更新日: 2024.06.02 23:05
ARTA 2024スーパーGT第3戦鈴鹿 決勝レポート
GT500 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8
前回に続き駆動系トラブル、第4戦までにすべてを見直し必ず優勝を
前日までの天気予報で、決勝日は雨の予報だったが、雨雲レーダーを見ると、レース終盤に雨が降りそうだったが、鈴鹿は朝から曇っていた。しかし、ウォームアップ走行直前に雨が降り出し、レインタイヤを装着してコースインしたものの、西コースは乾いているとドライバーから無線で連絡が入り、決勝のセット確認はできず、タイヤの皮むき走行を行うだけになってしまった。
スタート時間が近づくにつれ、天気は回復し、スタートは完全なドライとなった。スタートドライバーは松下信治選手。クリーンなスタートを切り、順位は変わらず4番手で周回を重ねる。5周目にチームメイトの16号車が3番手に順位を落とし、テールトゥノーズで3番手争いを繰り広げる。途中、2コーナーで接触するほど激しいバトルを展開したが、16号車が24周目にルーティンのピットインを行い、3番手に浮上。
33周目にルーティンのピットインを行い、野尻智紀選手に交代。全車のピットインが終了した36周目の時点で、ポイント圏内の8番手を走行。41周目のシケイン進入で、背後にいたクルマが止まり切れず、7番手のクルマに追突。順位をひとつ上げるが、追突でパーツがコース上に散乱してしまったため、ここでFCYが導入される。
42周目にリスタートが切られたが、ギアが入らなくなり45周目にピットイン。修理に時間がかかってしまい、周回遅れになってしまう。トップが59周目に差し掛かったところで修復が完了し、チェック走行のためにコースを走行したが、ピットに戻り残念なリタイアとなってしまった。次回の富士までは約2カ月空くが、優勝するためにしっかりと準備を進めて行きたい。
●鈴木亜久里監督のコメント
「2戦続けてトラブルが出てしまい、応援して下さっているファンの皆さま、ご支援下さっている皆さまには申し訳ない気持ちです。次回までに立て直し、結果を出せるように見直して行きます」
●土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「8号車はなんかこう運とかツキとか流れがないかな?毎回毎回こういうトラブルが起きてリタイアになって、ドライバーはちょっと可哀想なんですけれども、そこはもう一度、しっかりと見直して、次に向けて準備していきます」
●田中洋克チームディレクターのコメント
「8号車はリタイアという残念な結果で、また駆動系のトラブルで、前回とは違うところなんですが、ドライバーが頑張っていただけに残念です。この問題は帰って解析しないと詳しいところわからないですけども、トラブルが出ないように準備したいと思います」
●野尻智紀選手のコメント
「残念ながら2戦連続、ポイントを獲得する事ができませんでしたが、また次、頑張るしかないので、沢山応援して下さったのに、申し訳ありませんが、次も是非、応援して下さい」
●松下信治選手のコメント
「ペース自体は良かったので、ポイントを獲れなかったのは残念です。本当に毎回、良いポジションでレースしながら、ポイントを持って帰れないのが続いているので、ドライバーもチームも、もう1回引き締め直して、基本的なところから見直して、こういったトラブルをなくしていきたいと思います。次回まで少し時間が空きますが、クルマも速かったですし、しかも軽いので、絶対に勝たないといけないので、頑張ります」
GT500 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16
表彰台には届くがまだまだスピード足らず、これをきっかけにさらなる高みへ
ウォームアップ走行前に雨が降り出した。鈴鹿ではよくある事だが、西コースは雨が降ってなくて、決勝のセット確認はできなかった。タイヤの皮むきだけ行い、スタートを待った。
16号車のスタートドライバーは大津弘樹選手。スタートでトップの背後にピッタリつけるが、2番手でストレートを通過。トップのクルマのペースは速く、じわじわと離されていってしまう。逆に3番手のクルマが迫ってきて、5周目の3コーナーで抜かれ、3番手に順位を落としてしまう。
その後はチームメイトの8号車に背後まで迫られ、21周目の2コーナーで接触してしまうほど、激しい順位争いを繰り広げる。24周目にルーティンのピットインを行い、佐藤蓮選手に代わる。13番手でコースに復帰。順位を争っていたクルマに先行されてしまう。しかし、そのクルマを32周目の2コーナーで抜き、順位を上げた。ルーティンのピットインを行うクルマもあり、すべてのクルマが1回目のピットインを終えた、36周時点で3番手になる。
41周目のシケイン進入で他車の接触があり、FCYが導入される。破片の回収が終わり、42周目にリスタートが切られた。
52周目に300クラスのクルマがヘアピン立ち上がり付近に止まってしまい、FCYが導入される。54周目にリスタートが切られた。その後はトップの2台のクルマとほぼ同じペースで周回を重ねていった。61周目に2回目のピットインを行い、最後のスティントを大津選手に託した。64周目に全車のピットインが終了し、この時点で3番手を走行。
70周目にトップのクルマがピット作業違反により、ドライブスルーペナルティを受け、2番手に浮上。しかし、ペナルティを受けたクルマのペースは速く、すぐに背後まで迫ってきて、77周目のシケインで抜かれてしまう。
その後は、クルマのバランスに悩まされたが、何とか3位を死守して表彰台を獲得する事に成功した。
●鈴木亜久里監督のコメント
「表彰台に乗れたのは良かったけど、まだまだペースが足りないね。優勝を狙っているので、もっとレベルを上げて行く必要があるね。次回に向けて、どうやってレベルを上げていけるか、皆で考えて、次こそ優勝したいね」
●土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「ホンダ勢トップとは言いながら、トヨタにはあれだけ離されて3位ですからね。クルマのポテンシャルを上げていかないと、ちょっと後半勝負にならないので、この2カ月で何とかして、まあガチンコでもウエイト積んでも勝負できるようなクルマに仕上げたいと思います」
●田中洋克チームディレクターのコメント
「予選の順位からひとつ落としてのゴールで、何とか表彰台には何とか立てたのですが、当然優勝を狙ってますし、他のメーカーに対してまだスピード足りないということを考えると、もっともっとちょっと頑張らないといけないなと思います。次に向けてしっかりと準備を進めます」
●大津弘樹選手のコメント
「スタートを担当しましたが、直前は微妙なコンディションで雨降るかどうかみたいな感じだったのですけどスタートすると普通のコンディションドライコンディションだったので、序盤に仕掛けようと思ったんですけど、なかなか叶わずちょっと難しかったんでそのままついていこうと思いました。その後のペースもあまり良くなかったのですが、蓮に代わってから少しペースも良くなって、安定して走ってくれたし、メカもピットストップで何もトラブルなく出してくれたので、まず表彰台獲得できて本当に良かったな、と思います」
「蓮と僕たちもペアを組んで1年目なので、まず第一歩のステップとしては非常に良かったかなと思います。ただし、レースの内容としてはまだまだちょっと見直さなきゃいけないところが多くあるので、次戦に向けて優勝できるようにまた頑張りたいと思います」
●佐藤蓮選手のコメント
「3位表彰台獲得という結果で終わりましたが、まずはポイントを獲って表彰台に乗れたっていうことはすごく前進できたレースだったんですが、まだ足りない部分も多くあって満足できる結果ではないので、この表彰台をはずみに次戦はさらに上へ行けるようにチームと組み立てていきたいと思います」