更新日: 2024.06.07 15:39
セットアップとアプローチを変えた37号車Deloitte初優勝。笹原&アレジの苦労とトムスチームとしての伏線
鈴鹿大会でのDeloitte TOM’S GR Supraは、土曜日の公式練習から好調な走りをみせ、予選でもポールポジションを奪取。決勝でもふたりのドライバーともにペース良く周回を重ねたことが勝利につながった。
「今回は36号車(au TOM’S GR Supra)のセットアップを参考にさせてもらいながら進めていきました」と大立エンジニアは語るものの、それ以外にも勝利につながった“きっかけ”があったという。それが、2週間前にオートポリスで開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権の第2戦だ。
大立エンジニアはスーパーフォーミュラでも笹原が乗る37号車を担当しているが、セットアップがなかなか決まらず苦戦が続いていた。それが、オートポリス戦でお互いが求めるものが合致し、これまでにない前進を遂げたという。
「やはり、僕もしっかりと右京の運転と言いたいことを理解できてなかったですし、右京も僕に対して伝えるときに『こうしたい、ああしたい』ということを十分に伝えきれていませんでした。そこの意見が噛み合わなかったので、話をしていても『何それ、どういうこと?』となるところが今まであったんです」と大立エンジニア。
「例えば『アンダーだ、オーバーだ』という話のなかで『運転でこういうふうにしたいけど、それができないクルマだったから、こうなってしまっている』という部分があり、それを改めて突き詰めていった結果『こっちでいいんだよね!』という方向性が見つかり……初めてふたりで『カチッ』と噛み合った感じがあったのが、スーパーフォーミュラオートポリスでの8分間のウォームアップ走行でした」
「(ウォームアップから)決勝に向けてにも『結果的にこっちの方が良かったね』というところの確認もとれましたし、そこで掴んだことを引き継げたことが、今回セットアップを外さなかった要因でもあるのかなと思います。その部分は両カテゴリーでタッグを組んでいる強みを活かせました」
これについては笹原も手応えを感じている様子で「その前から伏線はいくつかあったんですけど、スーパーフォーミュラのオートポリスが大きな手掛かりとなりました」とのこと。
「そこからスーパーGTに対してのアプローチの仕方や考え方が大きく変わっていき、それが今回に関しては間違いなく大きく影響しました。今までやってきた試行錯誤や苦労が、いきなりピタッとハマり、ドライバーも素早く対応できました。そこが一番の勝因だったと思います」と振り返った。
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