更新日: 2024.05.04 22:07
ARTA 2024スーパーGT第2戦富士 決勝レポート
■ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8
素晴らしい走りをしたふたりだが残り数周のところで突然のスローダウン
快晴に恵まれた富士スピードウェイは気温も心地よく、レース観戦日和になった。#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPER-GTはこのレースで大量ポイントを獲得し、チャンピオンシップを有利に進めたい。ウォームアップ走行では決勝のセットを確認し、スタートを待った。今回のレースは3時間のレースだ。レースの中断や、SC、FCYの導入が無ければ、約120周弱のレースになる。給油を伴う2回のピットインが義務付けられている。
スタートドライバーは松下信治選手。1周のパレードラップとフォーメーションラップのあと、スタートが切られた。
松下選手は慎重にスタートを切り、4番手で周回を重ねた。9周目から300クラスの後方集団に追いついた。抜くチャンスでもあるが、抜かれないように松下選手は集中して走行を重ねる。
16周目に300クラスの車両が止まってしまい、このレース最初のFCYが導入され、車両の回収が完了した翌周に解除された。25周時点で3番手との差は6秒あり、ペースは大きく変わらないが、なかなか差を詰めることができないでいた。
33周目にルーティンのピットインを行い、野尻智紀選手に交代。全車が1回目のルーティンのピットインを終えた41周目の時点で、野尻選手は4番手を走行。41周目には自己ベストラップを更新し、じわじわと前車との差を詰めていくが、なかなか抜くまでに至らない。しかし、70周目の最終コーナーで前車のスリップに入り、71周目の1コーナーで3番手にポジションアップ。
73周目から2回目のルーティンのピットインを始めるチームが出始めた。77周あたりで2時間経過。残りは1時間。78周目に野尻選手はピットインし、松下選手に最後のスティントを託した。全車のピットインが完了し、80周の時点で順位は3番手。
その後、4番手のクルマが迫ってきて、終盤は3番手争いのデッドヒートを繰り広げる。松下選手は、何度かストレートで前に出られるものの、すぐに抜き返し、3番手を死守する。
しかし、110周目に入ったストレートで突然のスローダウン。ピットに入ったが、走行を続けることはできなかった。完走扱いになったものの、チェッカーを受けることができなかった。原因を究明し、次回のレースに生かしたい。
●鈴木亜久里監督のコメント
「トップの2台に追いつくことは難しかったけど、3位にはなれたと思うので、今回のトラブルは悔しいね。ドライバーふたりは素晴らしいレースを見せてくれたので、結果につなげることができなかったのは申し訳ない」
●土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「3番手を死守して頑張っていた。野尻もノブも良い仕事をしたと思います。今回ポイントはとれなかったけど、ドライバーには100点をあげたいですね」
●田中洋克チームディレクターのコメント
「表彰台は行けると思ったのですが、トラブルが出てしまい、これ以上走れない状況でしたので、とても残念です。昨日の予選からうまく修正して良いレースができていましたが、次、頑張ります」
●野尻智紀選手のコメント
「内容的にも良くて、表彰台も狙えていたので、残念な結果ではありますが、しっかりと原因を究明してもらい、ボクらドライバーはもっとパフォーマンス高く走れるようにしっかり、ドライバー間、エンジニア間でコミュニケーションをとって準備するだけなので、結果は悔しいですが、松下選手の走りは気持ちも伝わってきましたし、ボク自身もすごく次に繋がるレースになったと思います。次も頑張ります」
●松下信治選手のコメント
「終盤まで野尻さんもチームも、頑張ってお膳立てしてもらったので、ボクはただそれに乗っかっただけなんですが、最後まで残りあと、7~8分だったと思うんですけど、ギアかな? わからないですけど、本当に悔しいですね。表彰台って、獲れる時に獲っておかないといけないと思うので、今日はそれしか言葉が出ないです」
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終盤ステアリング系のトラブルか? 安全を考慮してチェッカーを受けず
