ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2024.09.14 16:16
更新日: 2024.09.14 21:40

トヨタ平川亮、0.041秒届かず。キャデラックが敵地富士で会心の初ポール/WEC第7戦予選


ル・マン/WEC | トヨタ平川亮、0.041秒届かず。キャデラックが敵地富士で会心の初ポール/WEC第7戦予選

 路面温度は40℃と低下傾向のなか、午後15時からのハイパーカークラスもセッション開始と同時に7号車、8号車と並んだTGR艦隊を先頭に全18台が勝負へと向かう。

 LMGT3のグッドイヤーとは異なり、ミシュランは軒並み計測4周目でアタックを迎えると、選手権首位を行くポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの6号車、ケビン・エストレが1分29秒256を叩き出しタイムボードの最上位へ。それを7号車の可夢偉、8号車の平川が追う展開となる。

 そのTGR陣営に割って入るかたちで、2号車キャデラックのアレックス・リンが1分29秒495として3番手へ。同じくプロトン・コンペティションの99号車ポルシェ963をドライブするジュリアン・アンドラウアーが1分29秒339とさらに更新していく。

 しかしここから各セクターを自己ベストで駆け抜けたのは、地元戦で節目の10勝目を狙うGR010ハイブリッドではなくダラーラ製LMDhのキャデラックで、自身計測5周目に1分29秒090までタイムを伸ばしたリンがセッショントップを奪うことに。

 これで6号車ポルシェのエストレ、99号車のアンドラウアーがトップ3で続き、35号車アルピーヌA424のシャルル・ミレッシを挟んで可夢偉が5番手、平川は8番手でハイパーポール進出を確定させた。

 迎えた予選最後の勝負、15時20分から10分間の「ハイパーカーによるハイパーポール」セッションは、気合の籠ったウォームアップを続ける7号車可夢偉が、パワー削減と重量を課せられたクルマでなんとか車速を乗せ、最高速トラップで313.95km/hまで車速を伸ばしていく。

 このラップが計測3周目だったものの、ホームストレートに戻ってきた可夢偉は1分29秒065という驚異的なタイムをマークし、一気にポールを決める勢いを見せる。一方、同じラップの8号車平川は、まだじっくりとタイヤの状態を見極める段階で、ひとあし早く計測4周目を戻ってきた6号車ポルシェのエストレが、ここで1分19秒152で2番手に追随していく。

 このラップで平川が可夢偉に迫れるか、そして追い越せるか。サーキット中の注目が8号車に集まるなか、各セクターを自己ベストで回った平川は、ここで1分28秒台に突入する28秒942とし、チーム代表が決めた快心のアタックを鮮やかに上回ってみせる。

 これで勝負は決し、下馬評では厳しい性能調整ゆえに地元戦での苦戦が予測されていたTGR陣営が、昨季に続くフロントロウ独占の結果に……と思われた終了間際。計測5周目にセクター2を27秒484で駆け抜けたキャデラックのリンが、最後の最後で1分28秒901のスーパーラップを記録し平川を逆転。さらにチェッカーラップでは15号車BMW MハイブリッドV8のドリス・ファントールも、自身6周目で1分29秒059とし、2列目3番手へ飛び込むことに。

 これでWEC参戦2年目のキャデラックVシリーズ.Rが初のポールポジションを射止め、フロントロウに平川が並ぶ最終リザルトに。背後の2列目は15号車BMWの隣に可夢偉の8号車、そして3列目を6号車ポルシェと35号車アルピーヌが分け合う混戦の予選結果となった。

2号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング)
総合ポールポジションを獲得した2号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング) 2024年WEC第7戦富士
アール・バンバーとアレックス・リン(2号車キャデラックVシリーズ.R)
(左から)アール・バンバーと予選アタッカーのアレックス・リン(2号車キャデラックVシリーズ.R)


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