更新日: 2016.07.14 13:20
今宮純によるイギリスGPドライバー採点&短評「3勝分の誇りと価値を感じてもいい」
勝敗のゆくえを見つめるだけがスポーツ観戦の醍醐味ではない
F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、22人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選ぶ。レース結果だけにとらわれず、3日間コース上のプレーを重視し、さらにはサーキットでの振る舞い方や発言など週末のアクションを総合的に評価する。
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☆ フェリペ・ナッセ
風でゆらゆらと、いつコースを外れてもおかしくない動き。前後グリップがないマシンと格闘。チームメイトはFP3、ストウ・コーナー出口で滑り大クラッシュ。濡れ乾き路面となったレース、ボッタスに8秒遅れの15位は現状ザウバーでの健闘だ。
☆ ダニール・クビアト
セバスチャン・ベッテルとのバトルをずっと続け、僅差の10位フィニッシュ。移籍後トラブルまみれのマシンを信頼できず、モヤモヤ気分でいたが少しは晴れただろう。後半戦、トロロッソ6位防衛には彼の“復活”がカギとなる。
☆☆ ダニエル・リカルド
予選で初めてマックス・フェルスタッペンに先行され、ちょっとした話題に。いつもポジティブなリカルドも心中穏やかではない。本人の分析では「セクター3が劣った」とのこと。それがきちんと把握できていればいい。今季5度目の4位。
☆☆ ニコ・ヒュルケンベルグ
フェリペ・マッサを抜こうとラインをずらし、再三アタックする見せ場を全域で。相手が乾いたラインを維持しているから、何度も滑って抜けない。終盤はタイヤセーブ、手堅く7位キープに切り替えダブル入賞。
☆☆ カルロス・サインツJr.
初日は大苦戦、大きくセッティングを変えたのが的中。最近コンスタントに入賞している秘密は、“テクニカル・フィードバック”の精度が向上したから。そこに成長を見出せる。1コーナーのスピンをうまく切り抜け7度目の入賞。
☆☆ ジェンソン・バトン
シルバーストンでは、なぜ、これほど不運に遭うのか……。予選でリヤウイング故障、Q1敗退17位。そこからのレースは“地味”で“着実”でも、このイギリスGPにジェンソンがいることの意義、それを認めよう。