投稿日: 2024.10.14 15:40
更新日: 2024.10.14 15:41

TOYOTA GAZOO Racing 2024スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦富士 レースレポート


スーパーフォーミュラ | TOYOTA GAZOO Racing 2024スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦富士 レースレポート

2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権第6、7戦富士
坪井が富士の2戦を制覇!ランキング首位浮上
第6戦では小林が3位、第7戦は福住が2位表彰台

 10月12日(土)13日(日)の両日、富士スピードウェイでスーパーフォーミュラの第6、7戦が1大会2レース制で行われました。第6戦では7番手スタートから好走を見せた坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が今季2勝目。11番手スタートの小林可夢偉(Kids com Team KCMG)も素晴らしい追い上げで3位表彰台を獲得しました。第7戦でも坪井の強さは変わらず、ポール・トゥ・ウインで完全制覇。第4戦に続き富士3連勝を飾りました。第7戦では福住仁嶺(Kids com Team KCMG)が2位で続き、TGR勢のワン・ツー・フィニッシュとなりました。

 10月12日(土)と13日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで全日本スーパーフォーミュラ選手権第6、7戦が行われました。全7大会9レースで戦われる2024年シーズンも今大会を含めて残り2大会4レースとなりました。今大会は、12日(土)に第6戦の予選と決勝、13日(日)に第7戦の予選と決勝が行われます。

 TOYOTA GAZOO Racing(TGR)勢は第4戦富士で今季初勝利を挙げた坪井がランキング3位、第1戦鈴鹿で2位、前戦第5戦もてぎでも2位表彰台を獲得している山下健太(KONDO RACING)がランキング4位につけています。

 また、ITOCHU ENEX TEAM IMPULの19号車は、前大会に続き今大会もTGR WECチームでFIA世界耐久選手権に参戦しているニック・デ・フリースがドライブします。前戦では初めて走ったもてぎながら光る走りを見せており、先月のWEC富士6時間で走っている富士での走りに注目が集まりました。

 3連休の中で行われた今大会、好天にも恵まれ、多くのモータースポーツファンの皆様が富士スピードウェイを訪れました。今大会は“SUPER FORMULA AUTUMN FESTA”をテーマに場内では家族連れも楽しめるさまざまなイベントが実施されました。

 10店舗以上のラーメンが楽しめるスーパーフォーミュラーメン選手権や、日曜日の決勝レース後にホームストレート上で音楽と食事を楽しめるアフターレース・グリッドパーティーに加え、スポーツの秋ならではの、お客様も一緒に参加できる『SUPER FORMULA大運動会』を開催。TGR陣営の紅組とホンダ陣営の白組に分かれ、2日間を通してさまざまなイベントやレースの結果で総合ポイントを競いました。ホームストレートを使用した綱引きや、イベント広場で体験できるさまざまなコンテンツなど、お客様も参加できる特別競技を数多く用意。Out of KidZania in SUPER FORMULAなど恒例の企画も変わらぬ人気で、モータースポーツファンから家族連れまで、大いに賑わいました。

■第6戦予選

今大会は土日両日の朝に予選が行われるため、前日の11日(金)に1時間半のフリー走行が行われ、予選と決勝へ向けた準備が整えられました。12日(土)時よりノックアウト方式の予選が行われました。気温19度、路面温度25度で風も穏やかな好天の下、2グループに分けてQ1が開始されました。

 A組では、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)が5番手、小林が6番手でQ2へと進出。山下は小林から0.138秒遅れで惜しくもQ2進出ならず。大嶋和也(docomo business ROOKIE)が8番手、第4戦で2位表彰台を獲得している大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)もタイムが伸びず9番手。国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は10番手に終わりました。

 B組では、他のドライバーとは出走タイミングをずらしてアタックに入った坪井が2番手タイム。阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が4番手、第4戦でポールポジション獲得の福住が6番手に入り、この3台がQ2進出。注目のデ・フリースは9番手、小高一斗(KONDO RACING)が10番手でQ1敗退となりました。

 Q2では、7分間のセッションのうち残り5分半を切って全車コースへ向かい、チェッカーラップで目まぐるしく順位が入れ替わる展開となりました。阪口がまず1分22秒011と好タイムをマークし暫定トップに立つも、21秒台に入る車両が出てこのタイムを上回っていくなか、福住が1分21秒726をマーク。最後に太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分21秒730をマークするも、福住は1000分の4秒差でトップを守り、第4戦に続き今季2度目、富士では2戦連続となるポールポジションを獲得しました。

 ポールの福住から、トップ10台がほぼ0.5秒に入るという僅差の予選となるなか、阪口が5番手、坪井が7番手、小林は11番手、笹原が12番手グリッドからスタートすることとなりました。

TOYOTA GAZOO Racing 2024スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦富士 レースレポート
2024スーパーフォーミュラ第6戦富士 ポールポジションを獲得した福住仁嶺(Kids com Team KCMG)

