投稿日: 2024.07.22 17:42
更新日: 2024.07.22 18:12

TOYOTA GAZOO Racing 2024スーパーフォーミュラ第4戦富士 レースレポート


スーパーフォーミュラ | TOYOTA GAZOO Racing 2024スーパーフォーミュラ第4戦富士 レースレポート

 21日(日)も好天に恵まれ、気温32度、路面温度45度と真夏の暑さとなりました。午後3時3分、大観衆の見守る中、41周で争われる決勝レースのスタートが切られました。

 ポールポジションの福住は順当なスタートを切り順位をキープ。2番手の岩佐が出遅れたことで、3番手グリッドの大湯が2番手へ、岩佐のすぐ後4番手スタートの坪井は5番手へと後退。12番手スタートの阪口は1周目から車両トラブルに見舞われてコース脇にストップ。早くもレースを終えることとなってしまいました。

 首位の福住が逃げ、大湯も3番手との差を広げる一方で、4番手以降は集団での激しいバトルが展開。8周目には坪井が前車をパスし3番手へと浮上。TGR勢のトップ3となりました。

 規定の10周を終えると、義務づけられているピットでのタイヤ交換を消化すべく徐々にピットへ。上位勢では、2番手の大湯が13周を終えてピットイン。翌周には首位の福住がピットへと向かいました。しかし、福住はこのピットで左フロントタイヤの交換に手間取りタイムロス。ピットを終えた組の6番手まで後退することとなりました。

 先にピットを終えた組では、野尻智紀(TEAM MUGEN)の先行を許す形となっていた大湯は、17周目に野尻をかわしてピット消化組でのトップに浮上。ピットに入らず首位を行く坪井と、見えない首位争いを繰り広げることとなりました。

 福住もハイペースで追い上げ、22周目に笹原、24周目には国本をパス。ピット消化組の4番手へと順位を上げました。

 首位を行く坪井は、28周を終えたところでピットインすると、ピット消化組の4番手でコースに復帰。タイヤが暖まるまで福住の猛追を受けますがこれを凌ぎきると、暖まった新品タイヤで猛追を開始しました。

 30周目に牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)をかわすと、その周の最終コーナーでは野尻のすぐ後まで追いつき、ストレートで野尻をパス。事実上の首位を行く大湯に続く2番手へとポジションを上げました。

 勢いに乗る坪井はみるみるうちに大湯との差を詰めると、34周目のストレートからTGRコーナー(1コーナー)進入で並びかけ、一旦は引いたものの2コーナーでパス。実質上の首位に立ちました。

 坪井は後続との差を広げていき、39周目を終えたところでピットイン未消化だった車両がピットインしたことで首位に浮上。最後は2番手に7秒の大差をつけてトップチェッカー。今季初勝利を飾りました。2位には大湯が続き、TGR勢はワン・ツー・フィニッシュ。坪井にとっては2020年最終戦富士大会以来4年ぶり通算3勝目。TGR勢にとって“ホーム”である富士では2022年の第1戦以来、2年ぶりとなる勝利をもたらしました。坪井はこの勝利で、記念すべき『瑶子女王杯』の第1回ウイナーとなりました。また、坪井は配偶者の斎藤愛未選手が併催のKYOJO CUPで今大会の2レースを制しており、夫婦でこの週末富士を制覇することとなりました。

 ポールポジションから健闘を見せた福住は最後まで表彰台を争いましたが惜しくも届かず4位。国本が6位、小林が8位。そして平良が9位に入り、スーパーフォーミュラデビュー2戦目にして初のポイント獲得を果たしました。

2024スーパーフォーミュラ第4戦富士
瑶子女王殿下とウイナーの坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)

■コメント

●VANTELIN TEAM TOM’S 36号車 坪井翔

「ずっと切望していた優勝だったのでめちゃくちゃ嬉しいです。こんなに嬉しいのは久々です。今年はチームを移籍して、開幕戦ノーポイントから始まったので、シーズンどうなるかなと思った部分もありました。でも徐々に手応えを感じつつある中、予選4番手を取れたので、富士だったらペースが良ければチャンスあるのかなというところでしっかり勝ち取れたので良かったです」

「今回はテストの段階から、どちらかというとロングランの方が自信はあったのですが、予選もなんとか2列目に入れたので、これはチャンスがあるぞと思っていました。スタートは結構良かったのですが、前の岩佐選手が失速して、それを避けるのに横に滑ってしまい、2台ほどに抜かれてしまいました。でもその後のペースが良いのは感じ取れたので、なるべく10周目までに前に行けるだけ行こうと、様子を見ながら、タイヤをマネージメントしながら、周りの動きを見ながらの走りでした」

「周りが早めに動いたので、逆に僕は引っ張る作戦でしたが、ピットに入るタイミングも抜群でしたし、その後のペースもずっとキープできました。チームが本当に良いクルマにしてくれて、最高の作戦で、これ以上言うことなしの最高のレース展開でした」

「今大会は彼女が2連勝してしまったので、嬉しい意味ですごいプレッシャーがあったのですが、でも本当に夫婦での優勝を有言実行できて、素晴らしい日になったなと思います。女王杯獲得も、この貴重な機会で最初の勝者になれたことは本当に嬉しいです。チームと一緒にこつこつと努力してきたのが結果に結びついたのかと思います」

「3位、3位、1位とようやくここで勝つことができて、後半戦に向けて良い流れを作れたのかなと思います。ただライバル勢もやっぱり速く、強いですし、チャンピオンシップを考えるともう負けられないので、なんとかくらいついていけるよう次戦も頑張りたいと思います」

●VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING 39号車 大湯都史樹

「悔しいです。坪井選手が強すぎました。もう少し守ろうとしたのですが、ペースが違いすぎ、逆に競ると3位争いになってしまう可能性もあって冷静に最後まで走りました」

「いいレースができていたので、優勝できなかったのは本当に悔しいのですが、ここまで来られたというのがまず39号車、チームとしては大きな進歩だと思います。チームもメカもエンジニアもスタッフも、本当にもうみんな頑張ってくれて開幕からすごいパフォーマンス上げてくれたので、それを優勝で返したかったのですが、お預けですね。まあ悔しいです。これをバネにこの先のレース戦っていきたいなと思っています」

「やっぱりトムスもそうですし、無限チームもすごいポテンシャルが高くて、そこに何とか今食らいついていけるんじゃないかというところまで来ていますし、今回夏場のレースでこういう成績を残せたっていうのは、自分としてもポジティブな結果ですので、しっかり次のもてぎもこの好調をキープしつつ、さらにポテンシャルを上げているように優勝を狙って頑張っていきたいと思います」

TOYOTA GAZOO Racing 2024スーパーフォーミュラ第4戦富士 レースレポート
2024スーパーフォーミュラ第4戦富士の表彰式 左から大湯都史樹、坪井翔、舘信秀監督、野尻智紀


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