更新日: 2023.03.22 20:02
トヨタ8号車「3周もひどい目に」/ビルヌーブのスピンに伏線?/あのロケットの正体【WECセブリング決勝日Topics】
ユナイテッド・オートスポーツのフィリペ・アルバカーキ/フィル・ハンソン/フレデリック・ルビンは、レースでは2位に終わったものの、ランキング上ではLMP2ポイントリーダーとなってセブリングを後にした。
これは、優勝した48号車のハーツ・チーム・JOTAが、このカテゴリーでフルシーズンを戦うことができないためだ。彼らはシーズン途中より、ポルシェ963のカスタマー車両でハイパーカークラスへと参戦する。
LMP2の勝者であるウィル・スティーブンスは、プレマ・レーシング63号車との燃費戦略バトルをこう振り返る。
「彼らが最後まで燃料スプラッシュをせずに走れるところに近づいているのは分かっていたから、最後の2〜3スティントではギャップを作ろうとハードにプッシュしたんだ。僕らは40秒を確保する必要があったが、ちょうどそこに到達したところで、彼らがピットインするかどうか確信が持てなかったので、早めにピットインしたんだ」
一方のプレマは、結局終盤に燃料スプラッシュしたため、WEC初勝利とはならなかった。ドライバーのミルコ・ボルトロッティは、「最終的には、この結果に満足することができる」と語った。
「僕らが燃料補給をしなければならないことは分かっていたので、驚きはないよ」
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ファビオ・シェーラーは、LMP2で4位を獲得したインターユーロポル・コンペティションについて、来年ハイパーカーに移行する2台体制のチームが3つある中で、このポーランド籍のチームが1台で参戦したことを考えると、「メガ(とても大きなできごと)」であると評した。
「ファクトリーチームと戦うことを考えれば、5位以内に入ることはすべて勝利に等しい」とシェーラーは語っている。
■LMGTEアマで13レースぶりのラインアップ
LMGTEアマクラスの表彰台が、3つの異なるマニュファクチャラーによって構成されるのは、13イベントぶりのことである。前回のそれは、2020年のル・マン24時間レースで、TFスポーツ(アストンマーティン)、チーム・プロジェクト1(ポルシェ)、AFコルセ(フェラーリ)というラインアップであった。
今回のセブリングでは、シボレー、ポルシェ、フェラーリの3メーカーが表彰台を分け合った。
3位に入ったケッセル・レーシングは、WEC初表彰台獲得となった。ドライバーのダニエル・セラは、このクラスで最速のレースラップを刻んでいる。彼は204周目に1分59秒143を記録した。
プロジェクト1・AOは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦しているAOレーシングの恐竜をモチーフにしたポルシェ911 GT3 Rの愛称である『Rexy』のステッカーをポルシェ911 RSR-19のリヤに貼り、走行した。
■2024年、セブリングに代わる米国ラウンドは?
WECは6月のル・マンで2024年のスケジュールを発表する予定であると、チャンピオンシップCEOのフレデリック・ルキアンは述べている。
2024年の開幕戦として発表されているカタール戦は2月〜3月上旬の開催が予想されていることから、シリーズはセブリングに代わるアメリカラウンドの選択肢を検討しているものと理解されているが、ルキアンは、カレンダーが発表されるまでは「何も言えない」としている。
WECは今後もウェザーテック選手権と週末を共有するのかとの質問に対し、ルキアンは次のように答えた。
「いずれ分かることだ。IMSAは非常に強力なパートナーであり、忠実なパートナーだ。しかし我々には、WECにベストを尽くすために考慮しなければならないパラメータがたくさんある」
WECのレース後の表彰式では、IMSA会長のジョン・ドゥーナンがトロフィーを授与した。
ドゥーナンは土曜日にIMSAラジオのコメンテーターであるジョン・ヒンドホーに対し、WECが今後セブリングに進出するかどうかは「彼らの発表である」と語った。
■フロリダならではの光景
レース終了間際、フロリダのケープカナベラルからファルコン9ロケットが打ち上げられるのが目撃され、テレビの国際映像もこれを捉えていた。このロケットは、2基のテレビ放送衛星を軌道に乗せるために打ち上げられたものである。
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セブリング戦を終え、シリーズは急ぎヨーロッパへと向かう(戻る)ことになる。2023年WEC第2戦は、4月16日にポルトガル南部のアルガルベ国際サーキットで行われる『ポルティマオ6時間レース』となる。