僕自身ビックリ。5年ぶりのポールポジション獲得の裏側【坂東マサの『俺に書かせろ!』/第2回】
今回のマーキングタイヤは2種類のコンパウンドを持ち込みました。予選ではふたりとも固い方のタイヤでタイムを出し、決勝のスタートを迎えました。
スタートのウォームアップが、ほかと比べてどうかな? と思いましたが……ほかのメーカーのタイヤの方が温まりが良く、スタートで抜かれてしまいました。
宮田選手からは『(気持ちを)切り替えて運転します!』と無線が入り、トップから約10秒離れたところを走行。そんななか、32周目に38号車ZENT GR Supraを最終コーナーで抜いたあと、38号車のホイールが外れ、ホームストレート上をコロコロと転がりました。
この段階で19号車は、すでにピットロード入口の横を通過していました。もし、17号車Astemo NSX-GTと同じ位置でも、今回は僕の判断力ではピットの指示は出ていなかったと思います。本当に一瞬の判断力を身につけないといけないと痛感しました。
話は変わりますが、今回初めて導入されたフルコースイエロー(FCY)は、ドライバーのモラルの問題や、走行中のタイヤの外形の違いで、遅かったり、若干速いクルマも見受けられました。セーフティカー(SC)もそうですが、改革するためにはまだまだ時間はかかりますね。しかし何事も最初はありますからね。改革に挑むGTアソシエイションに感謝です。
第2戦富士は110周500kmの長距離レース、終わってみれば、GT500もGT300も僅差でドラマチックなレースとなりました。19号車は第3スティントでの宮田選手による追い上げもあって7位でチェッカーを受けました。優勝した17号車とは36秒差、1周あたりで計算すると1周0.3秒以上速ければ優勝ということです。この0.3秒という壁にぶつかりました。
もちろん、19号車より上位のクルマはもっと僅差でした。みんな予選並みのタイムで争いながら、500km、110周を走り続けたのです。難しいですが、この戦いのドラマをもっと大勢の人に伝えたいです。スーパーGTをもっとメジャーにするためには、YouTubeなども含めたSNSの強化ですかね。ほかには、地上波や動画配信サービスで若手ドライバーにスポットを当てた特集を組んだりとか。
スーパーGTはドラマチックなレースだからこそメジャーにしたいです。引き続き、みなさまの意見をお待ちしております。
今回は手越祐也さんによる国歌独唱もありましたね。これをきっかけに新しいモータースポーツファンが増えるといいなぁ。僕は逆に手越さんの大ファンになりました。