更新日: 2021.08.23 17:55
最終ラップでの逆転、劇的勝利のWRTフラインス「僕らのレースは終わったと思った」/ル・マン24時間
土壇場でクラストップに立ったフラインスは、残り3周の時点で2台のトヨタGR010ハイブリッドが同時にピットを出るのを確認していたため、LMP2クラスのレースがどのように終了するかを予測できたという。
約2秒差でファイナルラップを迎えた31号車オレカと28号車オレカ。オランダ人ドライバーを追いかけるブロンクビストはこの1周で問題を抱えた31号車の背後に迫り、ポルシェカーブを超えた先で彼のテールについた。その後、トヨタ勢を先頭にしたトラフィックに巻き込まれた2台のバトルはワイルドなエンディングを迎えた。
「僕は最後に何が起きるのかを正確に理解できていた。彼らはフォトフィニッシュを狙っていたんだ」
「彼らがオーバーテイクしたドライバーたちは余分なラップをしたくなかったので(トヨタGR010ハイブリッドがスローダウンしても)ふたたび追い抜くことはしない。その集団のなかに入ることが予見できた」
「僕は彼らの3、4秒ほど後ろにいて、ペースを維持するのに必死だったし、コンマ1秒でも多く稼ごうと必死だった」
「最後のセクターに入った時、ブロンクビストはすでに1.2秒差に迫っていて、前方にはスローダウンしているクルマの列が見えた。こんなときはどうすればいい?」
「最終シケインを抜けた先でP2カーが減速したので、僕は右にマシンを振ったが、同じように右に避けたGTカーと軽く接触した。彼はそれを予測してなかったので責めることはできない」
「直後、リヤが少し滑った。次に目の前に見えたのはチェッカーフラッグマンだったので、避けるためにふたたび左に曲がったんだ」
フラインスはチェッカーフラッグを振るコース上の係員を辛うじて避けた。彼は後に、フィニッシュするクルマの後ろでまだ争っているマシンがいる場合、レースの終了手順を変更すべきだと提案した。
「チェッカーフラッグマンがフィニッシュラインに立つことは全面的に支持する。これは伝統的なものだし、写真映えもするからね」とフラインス。
「だから来年から禁止すべきだとは言わない。しかし、誰かが後ろで優勝や表彰台を争っている場合は、スピードを上げるか、道を譲るかなどを考慮する必要がある」
「後ろで戦っている人がいるときは時速80キロでフィニッシュラインをくぐらないでほしいね」