MotoGP現地トピックス:ムジェロを覆う黄色い煙。多くのライダーがヘイデンを追悼
MotoGP第6戦イタリアGPの現地情報を二輪ライターの遠藤智氏がお届け。バレンティーノ・ロッシの地元ということでスタンドは一面黄色に覆われる。また、イタリアでの自転車トレーニング中に交通事故で亡くなったニッキー・ヘイデンの栄誉を称える追悼セレモニーが行われるなど、トピックスが多かったイタリアGP。現地ではどのようなことが起こっていたのか。
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イタリアでの自転車トレーニング中に交通事故に遭い、5月25日に亡くなった元MotoGPチャンピオンのニッキー・ヘイデンの栄誉を称え、決勝レースを前に追悼セレモニーが行われた。
ヘイデンのゼッケン『69』にちなみ、69秒間の黙祷がささげられた。パドック内には、ヘイデンが乗った歴代のバイクが展示されて、大勢のファンが訪れていた。
ドルナは、イタリアGP開催中に、2019年から3年間、Moto2クラスのエンジンサプライヤーとして英国のトライアンフと契約したことを発表した。
エンジンは水冷並列3気筒で排気量は765cc。このエンジンをレース用にチューニングして供給する。
2010年からスタートしたモト2クラスは、これまでホンダCBR600RRのエンジンをベースにチューニングされたものが供給された。このエンジンは高い信頼性を築いてきたが、2018年を最後に契約を終了する。
これまでの600ccから765ccとすることで、よりモトGPクラスに近いパフォーマンスを発揮するクラスにしたい意向だ。
今年のイタリアGPは、金曜日が祭日で3連休だったこともあり、3日間の観客数ではイタリアGP史上最多の16万4.418人を記録した。
決勝日は9万8.269人と昨年の10万640人にはわずかに及ばなかったが、ムジェロの丘が、天気が良かったこともあり“裸族”でうまった。この10万人近い人たちが、サーキットの中でテントを張り、3日間、サーキットから一歩も出ずに飲んで食って騒いでいるのだから、ただただすごい。
パドックはまさに、周囲を包囲されて絶体絶命のグランプリ軍という感じだった。
ムジェロのパドックにどどーんと出来た建物。一体、何ができたんだろうと思っていたら、なんと『レッドブル』のホスピタリティ。あまりにも大きすぎて、だれもホスピタリティだとは思わなかった。
これはF1で使用していたものだというが、F1では70人がかりで2日間で組み上げるのだと聞いた。今回は5日間かけて完成させたのだそうだ。
パドックのホスピタリティの巨大化もここまで来ると、ただただ凄い。長年、コスト削減が叫ばれるグランプリだが、パドックの中は巨大化グランプリが過熱?