今日のレースは14番手スタートではあるが、ドライバー、スタッフは気持ちを切り替えて少しでも多くのポイントを獲得すべく、決勝を待った。今回のレースは、3時間のタイムレースで、約120周弱のバトルが繰り広げられる。給油を伴う2回のピットインが義務付けられている。
スタートドライバーは佐藤蓮選手。ウォームアップ走行では6番手のタイムを記録し、決勝のバランスは良さそうだ。14番手からの追い上げが期待された。
佐藤蓮選手はクリーンなスタートを切り、13番手で1周目を終えた。5周目の最終コーナーで前車を抜いたが、クロスラインで抜き返されてしまう。そのままスリップに入り、1コーナーで順位を上げることに成功した。この時点で12番手。さらに次の周のメインストレートで1台を抜き、11番手に順位を上げる。佐藤のペースは良い。
12周目には8番手争いの集団に追いつき、チャンスを伺う。16周目に300クラスの車両が止まってしまい、このレース最初のFCYが導入され、車両の回収が完了した翌周に解除された。
25周の時点で、10番手の車とは0.6秒差だ。ペースはほぼ同じでなかなか抜くまでに至らない。30周目にルーティンのピットインを行い、大津弘樹選手に交代。
全車が1回目のルーティンのピットインを終えた41周目の時点で、大津選手は7番手まで順位を上げることに成功。大津選手のペースは良いが、そこから先はなかなか順位を上げられずに、我慢の走行が続いた。
73周目から2回目のルーティンのピットインを始めるチームが出始め、75周目に大津選手はピットインして、佐藤選手に交代。77周あたりで2時間経過。残りは1時間。
78周目のストレートでスリップに着かれてしまい、1コーナーでひとつ順位を落としてしまう。80周で全車が2回目のピットインを完了し、9番手を走行。95周目にステアリング系統と思われる不調を訴え、100Rでコースアウト。ピットに戻りチェックを行う。
チェックを終え、14分後に佐藤選手をコースに送り出しチェック走行を行ったが、走り続けることはできず、ピットに戻り、完走扱いになったものの、チェッカーを受けることはできなかった。
●鈴木亜久里監督のコメント
「14番手という後方から追い上げて、一時は7番手まで順位を上げてくれたのは良かった。ペースも良かったので、もっと順位を上げられる可能性があったので残念。だけど、これを次回以降のレースに生かさないとね」
●土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「あの順位から諦めない姿勢が伝わってきた。一時は7番手までポジションをあげることができたのがそれを証明しているよね。ふたりともよく頑張っていた」
●田中洋克チームディレクターのコメント
「14番手からのスタートでドライバーふたりとも頑張って追い上げてくれたのですが、トラブルが出てしまい、一度ピットに入れて修復を試みたのですが、これ以上走らせるのは危険と判断し、最後まで走らせることができませんでした。良いペースで走れていたので、残念です。次回は挽回したいです」
●大津弘樹選手のコメント
「今回は14番手からのスタートでした。蓮は500でスタート経験が無かったので、担当してもらって、序盤はペースよく走ってくれて順位もあげつつ、ボクに代わったあとも自身のスティントで順位もあげたし、ベースも悪くなかったので、クルマとタイヤの状態も良かったと思います。サードスティントは気温も下がったので、アウトラップで順位を落としてしまったのですが、その後のペースは良かったので、これから終盤にかけて追い上げるところでトラブルが出てしまいました。ポイント圏内を走れていたので、それを取りこぼしてしまったのは痛かったです。まだ原因が分からないので、しっかり解析してもらい次戦に臨みたいと思います」
●佐藤蓮選手のコメント
「初めてスタートを担当しましたが、何とかミスなく最初のスティントを走れました。順位も徐々に上げることもできて、大津さんも素晴らしい走りで最後のスティントでボクにつないでくれました。最後のスティントも良いペースで走れていたのですが、終盤トラブルが出てしまい、一度ピットに戻って修復してもらったのですが、チームの判断で走行を止めました。悔しい結果ではありますが、収穫もあったので、次のレースに生かしたいと思います」