【F1コラム：利権と闘争】歴史的勝利にふさわしいメリットを得られないホンダ

　autosport web／F1速報公式サイトで長年連載してきた「ホンダF1甘口コラム」「ホンダF1辛口コラム」の「辛口」パートの執筆者ニック・リチャーズ氏が記す、F1の政治問題をテーマにするコラム。独自のシニカルな視点で時事に切り込む。

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「今年も我々が制覇した。3年連続でタイトル獲得だ。古き良き時代を思い出すよな」と日本の旧友はホンダの今シーズンの快挙について誇らしげに言った。私たちは、グランプリの1日か2日後に電話で語り合うことを習慣としている。連戦の場合は、2戦か3戦が終わった後に話す。年寄りには、3週連続でリアルタイムでF1を追いかけることは不可能だ。

　最終戦アブダビの後、私は彼にお祝いの言葉を述べ、相手を祝福する場合に言うべきことをすべて言った。東京の時間帯を考えると、彼は夕食を終えて、酒を飲みながら電話をしているに違いない。私が誕生日に贈った1983年岩の井を味わい、ほろ酔い気分になっているのではないだろうか。そう思ったため、彼が冒頭の言葉を口にした時、私は思わず正直に、「3年連続の勝利だな。でも誰がそれを知っているだろう？」と言った。