■第6戦決勝

 14時50分より、41周で争われる決勝レースがスタートしました。変わらぬ好天で、気温は23度、路面温度は32度まで上昇するも、やや風が強いコンディションでの決勝となりました。

 スタートでは、ポールポジションの福住が遅れ、5番手グリッドの阪口がエンジンストール。福住は5番手へと後退。一方、坪井は素晴らしいダッシュで4番手へとジャンプアップ。11番手スタートの小林も9番手へと順位を上げました。

 坪井は、前方でトップ争いを繰り広げるバトルの隙を突き、2番手へ。福住はスタート直後の混乱のなかで他車と接触し、フロントウイングの右翼端板を破損。序盤はペースが上がらず7番手までポジションを落としましたが、4周目のストレートでこの破損部品が外れると、ペースを取り戻しました。

 序盤はほとんどの車両が1秒前後の差で連なったまま周回を重ねるなか、10周目を終えたところで、笹原や大嶋らを含む数台がピットイン。翌11周目を終えたところで、小林と山下がピットへ向かいました。

 福住は素晴らしい追い上げで4番手までポジションアップ。2番手の坪井は、12周目に首位の野尻智紀(TEAM MUGEN)に迫り、一旦は並びかけましたがコカコーラコーナーでオーバーランを喫し、惜しくも逆転はならず。順位は膠着したままレースは折り返しを迎えました。

 ピットを遅らせた組で最初にピットへ向かった首位の野尻が21周目を終えたところでピットイン。翌周に福住、翌々周に坪井もピットへ向かいました。坪井は実質上の3番手でコースへ復帰。すぐ後から野尻が迫りましたが、ポジションを守りました。

 タイヤの温まった坪井は、猛プッシュを開始。早めのピット作戦を採った前の2台よりも1周で1秒以上速いタイムで追い上げを続けました。

 坪井はファステストラップもマークした27周目のストレートで前を行く太田をパスして2番手へ上がると、一時は4秒ほどあった首位の岩佐歩夢(TEAM MUGEN)との差をみるみるうちに詰めていき、31周目に首位浮上。4番手につける小林も終盤に入ってもペースが落ちず、31周目にはストレートで太田をかわして3番手へポジションを上げました。

 首位に立った坪井は後続を引き離し、独走。その後方では小林が激しく岩佐を攻め、2番手争いを展開。また、終盤は福住が見事なオーバーテイクショーで7番手から5番手まで順位を上げてみせました。

 結局、坪井は2位に4.4秒差をつけてトップチェッカー。第4戦に続き今季2勝目、富士で2連勝を飾りました。坪井はこの勝利で、ランキングでは首位の野尻に0.5点差の2位へと浮上しました。

 小林は3位に入り、2019年の第5戦もてぎ以来5年ぶりとなる表彰台を獲得。福住が5位、山下が10位でポイントを獲得。デ・フリースは惜しくも入賞を逃す11位フィニッシュとなりました。

TOYOTA GAZOO Racing 2024スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦富士 レースレポート
2024スーパーフォーミュラ第6戦富士の表彰式 左から優勝した坪井翔と舘信秀監督(VANTELIN TEAM TOM’S)、3位となった小林可夢偉(Kids com Team KCMG)

●VANTELIN TEAM TOM’S 36号車 坪井翔(第6戦終了後コメント)

「予選が7番手と結構厳しいグリッドで、野尻選手が前にいるという状況だったので、チャンピオンシップを考えると崖っぷちだったのですが、本当に第4戦の再現みたいなかたちで後方から追い上げることができて、作戦も良いタイミングでピットに入ってオーバーカットでき、そこからはしっかりトップを守り切れたので、明日につながる良いレースだったと思います。本当に富士は決勝では非常に合っているなという感じで、季節が変わっても勝てたので、クルマのパフォーマンスとしては本物かなと手応えを感じられました」

「明日も同じコンディションでレースがある以上、決勝はかなり自信を持って挑めると思いますが、後方グリッドからの追い上げは、今日はたまたまうまく行きましたが、明日はそうとは限らないので、とにかく予選にフォーカスして、最低2列目、できればトップ3のポイントが欲しいので、明日はとにかく予選を意識して、ポールポジションを取れるような予選にしたいと思います」

●Kids com Team KCMG 7号車 小林可夢偉(第6戦終了後コメント)

「皆さん、久々の表彰台、応援ありがとうございました。本当に長い間、表彰台にも上がって来られなくて、ここまで長かったですけれども、これに満足することなく、今日レースでは良いペースというところが見えたので、明日こそは予選で良い走りをして前でスタートして、優勝を狙える様に仁嶺とともに頑張りたいなと思います」

「今日も満足いくレースはできていないのですが、そんななかでも久々に表彰台に上がれて、仁嶺もポールでスタートできてっていう風になってチームとして調子は上がってきているんじゃないかなと思いますし、今日は本当にチームが良い仕事をしてくれて、良いクルマがあって、ピットストップもうまくいって、普通にレースができて、やっと表彰台に帰ってこられた、本当に皆さん辛かったと思うんですけど、まずは感謝の気持ちしかないです」

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