投稿日: 2016.04.24 23:59
更新日: 2016.04.25 00:21

最下位からの“逆転”優勝、山本独走劇のキーポイント


スーパーフォーミュラ | 最下位からの“逆転”優勝、山本独走劇のキーポイント

 また阿部エンジニアは、最後の最後まで最良のセッティングを求め、考え続けたことが勝利につながったという。

「キーポイントは諦めなかったことだと思います。金曜の走り出しからトラブルで後手にまわってしまい、フリー走行でもセッティングをまとめきれなかった。そこでも予選前まで、ひたすら良いセッティングがないかと考え続けたのが本当に良かったですね。メカニックの皆もギリギリまで作業を待ってくれて対応できるようにしてくれていたことにも感謝しています。もしあそこで諦めていたら、今週末は本当にダメだった。分からない中でも色々得たことも多かったので、本当に諦めないでよかったです」

 そしてチームをまとめる立場の手塚監督は、金曜のトラブルが最終的に良い意味での起爆剤になったという。

「金曜日にトラブルが出て、出遅れてしまったのが大きかったですね。ただ良い方向に考えたら最初の間に不運を出し切ったと思って、もう一度土曜日から仕切り直しという気持ちでチーム全員で臨みました。メカニックの皆もトラブルが起きても顔色変えずに作業にあたってくれました。ドライバーとエンジニアばかりが注目されがちだけど、我々のメカニックも精神は強いですから、心強かったです」と、メカニックたちの頑張りも讃えた。

 3人のコメントに共通して感じられたことは、トップをとるために最後まで出せる手を尽くし切ったというところ。今のスーパーフォーミュラは非常にレベルが高く、100パーセントのセッティングを完成させたとしても、トップをとれるという保証はない。その点で今週末のTEAM 無限は金曜のトラブルから歯車がかみ合っていなかったと言えるだろう。

 ただ、そこで完璧に歯車を噛み合わせるため、トップをとるために予選の直前、決勝の直前までチームの誰一人として諦めなかったことが、スタートから他を圧倒する独走劇につながったのだ。


関連のニュース