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投稿日: 2024.09.19 17:04
更新日: 2024.09.19 17:10

G Force Engineering 2024フォーミュラ・リージョナル第5大会富士 レースレポート


国内レース他 | G Force Engineering 2024フォーミュラ・リージョナル第5大会富士 レースレポート

2024 Formula Regional Japanese Championship ラウンド5 富士大会

・ミハエル・サウター: 最終戦を待たずに2024年シリーズタイトル獲得
・ジェシー・レイシー: レース11で3位表彰台獲得、最終大会での富士に大きな期待
・セバスチャン・マンソン: 初走行の富士でFP走行1回のみで奮闘。最終戦富士大会に集中

 9月13-14日に静岡県の富士スピードウェイにて2024 Formula Regional Japanese Championship(フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ=FRJ)のラウンド5がWEC富士6時間耐久レースのサポートレースとして開催され、『G FORCE DRIVER DEVELOPMENT PROGRAM』(ジーフォース・ドライバー・デベロプメント・プログラム)のミハエル・サウター(19歳、Birth Racing Project, G FORCE F111/3)は、10月のファイナルラウンドを待たずに2024年シリーズチャンピオンのタイトルを確定させました。

 今大会では、富士スピードウェイをホームコースとする2名のTGR-DCドライバーが参戦してきたことにより、今回が富士初走行となるGフォースのドライバー達には緊張が走りましたが、強力なライバル登場による大きなプレッシャーを抱えながらも金曜日のFP1、FP2ともに、今季のチャンピオンシップ獲得を狙う5号車のミハエル・サウターがトップタイムを記録。

 翌土曜日午前9時から行われた15分間のQ1では、コースコンディションの変化を見込んでミハエルと53号車ジェシー・レイシーはライバル達に対して遅れてコースイン。ミハエルは3周目のセクター1で全体ベストを記録しトップタイム更新への期待が高まりましたが、続くセクター2走行中に赤旗となり、セッションはそのまま終了。

 レース11は3番グリッドからのスタートとなりました。また、同じく遅れてコースインしたジェシーもアタックラップの途中で赤旗となり、消化不良のままQ1を終えました。

 15分のインターバルをはさんで開始されたQ2では全車一斉にコースイン。4周目からアタックが始まり、周回ごとにトップが入れ替わるアタック合戦が展開されましたが、ミハエルはタイムが伸び悩み、結果3番手に甘んじ、ジェシーは5番手、55号車のセバスチャン・マンソンは7番手からレース12をスタートすることになりました。

 予選と決勝が土曜日ワンデーイベントとなった今大会では、朝に行われた予選に続き、午後に15周で争われる決勝が2回、2024年レース11とレース12が行われました。レース11のスタートでは、3番グリッドのミハエルがスタートをうまく決めて2番手にポジションアップしたものの、すぐにまたポジションを奪われ3番手に。

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 TGR-DCドライバーの2台がトップ争いを繰り広げる一方で、ペースをあげながらトップ2台を追いかけていたミハエルは4周目の最終コーナーで2番手を走行していた37号車佐野雄城選手を攻略。続いてトップをいく

 38号車卜部和久選手にぐんぐん接近し、ついには7周目のダンロップコーナーでインを刺しにいきましたが卜部選手のマシンに接触を喫してしまい、また、その際に3番手の佐野選手にパスされることに。

 その後コース上に散乱した破損パーツ回収のためにセーフティカーが導入され、レースは11周目にリスタートしましたが、ファステストラップを更新していく佐野選手に対し、マシンにダメージを負っていたミハエルはペースを上げることができませんでした。ミハエルは2位でチェッカーを受けましたが、卜部選手への接触について10秒ペナルティを加算され、結果6位に。

 これにより4番手でフィニッシュしたセバスチャンが繰り上がりで3位表彰台を獲得。ジェシーは5番手でフィニッシュしたものの、リスタート時にまだイエローであるポイントで前の車を追い越してしまったために10秒ペナルティを科されて8位となりました。

 レース12では、ミハエルがスタートからクラッチトラブルに見舞われ失速してしまい、オープニングラップ終了と同時にピットイン、リタイアを余儀なくされました。ジェシーはレース中盤から終盤にかけてトップと遜色ないラップタイムで周回を続けましたが、3番手のマシンに追いつくことはできずに4位でチェッカーを受け、セバスチャンは6番手でフィニッシュとなりました。

 レース12でミハエルはDNSとなったものの、ドライバーランキング2番手につけていたセバスチャンが6位以内でフィニッシュできなかったことにより、ファイナルラウンドを待たずして2024年のチャンピオンシップ獲得となりました。

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■監督 岡澤優 のコメント

「今大会はWECのサポートレースとして開催されたので、各方面から注目が集まる大きな舞台で3人のドライバーがパフォーマンスを発揮することを期待していましたが、Gフォースの海外から参戦しているドライバー達は富士初走行だったため、金曜日のFPではエンジニア、ドライビングコーチとともにセクター3攻略に重点を置きました」

「土曜日ワンデー開催のQFと2回のレースでは、外的要因もあったとはいえ、流れをつくることができずに大変苦戦しました。新たなライバルの登場で競争が正常化されたFRJにこれまでよりタイトな状況が生まれ、まだまだ経験値が低い10代のドライバー達は今までにないプレッシャーを感じたり、いつもよりリザルトを意識し過ぎたりして、冷静さを欠いているようにもみえました」

