更新日: 2018.02.15 17:27
【フォルクスワーゲン グループ ジャパン】2010年北米国際自動車ショー「ワールドプレミア:ニューコンパクトクーペ(NCC)」
デトロイトモーターショーでのフォルクスワーゲン ワールドプレミア
トップレベルの運動性能で4.2リットル/100km(45mpg)を実現したニューコンパクトクーペ
CO2排出量がわずか98g/kmの全く新しいコンパクトクーペコンセプト
最高速度227km/h、0〜100km/h加速は8.6秒を実現
2010年1月、ウォルフスブルグ/デトロイト発:
フォルクスワーゲンにとってこのクルマは、その歴史上かつてないほど多くのニューモデルを投入することになる、きわめて活動的な1年の始まりとなるものでしょう。2010年カレンダーにおける注目すべき新製品リストの1行目は、まったく新しいテクノロジーとコンセプトに基づいたハイブリッドドライブを採用し、極めて速く、かつ低燃費を実現したクーペです。このモデルは、スポーティかつシャープでありながらエレガントなスタイリングを備えており、ヨーロッパでベストセラースポーツカーであるシロッコと、国際的に成功しているパサートCCの間にポジショニングされます。そのクルマの名前は「ニューコンパクトクーペ(NCC)」、1月11日から24日までデトロイトで開催される北米国際自動車ショーで世界デビューを果たします。EU複合モードにおける燃費は、4.2リットル/100km*(45mpg**)、CO 2排出量はわずか98g/kmです。 この低燃費を考えると、最高速度227km/h(141mph)と、0〜100km/h加速8.6秒(0〜60mphは8.1秒)は驚異的といるでしょう。
このような数値は、フォルクスワーゲンならではのハイテクの融合によって可能になりました。それは低燃費でありながらスポーティなTSI エンジン(110kw/150PSのガソリンユニット)、電気モーター(20kW/27PS)、そして多くのドライバーから今日の世界最高のオートマチックとみなされている7速DSG(ダイレクトシフト ギアボックス)の組み合わせです。世界でもっとも低燃費の4シーターである「up!Lite」がロサンゼルスでデビューしてからわずか1カ月後に登場したこの新しいコンセプトカーは、フォルクスワーゲンのハイブリッドカーが、他の純粋なガソリン/ディーゼルエンジン車と同様に、単に経済性に優れているだけではなく、スポーティでファン トゥ ドライブなクルマを志向しているということを、あらためて示唆しています。今年前半のうちに、フォルクスワーゲンは、フルタイム4WDを採用したハイブリッドSUVをブランド初のハイブリッドモデルとして市場に投入します。一方で、このニューコンパクトクーペは、来るべき時に、コンパクトクラスの前輪駆動ハイブリッド車を、技術的にも視覚的にもフォルクスワーゲンがどのような形で市場に投入しようとしているのかを、明らかにしたものといえるでしょう。
ハイブリッドドライブ:TSIエンジン&電気モーター+DSG
ダウンサイジングの理想形: このコンセプトカーは、将来量産されたときに採用される可能性が高いきわめて革新的なハイテクを組み合わせたパワーユニットを搭載しています。フォルクスワーゲンはこのモデルに、4気筒のTSIガソリンエンジンを採用しました。直噴、ターボチャージャー、インタークーラーの組み合わせにより、わずか1.4リッターの排気量で110kW/150PSのパワーを実現しており、まさにダウンサイジングの理想形といえます。TSI テクノロジーは、多くの自動車レースでその耐久性の高さを証明してきました。そのなかには、世界でもっとも過酷といわれるニュルブルクリンクの北コースでのレースも含まれています。最初のTSIエンジンが市場導入されたのは今から5年ほど前ですが、以来、350万基以上のこの大トルクの過給ガソリンユニットが生産車に搭載されてきました。NCCに搭載されているTSIエンジンは、低回転域から220Nmもの大トルクを発生します。
電気モーターによりエミッションフリー: NCCは実際、その数字以上にパワフルです。というのも、TSI ユニットと7速DSG(=ダイレクトシフト・ギアボックス)のあいだに、電気モーターが介在しているからです。この電気モーターにより、NCCは時としてエミッションフリーの電気自動車として走行することが可能であり、またTSIユニットと連動して大トルクを生み出すこともできます。電気モーターは20kW/27PSのパワーを発揮します。2つのドライブユニットは、例えば追い越し時の加速などのときにパワーとトルクを補完しあいます。NCCはまた、純粋な電動モードで走ることが可能なめ、このドライブシステムは「フルハイブリッド」と呼ぶことができます。モーターに電力を供給しているのは、クルマの後部に積まれたリチウムイオンバッテリー(1.1kW/h)です。なお、電動モード走行時においてTSI エンジンは、単に運転を停止しているだけでなく、機械抵抗(drag loss)をなくすため、クラッチによって駆動機構とつながりが断たれます。
頻繁に行われる惰性走行: ドライバーがアクセルペダルから足を離した瞬間、TSI ユニットはトランスミッションから切り離されます。このいわゆる「惰性走行」は、ハイウェイ走行などの高速域においても行われます。機械抵抗を減らしNCCの惰性走行時間を限りなく長く確保することによって、NCCは燃費効率に優れた走りを実現しているのです。
運動エネルギーの回収: 制動時には電気モーターが発電機として働き、クルマの運動エネルギーを電気に転換し、リチウムイオンバッテリーに蓄えます。もちろん、フォルクスワーゲンの最新の「ブルーモーション」モデルのように、NCCにはアイドリングストップ機能が採用されています。このシステムにより、とくに市街地やストップ&ゴーが続く交通状況下において、燃料消費量の削減に大きな貢献をします。
