更新日: 2024.05.05 04:01
TOYOTA GAZOO Racing 2024スーパーGT第2戦富士 レースレポート
スーパーGT 第2戦 富士
FUJI GT 3Hours RACE
坪井/山下組GRスープラが4位フィニッシュ
GT300クラスでは吉田/野中組GRスープラが3位表彰台
スーパーGTの第2戦が富士スピードウェイで行われ、坪井翔/山下健太組 au TOM’S GR Supra 36号車が、11番手グリッドから追い上げ4位フィニッシュ。ランキング首位の座を守りました。10番手グリッドスタートの石浦宏明/大湯都史樹組 KeePer CERUMO GR Supra 38号車が5位。ピットスタートで最後尾から追い上げた大嶋和也/福住仁嶺組 ENEOS X PRIME GR Supra 14号車が8位、関口雄飛/中山雄一組 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車が9位、国本雄資/阪口晴南組 WedsSport ADVAN GR Supra 19号車が10位でポイント獲得を果たしました。GT300クラスでは吉田広樹/野中誠太組 Green Brave GR Supra GT 52号車が3位表彰台を獲得しました。
2024年シーズンスーパーGTの第2戦『FUJI GT 3Hours RACE』が5月3日(金)、4日(土)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。先月行われた開幕戦では、GT500クラスで坪井/山下組 36号車、GT300クラスで堤優威/平良響組 muta Racing GR86 GT 2号車が優勝を果たし、両クラス制覇という幸先の良いスタートを切りました。続く第2戦、TGRにとってのホームとなる富士でさらなる勝利を目指します。
今大会はスーパーGT史上初となる3時間レースとして行われます。これまで行われてきた450kmレースよりも長い距離のレースとなることが予想され、レース中は給油を伴う2回のピットインが義務づけられます。また、3人目のドライバー追加も許されるため、GT300クラスの複数のチームが3人体制でエントリーしました。
ゴールデンウイーク中に首都圏から近い富士で行われる第2戦は、毎年非常に多くのお客様が来場されます。今大会は2日とも好天に恵まれ、多くのモータースポーツファンの皆様が富士スピードウェイを訪れました。イベント広場にはTGRブースが開設され、常に高い人気を集めるドライバーや監督のトークショー、「お子様がクルマ好きになるようなコンテンツや車両展示」として、マクドナルドとコラボしたDRIFT TwinsのGRカローラ、「もっといいクルマづくり」という考えをふんだんに盛り込んだハイパフォーマンス車両のLEXUS LBX MORIZO RR CONCEPTなどが展示されたほか、自由にデザインした乗り物をスキャンしてモニター内でレースを楽しむ「お絵かき3Dレーシング」などのコンテンツがお子様連れのお客様の人気を集めていました。
また、今大会では併催レースとしてFIA-F4の開幕戦が行われ、第1戦でTGR-DC RS(TGRドライバー・チャレンジプログラム レーシングスクール)のスカラシップドライバーである17歳の佐野雄城が初優勝を飾りました。
■予選
3日(金)午前中の練習走行に続き、午後2時25分より予選が行われました。気持ちよく晴れ渡った空の下、気温は23度、路面温度は38度とこの時期としては暑さも感じるほどのコンディションで、上位グリッドを目指し熱い戦いが繰り広げられました。
今季より予選はQ1、Q2で別のドライバーがアタックし、2セッションの合算タイムでグリッドが決定されます。
GT500クラスのQ1では、チェッカーラップで次々とタイムが塗り替えられ、中団グループはコンマ5秒内に9台が入る僅差の争いとなるなか、福住の14号車が4番手、阪口の19号車が6番手。大湯の38号車が10番手、開幕戦勝利により46kgのサクセスウエイトを積む坪井の36号車が11番手、同じく開幕戦で2位に入りサクセスウエイト34kgの中山の39号車が12番手、ジュリアーノ・アレジのDeloitte TOM’S GR Supra 37号車が13番手となりました。
Q2でもGRスープラ勢はライバルの先行を許す形となり、合算タイムでTGR勢最上位となったのは7番手の14号車。19号車が8番手、このセッションでTGR勢最速タイムをマークした関口の39号車が9番手。38号車が10番手、36号車が11番手、37号車が12番手グリッドとなり、長い決勝レースでの追い上げを目指すこととなりました。
GT300クラスは台数が多いため、2グループに分けてQ1、Q2を実施。合算タイムで、前戦の勝車である2号車が44kgのサクセスウエイトをはねのけTGR/LEXUS勢最上位の5番手グリッドを獲得。新田守男/高木真一組 K-tunes RC F GT3 96号車が7番手、52号車が10番手につけました。
■決勝
