更新日: 2021.09.18 18:15
【ブログ】8年ぶりのアクロポリス、トヨタ勝利の裏に小さなTGR応援団の力あり?/WRCギリシャ現地特派員(前編)
お昼頃になると気温はぐんぐん上昇。海もバックに、だんだんギリシャらしい気候と雰囲気になってきました。
駐車エリアに戻ると、競合他社のいない唯一出店のバーガー屋さんを発見。こちらでご飯を頂こうと企んでいたのですが、あまりの行列っぷりと、午後の2本目が1時間後にスタートと時間に余裕がないということもあり、諦めざるを得ませんでした。
帰りにはすっかり店仕舞いをしていたので、さぞ繁盛したことでしょう。
ひと息つく暇もなく、グラベルエリアへ。午前中から観戦しているお客さんはすでに砂まみれ。グラベルラリーでは、感染対策用のマスクは砂埃対策用のマスクと化します。
私も数時間後には同じ状態になるんだろうな、と覚悟を決めながら2km先の観戦ポイントへ。
キャンピングカー組のおふたりはセッテイングバッチリで優雅なお昼休み。
この日、リンゴとヨーグルトと水しか口にしておらず、屋台のバーガーも買い損ねた私に葡萄数粒を恵んでくださいました。
マスクも隙間なくしっかり装着して、いざ午後の2本目へ。わかってはいても、気まぐれな風向きに振り回されながら、砂を浴びたり浴びなかったり。
たまに小石が身体に当たってきますが、それもグラベルラリーの醍醐味。忘れかけていた感覚がだんだんと蘇ってきました。
暖色系と寒色系の兼ね合いのせいか、茶系色のグラベルにはブルー系色のフォード・フィエスタWRCが、個人的には一番かっこ良く感じます。
私注目のソルベルグ・ジュニア(ヒュンダイi20 Nラリー2)ですが、若々しくアグレッシブに攻めてくるかな、と期待していましたが、なんとなく大人しめな印象でした。残念ながら2日目にリタイアになってしまいましたが、諦めずにどんどん上を目指していって欲しいです。
この距離感で観戦できるのは、近年のWRCではなかなか存在しないので、可能な限り長く存続して欲しいと思うばかりです。
クルマへ戻ると、私のレンタカーのヤリスにメッセージが残されておりました。もちろん返答しようにも、書き残した相手はすでに立ち去り済み。
金曜日にルートラキ周辺のSSを観戦ポイントに選んだのには理由があります。それは、SS観戦後に、ルートラキから少し足を伸ばした先にある、コリントス運河の渓谷へふたたび訪れる目論見のためでした。
歴史を紐解くと、紀元前から時の統治者が何度も試みては挫折の繰り返しで、本格的に開削の着工が開始したのは1800年代だそうです。実は1週間前に、ギリシャ人の元ハウスメイトに会うためにクルマを走らせた際にもこの橋を渡っていたのですが、曇り気味のお天気だったので、この日にリベンジ。
圧倒的な存在感に恐怖で足がすくみますが、アテネから西へ100km圏内とアクセスもしやすいので、ギリシャへ訪れた際には是非訪れてみてください。
コリントス運河から走ること10分ほど。お腹が空き過ぎていた私は海沿いのレストランへ駆け込み、この日初めてのちゃんとしたお食事を頂きました。
3日目(土曜日)の4時半起床と200km移動のエネルギーに使わせて頂きます。
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<後編>につづく
■CHOCO CIDER
愛知県出身。フリーランス・グラフィックデザイナー。
2001年、兄がスバル・インプレッサWRX STIを購入したことがきっかけでWRCの存在を知り、WRCレビュー放送のヘビー視聴者に。初WRC観戦の2004年ラリー・ジャパンをきっかけに英会話の習得を開始。
2008年春、本場のWRC観戦を目的に渡英。ロンドンを拠点に年間4~8戦ヨーロッパラウンドを中心に観戦。2016年の帰国後も一年の半分近くをヨーロッパで過ごしながら、小型ミラーレスカメラSONY α6000とNEX-5Rを片手に年間4~5戦を奔走中。2021年、コロナ禍の影響で休止していた現地観戦を2年ぶりに再開する。