第100回インディ500予選:ヒンチクリフがポール奪取で復活の雄叫び。琢磨は挽回の4列目

最後のアタッカーは昨日最速だったジェイムズ・ヒンチクリフ。彼の1周目は230.885mphで、ニューガーデンの平均よりは速かったが、彼の1ラップ目よりは遅かった。2周目以降が231mph台に乗ってくるとは考えにくく、その場合は残る3周を230mph台の高い方に保ち続ける必要があった。
2周目は230.940mphにアップ。平均は230.913mphでヒンチはトップを保った。3周目は230.738mph。少し遅くなったが、平均は230.864mphで引き続きトップ。しかも、ハンター-レイの3周目終了時点よりニューガーデンに大きな差をつけていた。
これなら2番手に下がることはないか? 4周目にタイヤのグリップが大きく下がるケースもある。注目の4周目、ヒンチもスピードダウンは避けられなかったが、230.450mphまでに留めることに成功。4周平均は230.760mphとなって、僅か0.07mphの差ながらインディ500での初ポール獲得を果たした。シュミット・ピーターソン・モータースポーツにとっては、2011年のアレックス・タグリアーニに続く二度目のインディ500ポールだ。
ホンダは2014年6月のヒューストン以来となる今シーズン初PP。インディ500でのポールは、シュミット・ピーターソン・モータースポーツ同様に2011年以来だ(当時はホンダ・エンジンのワンメイクだった)。ホンダとシボレーとのマニュファクチャラーによる戦いは2012年に始まったが、ホンダは今回、彼らを倒して初めてのPP獲得を達成した。
「去年はプラクティスで大アクシデントを起こし、瀕死の重傷を負った。今年は、みんなが語り継いでくれる新しいストーリーを実現したい。そう考えて今日の僕はスピードウェイ入りした。信じられないことだが、僕らはそれをやってのけた。言葉も無いほどだ」とヒンチクリフは喜んだ。レースへの復帰も危ぶまれる負傷だったのだから、驚くべきカムバックストーリーだ。
2位となったニューガーデンは、「受け入れるのが難しい結末だ」とコメント。ヒンチクリフとの差は0.0758秒しかなかったのだ。「今日はヒンチクリフとシュミット・ピーターソン・モータースポーツというチームを讃えたい。しかし、戦いは今日だけで終わりじゃないんだ。来週のレースで勝つことこそが、僕らのいちばんの目標。それを忘れてはいない」ともニューガーデンは語った。