エクステリア — デザイン&寸法
「タングステンシルバー」に塗られたこのクーペのスタイリングには、効率と運動性能のユニークな相互作用がデザインとして表現されています。フォルクスワーゲン ブランドのチーフデザイナーであるクラウス ビショフは、「クルマのデザインにおいて、クーペはひとつの究極の形とされています。ニューコンパクトクーペで、私たちは独自の表現手法により、高効率技術とエレガンスの融合を果たすことができたと思っています」と語っています。数本の正確に配されたラインと、力強く形造られた面が、フォルクスワーゲンらしい、時代を超えた躍動感と純粋なエレガンスを生み出しているのです。
フロントエンド – 力感あふれる顔立ち: ニューコンパクトクーペのフロントは、きわめて自信に満ちた凝縮感のある表現がなされています。さらに、車幅はLEDデイライトとターンシグナルを一体化したバイキセノンヘッドライトと共に水平の明確なラインによって強調されています、この複合技術によるヘッドライトは、昼夜にかかわらず、このコンセプトカーをビジュアル面で特徴付けることに貢献しています。
サイドビュー – シャープなシルエット: サイドビューにおいては、昨年の全フォルクスワーゲンの新車のデザイン的特徴が、エレガントでスポーティなクーペスタイルのなかに溶け込み、フォルクスワーゲンデザインDNAの新たな解釈を表現しています。典型的な例はクルマのボディに切り込みを入れるかのようなトルネードラインや、ホイールアーチでしょう。さらに、はっきりとしたウインドーグラフィックでもそのイメージを強調しています。そして、19インチの「ルガーノ」タイプ アルミホイールが、市販モデルとのイメージ上の橋渡し役を担っています。
リヤ – フォルム全体を引き締める力強い形: ニュー コンパクト クーペのリアデザインは、力強さに溢れています。ここでもそのイメージを決定付けているのは、クリーンな面と力強いショルダーセクションです。鮮かなテールライト。トランクリッドの上端に設けられたスポイラーリップは、空気の乱流を減らすとともに、NCCの優れた空力特性をさらに改善する役割を果たしています。ボディの下端にも巧みなデザインが施されたデュフューザーが配置され、空力的配慮からテールパイプはディフューザーに組み込まれたデザインになっています。
寸法・・・スタイリングを生かすための数値: ニューコンパクトクーペは、全長4.54m、全幅1.78m、全高1.41mで、全幅に対して低めの全高により、クルマのダイナミックな印象がさらに強調されています。また、トレッド(フロント1.53m、リア1.54m)はワイドで、ホイールベース(2.65m)も長めになっています。
インテリア — エルゴノミクスと寸法
コントラストの強いインテリアカラー: NCCは、長距離ドライブでも極めて快適な4シーターであり、広いそのキャビンには明るい色(ベリーホワイト)の本革スポーツシートが備えられています。さらに、コクピット下半分とセンターコンソールの一部、ドアトリムパネルにも同じ色が採用されています。それ以外の場所は(コントロール類などを除いて)、革巻きのステアリングホイールを含めて、よりダークな「グリジオ クォーツ」カラーが採用されています。
このクルマのインテリアにおいて、フォルクスワーゲンはクラストップレベルの空間を提供しています 。つまり、ルーフ高を抑えたスポーティなボディスタイルを採用しながら、前後席のヘッドルーム、リヤのレッグルームも十分確保されているのです。またトランク容量も380リットルあって、4人分の荷物を苦もなく収納してくれます。
乗りこんで、ドアを閉め、走り出す: ドアを開ければ、フォルクスワーゲンブランドの驚くべき成功の理由が明らかになるでしょう。それは、細部に渡る完成度の高さと、直感で使用できる操作系。計器類の配置は理想的です。新しいマルチファンクションスポーツステアリングホイールは、乗り手とマシーンを繋ぐ中核をなすアイテムです。7速DSGのシフトレバーは、ドライバーの右手をちょうど下ろした位置にあり、その前方のコントロールパネルには、新しくデザインされたオートエアコンのスイッチ類、ナビゲーションシステムのための8インチのタッチスクリーンが置かれ、さらにパネルの上端にはハザードスイッチとセンターエアベントが設けられています。センターコンソールのコントロールパネルは、運転中でも操作しやすいようにわずかにドライバーのほうに傾斜されています。また、視認性を考えて、丸型のメーターにはクロームベセルが採用されており、メータの間にはマルチファンクションディスプレー(トリップコンピューターおよびナビゲーションのサブディスプレー)が設置されています。
ほかにも、すべてのエアベント、ステアリングホイールのマルチファンクションキー、ナビゲーションシステム、エアコンパネル、DSGギアシフトユニット、ドアトリムの白いアクセント、ドアパネルのスイッチ(ミラー調整およびウインドー開閉)にメタル製のトリムが採用され、質感を高めています。
左右独立したリアシート: フォルクスワーゲンのデザイナーは、NCCのリアシートを伝統的な「グランツーリスモ」の流儀で仕上げました。乗員は2座の快適なスポーツシートに着座できます。シートの中間には、フロントからセンターコンソールがつながっています。リア部では、センターコンソールに補足的な収納スペースとリアシート用の空調パネル、折りたたみ式センターアームレストが備わっています。このインテリアの仕上げと高い質感を見れば、人々はこのNCCが、コンパクトクラスのクルマであることを忘れてしまうに違いありません。そしてそれこそが、妥協を排したフォルクスワーゲンであることの証でもあるのです。