4日(土)も快晴。強い日差しに照らされ、予選日よりもさらに路面温度は上昇。気温23度、路面温度41度というコンディションで、5万人を超える大観衆が見守るなか、午後1時半、静岡県警の白バイとパトカーの先導によるパレードラップ、フォーメーションラップを経て、決勝レースのスタートが切られました。
予選でTGR勢最上位となる7番手グリッドを獲得した14号車ですが、予選アタック時にスピンしたことで痛めたタイヤを交換するため、ピットスタートを選択。最後尾から追い上げを図ることとなりました。
スタートでは9番手グリッドからスタートした大湯の38号車が7番手へとポジションアップ。これに関口の39号車、坪井の36号車、国本の19号車、笹原の37号車が続く形となりました。
序盤はGRスープラ同士の順位争いが繰り広げられ、笹原の37号車が2周目に36号車と19号車をパスし9番手へポジションを上げるも、14周目に36号車坪井が37号車を抜き返しました。
スタートから25分ほど経過したところで、GT300車両がストップしたことによりフルコースイエローに。これが解除されるタイミングで、38号車がSTANLEY CIVIC TYPE R-GT 100号車をパスし、6番手へ浮上。36号車も39号車をかわし8番手へと順位を上げました。勢いに乗る36号車はさらに100号車に迫り、10周以上に渡ってテール・トゥ・ノーズでのバトルを展開。31周目についにこれをかわし7番手へ。
30周を過ぎたあたりからGT500クラスも1回目のピット作業に向かう車両が出始めると、32周目に37号車がピットイン。しかし、37号車以外のGRスープラ勢はスタートからほぼ1時間あたりまでピットインを引っ張り、39周目に38号車、36号車、19号車、14号車、翌40周目に39号車がピットイン。
このピット作業で36号車がTGR勢最上位の6番手へと浮上。37号車が8番手、38号車が10番手、39号車が11番手、19号車が12番手、14号車はまだ最後尾の15番手ながら、前車との差を着実に縮めていきました。
坪井から交代した山下の36号車が6番手のポジションを守りながら周回を重ねる一方、ペースが上がらず9番手に後退した笹原の37号車をかわした石浦の38号車が8番手の100号車に迫り、37号車も中山の39号車との10番手争いを展開しました。
残り1時間ほどとなったところで各車2回目のピットへ。6番手を走る36号車はこのピットで5番手に浮上し、最後のスティントは坪井へと託しました。
全車2回目のピットを終えた時点で36号車が5番手、38号車が7番手、39号車が10番手、14号車は11番手まで順位を上げました。38号車のラストスティントを担当した大湯は、100号車に迫られるも凌ぎきると、前を行くMARELLI IMPUL Z 12号車に追いつき好バトルを展開。98周目に6番手へと順位を上げました。
そのままの順位でチェッカーかと思われましたが、残り10分を切ったところで3番手を走行していたARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT 8号車がスローダウン。これでひとつずつ順位が繰り上がることとなり、36号車は4位でチェッカー。46kgのサクセスウエイト積みながら着実にポイントを稼ぎ、ランキング首位の座を守ることとなりました。
38号車が5位、14号車は最後尾から追い上げて8位。39号車が9位、19号車が10位に入りGRスープラは5台がポイント獲得を果たしました。
GT300クラスでは、5番手グリッドの2号車平良がスタートで3番手へとふたつポジションアップ。7番手グリッドの96号車高木はスタートで6位へ上げるも、その後はペースが上がらずじりじりと順位を落とすことに。
一方、13番手スタートのapr LC500h GT 31号車小高一斗は10番手へと順位を上げ、10番手スタートの52号車野中もトップ10圏内を伺う位置で周回。しかし、この2台はピット戦略で大きく分かれました。31号車は先陣を切って17周終了という早いタイミングでピットイン。給油のみでドライバーは小高のままコースへ復帰しました。
3番手を走る2号車と52号車は最後までピットを引っ張る作戦に出て、52号車は43周目、2号車は最後となった45周目にピットイン。2号車はピット作業でタイムをロスし、順位を落とすこととなってしまいました。
中盤、2番手をキープした31号車は残り1時間16分ほどでピットへ向かい、中村仁へと交代。52号車は2回目のピットでタイヤ無交換作戦を採り、一気に2番手へとポジションアップを果たしました。
全車が2回目のピットを終えた時点で、吉田の52号車が2番手、31号車が5番手、堤の2号車が6番手となり、31号車と2号車は抜きつ抜かれつの5番手争いを展開。52号車は終盤ライバルの先行を許したものの3位でチェッカーを受け、表彰台を獲得。野中にとってはスーパーGTで初の表彰台となりました。中村が逃げ切った31号車が5位、2号車が6位でポイント獲得を果たしました。2号車は1ポイント差ながらランキング首位の座を守ることとなりました。