「来月の最終富士大会ではフル参戦組の意地を見せて、2レースともに優勝を狙っていきます。今週末に上手くいかなかった経験を活かし、改善をはかってのぞみます」

■5号車ドライバー ミハエル・サウター のコメント

「少し厳しい週末だったけれど、チャンピオンシップを獲得できたことはチームにとっても僕自身にとっても、とてもハッピーなことだよ」

「今大会の予選ではポールポジションがとれず、2回とも3番手に甘んじてしまった。レース11ではペースはとても良かったんだけど、他のドライバーとのクラッシュがあり、さらにそのクラッシュに対して10秒加算のペナルティが科せられてしまって、2番手でチェッカーを受けたけど結果は6位に後退してしまったんだ。レース12では残念ながらマシントラブルでスタートから早々にリタイアすることになってしまった。だから、次の富士で巻き返して、今シーズンを最高の形で締めくくりたい。サポートしてくれたチームとG Force Engineeringに心から感謝している」

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ミハエル・サウター(Birth Racing Project, G FORCE F111/3)

■53号車ドライバー ジェシー・レイシー のコメント

「金曜日のプラクティスからまずまずの週末で、FP1もFP2もペースは良かったんだけど、土曜日の予選に向けていくつかの課題をクリアする必要があったんだ」

「土曜日朝一の予選では、コースコンディションの変化を見込んでコースインを3、4分遅らせるプランだったんだ。それで皆よりも遅れてコースに入って、プッシュラップで走り出したら赤旗が出て、結局僕はアタックできないままセッションが終了しちゃったんだ。予選2はまずまずだった」

「第1レースはスタートがうまくいって、4~5ポジションを上げることができたが、不運なことに第1コーナーの立ち上がりで前方で小さなクラッシュがあって、それを避けることができなかった。その後、セーフティカーが導入されて集団になったんだけど、再スタート時、まだイエローの時にゴールライン手前で前のマシンをパスするミスをしてしまって10秒ペナルティをもらうことになったので、残念なことに結果は5位となってしまったんだ」

「第2レースはとてもいいレースだった。スタートで順位を上げることができたし、3周目から終盤にかけては前のクルマに追いつくために少し頑張らなければならないと思っていたんだけど、実際にペースも上がって、良い感じで走り切ることができた。今回富士での経験を得られたし、最終戦の富士はより良い結果を出したいし、楽しみにしている」

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ジェシー・レイシー(BIONIC JACK RACING, G FORCE F111/3)

■55号車ドライバー セバスチャン・マンソンのコメント

「今回は、初めて走るサーキットなのにFP1に出走できなくて少し苦労することになったんだ。初走行となったFP2の60分だけで、翌日朝一のQ1-2は、まだコースに慣れていないことを考慮すれば、まずまずだったと思う。予選の後、午後のレース11はラッキーで表彰台を獲得できて、Race12ではペースが上がらず苦戦した。次は今シーズンの最終ラウンドでまた同じ富士なので、もっと良い結果を出したい」

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セバスチャン・マンソン(BIRTH RACING PROJECT, G FORCE F111/3)

■チーフエンジニア 湯地浩志 のコメント

「ミハエルは、まず、チャンピオン獲得おめでとうです。しかしながら今大会は、Q1の赤旗終了、レース11の接触・ペナルティ、レース12のトラブル・リタイヤと、なかなか流れがつかめない週末でした。彼自身もチームとしても、レースに勝ってチャンピオンを決めたかっただけに、残念でした。前戦もてぎでクレバーなオーバーテイクが印象的だったミハエルが、3番手スタートのレース11で、スタート後数周でトップ争いをするペースにもっていきながら前のドライバーに接触してしまったのは、チャンピオンを勝って決めたいという力みがあったのだと思います」

「ジェシーには、もてぎでの不調について解析結果を説明し、タイヤのウォームアップの見直しとドライビングの修正を行い、レース12では、終盤はトップと同じラップタイムペースで周回を重ねるなど、週末を通して、前回から改善しました。来月は同じ富士で開催されるので、今週の延長上でさらなるレベルアップを期待します」

「セバスチャンは、ペナルティの積算によりFP1に出走できなかったことが響きました。金曜日は1時間のFPが2回あったわけですが、その半分の1時間を失うことになり、セットアップを彼に合わせこむことなく、レースウィークを終えてしまいました。2日間のイベントで最初の1時間を走行できなかったことで、彼自身も流れをつかめませんでした」

「エンジニアリングとしてはWECの週末ということで、過去のデータから、セッションが進むにつれWEC参加車両の走行によりコースコンディションが向上していくことを想定したセットアップで持込みました。セッションが進むにつれ、コンディションが車両にあってくるのをデータ上も確認しながら、微調整をかさねましたが、実際、想定どおりデータ上も予選に比べてレースの方でより競争力を発揮していることが確認できました」

「レース11では、5号車がFRウイングにダメージ負う前、レース序盤の車両が重い段階で、レース中のベストタイムの0.1秒落ちを記録しており、車両に問題なく周回していればレース中盤にベストラップを記録できたと思われます」

「ただし私としては、もう少しトラックインプルーブメントがあることを想定していたので、過去2ラウンドに比較すると、車両のスイートスポットを使いきれなかったのが反省点です。再度富士での開催となる来月の最終戦では、このあたりを修正し、良い車を彼らに準備して、しっかりと今大会のリベンジを果たしたいと思います」


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