイヤバリアにクラッシュしてしまう。
幸いリタイアに至る大きなダメージはなく、チームはフロントノーズを含むカウル交換作業だけでマシンをコースに復帰させるが、イレギュラーのピット作業とクラッシュからの復帰に要した時間によって55号車はトップから3周遅れとなる。
それでもレースはまだ約6時間を残しており、チームと3人のドライバーは必死でロスタイムの挽回を図っていく。ラップダウンを2周に減らして迎えた10時間目には、ティンクネルが1分47秒472のファステストラップを記録してみせた。
しかし、レース後半は天候の回復もあってSCの出動が減り、挽回のチャンスがなかなか訪れず。結局、55号車はそのままトップから2周遅れの総合6位でフィニッシュしている。
痛恨のクラッシュを喫してしまったボマリートはレース後、次のように語った。
「今回、僕たちのクルマにはスピードがあった。しかし、終盤に勝利を争える位置にいられなかったことが残念だよ」
「僕のミスでイレギュラーなピット作業を強いられてロスしてしまい、大変申し訳なく思っている」
「しかし、クルー達は素早い作業でマシンを修理してくれ、また、チームメイトのオリビエ(・プラ)とハリー(・ティンクネル)も信じられないペースでロスを挽回してくれた。彼らには心から感謝しているよ」
マツダUSAモータースポーツのトップを務めるジョン・ドゥーナンは「セブリング12時間では毎回、予想していなかったことが起こるが、今回は序盤のヘビーレインがレースの行方を大きく左右したと言えるだろう」とコメント。
「明らかに我々のマツダRT24-Pは速く、ウイニングペースが築けていたと思う。レース終盤の10時間目にティンクネルがファステストラップを記録したことで、それを証明しているだけに(このような結果は)残念だ」
「それでも、諦めることなくマシンの修復やピット作業に全力で取り組んだチーム、ラップダウンのロスを挽回するためハイペースで走ったドライバーたちを誇りに思うよ」と語った。
今戦はトラブルとアクシデントに泣いたマツダチーム・ヨースト。彼らの次なる戦いは4月11~13日、カリフォルニア州ロングビーチ市街地コースで行われる、第3戦ロングビーチのスプリントラウンドだ。なお、今回マツダの助っ人ドライバーとしてセブリング12時間を戦ったベルンハルト、プラ、ティンクネルの3名は、6時間レースが行われる第6戦ワトキンズグレンでチームに再合流する予定となっている。