更新日: 2021.09.18 18:15
【ブログ】8年ぶりのアクロポリス、トヨタ勝利の裏に小さなTGR応援団の力あり?/WRCギリシャ現地特派員(前編)
さらに歩を進めると、目がさめるようなオシャレでポップなテントに遭遇。
マルティン・プロコップの似顔絵が施され、遊び心のある仕様に、本業がデザイン業の私はついついガン見してしまいました。できれば360度周って拝見したかったのですが、それはまた次のチャンスに。
お昼のサービスパークを後にし、セレモニアルスタートが行われるアテネへ戻ります。
今回のラリーアクロポリスの特徴は、何と言っても移動距離の長さではないでしょうか。事前にネットでSSマップをチェックした時には正直、頭を抱えました。
試行錯誤の結果、私はアテネ北部に宿を構え、2夜のみラミア近辺に寝泊りをする選択を取りました。来年はもう少しコンパクトなラリーにして頂けると、身体に優しいイベントになるのになぁ……と、ブツブツ考えながら、200km南下。
アテネの宿に戻り、泥だらけの服を着替え、靴は洗濯機へ突っ込み、アテネ中心部へ。SS1が行われるアテネの街は閉鎖区間の影響で大混雑。とても近寄れる状態ではないので、セレモニアルスタートのみの観戦に。
スタート1時間前に到着すると、すでに沿道にはたくさんのお客さんで賑わっていました。
今回借りたレンタカーのスタッフは、日曜日のパワーステージに行くんだとか。アテネの宿のオーナーともアクロポリス・ラリーやF1話に華を咲かせたこともあり、全体的にギリシャ人はラリーが好きなのか、はたまたWRCを長く待ち望んでいた人が沢山いたということなのでしょうか。
コロナの影響でしばらく大勢の人が集う場所へ足を運ぶ機会がなかったため、観客の多さに新鮮さを感じました。
先ほどのサービスパークでチラッと見えた、オリバー君。写真の許可を伺うと、快くポージングをしてくれました。
2004年のラリージャパン開催時にはまだ2歳程度で、スバルのテント内を無邪気に遊びまわっていた彼でしたが、こんな私が話題をふっても、気さくに答えてくれる程、気持ちのいい青年に育ってくれたことに、つい親心のような気持ちに浸ってしまいました。
サービステントのデザインが印象的だったマルティン。気がつけばキャリアも長くなりましたね。ベテランの域に達しているせいか、貫禄も一入です。
トレードマークのオレンジフレームが相変わらず粋なティエリー・ヌービル氏。マスクもオレンジ系なんですね。
チーム用マスクを使わないということは、やはりオレンジにこだわりがあるのでしょうか。
出番待ちで談笑に勤しむドライバー陣と同様に、会話が弾んでいた、たくましい肉体をお持ちの御三方。何かあった時の警察さんでした。
治安が良い方ではないギリシャでは、警察官もたくましくなければ務まらないのでしょうか。
お口直し(?)にハッとするようなギリシャ美人なキャンギャルさん。来年はマスクなしで拝見できるといいですね。
会長さん(ジャン・トッドFIA会長)もいらっしゃっていました。
コロナ禍でもお元気そうで安心しました。最初の2台のみ見送って早々にお帰りになりました。次はF1イタリアグランプリに飛ぶのかしら?
こうして、スタートランプから去っていくラリーカーを見送ると、いよいよ明日から本格的に始まるな、と、久しぶりに緊張感が走り身が引き締まる思いです。
翌日の金曜日、ルートラキ近辺のSSへ西へ80kmの移動。前日のラミア近辺の天候とは打って変わっての晴天、綺麗に復活した靴とともに、美しい景色をバックにSSをひた歩きます。
“悪路のアクロポリス”と呼ばれており、超グラベルのイメージですが、意外とターマックとのミックスステージがあったりします。午前と午後両方で砂を被るのは体力的に限界がありそうなので、午前の1本目はターマックエリアへ。
待ち時間を使って視界を遮る木や枝を、日差しを浴びながら持参したノコギリでひたすら剪定するグリークジェントルマン。
この右コーナーで大胆にインカットしてきたのは、ダントツでオジエとヌービル。後でステージリザルトをチェックすると、スタート順の不利にも関わらず、オジエはトップ2タイムでした。