更新日: 2024.11.06 12:21
ロッテラーを祝う一貴副会長/レース中の“合法的”エンジン交換/バゲットに続くふたり目etc.【WECバーレーン決勝Topics】
フェラーリの耐久レースカー部門責任者フェルディナンド・カニッツォは、ドライバーズタイトルを争う50号車がモリーナの最初のダブルスティント中の序盤に接触して過度のデグラデーションを引き起こしたが、永続的な損傷には至らなかったと説明した。
「接触で何かが損傷したようだ。ダウンフォースが減ったため、タイヤに過度のストレスがかかった。タイヤは最初のスティントで大きなデグラデーションに見舞われ、2番目のスティントは明らかにその影響を受けた。ノーズを交換したが、タイヤにダメージがあった。タイヤを交換するとペースが戻った」
フェラーリ50号車がフィニッシュ時に11位となった事故について、彼は次のように付け加えた。「アルピーヌの(シャルル・)ミレッシがスナップしてパンクしたため、彼らは不運だった。当時のペースを考えると、3位になれたかもしれないものを失った」。
一方ミレッシは、50号車フェラーリとの接触を避ける方法はなかったと考えている。
「フェラーリを追い抜こうとしたとき、突然リヤがロックした」と、彼はSportscar365に語った。
「ブレーキが原因か、エンジンの何かが原因かは分からないが、完全にスピンしてしまった。理解するのは難しいが、ブレーキを極端に遅らせたわけではない。リヤに奇妙な現象が起こり、そこからフロントにダメージが入った」
この挫折にもかかわらず、アルピーヌはBMWとの戦いに勝利し、ポール・ループ・シャタン/フェルディナンド・ハプスブルク/ジュール・グーノンが35号車で4位を獲得したことで、マニュファクチャラーズ・ランキングで非公式の『ベスト・オブ・ザ・レスト』(トヨタ、ポルシェ、フェラーリを除く最上位)の栄誉を獲得した。
奇妙なことに、今年初めに怪我で2レースを欠場したにもかかわらず、ハプスブルクは最終ランキングで43ポイントを獲得し、アルピーヌの最高得点ドライバーとなった。バーレーンの最終戦で35号車から36号車に移ったミレッシは30ポイントを獲得し、グーノンにさらなる経験を積ませるために富士ラウンドで出場を辞退したシャタンは29ポイントを手にしている。
■テストに向けてエンジン交換
BMW Mモータースポーツのディレクター、アンドレアス・ルースは、エンジンの致命的なトラブルにより、20号車BMW Mハイブリッド V8がリタイアしたと明かした。
その後チームはエンジン交換を完了し、レース終了前に暖機運転を行い、日曜日のルーキーテストに向けてマシンを準備した。
■「とてもポジティブ」な今回初表彰台
フェラーリのペナルティにより、3位の座はプジョー9X8へと転がり込んだ。プジョーにとっては2024年初の表彰台、そして昨年のモンツァラウンド以来の表彰台となったが、マニュファクチャラー・ランキングでBMWを追い抜いて5位に浮上するには至らなかった。
プジョー・スポールのテクニカルディレクター、オリビエ・ジャンソニーは、ハイブリッドシステムトラブルにより94号車がリタイアしたと明かした。
「彼らのペースは非常に速く、ある時点では93号車よりも速かったので残念だ。それがなければもっと良い結果が期待できただろう。しかし、14番手と18番手からスタートしたことを考えれば、とてもポジティブなことだった」
93号車プジョーが表彰台に上がったことで、シーズンを戦い抜いた8つのハイパーカーメーカーのうち、トップ3フィニッシュを達成できなかったのはキャデラックとランボルギーニの2社だけとなった。ランボルギーニSC63の有望な走りは、最後の1時間で水圧の問題により終わりを迎えていた。
また、アレックス・リンは、2号車のキャデラックVシリーズ.Rのハンドルを握ったのは1スティントのみだったため、レースでポイントを獲得したとは認められなかった。彼はチェッカーフラッグまでマシンを走らせる予定だったが、レース終盤のセーフティカー2台が出た後、チームはタイヤの割り当てと燃料補給のタイミングを考慮し、それを断念したと語った。
■プロトン、受難の一日
プロトン・コンペティションのニール・ジャニは、チームがペナルティでラップをロスし、好成績のチャンスがまたもや消えたことをただ嘆いた。ペナルティは、ジュリアン・アンドラウアーがダブルイエローで追い越したことと、ハリー・ティンクネルがアコーディスASPの87号車レクサスRC F GT3と接触したことによるものだった。
「今年最後のレースは、基本的に今年と同じだった。たくさんの『タラ・レバ』が、結局はうまくいかなかった」と予選で4番手につけたジャニは語っている。
最終的に12位でフィニッシュしたため、99号車のクルーはFIAハイパーカー・ワールドカップで4位と最下位に終わった。また、プロトンではフォード・マスタングGT3が2台ともメカニカルトラブルでリタイアしたため、チームにとって忘れたい1日となってしまった。
アコーディスASPでも、2台のレクサスがダブルリタイアを喫した。78号車はアーノルド・ロバンが運転中にリヤサスペンションの問題で早々に脱落し、姉妹車の87号車はスロットルの問題で脱落した。
■火曜日にはタイヤテストも
日曜日に行われたルーキーテスト、そして夜に行われた年間表彰式をもってWECパドックの大半のシーズンが終了となったが、ハイパーカーチームの多くは火曜日に行われるミシュランのテストで2026年型プロトタイプ・タイヤを試すため、サーキットに残った。
これは、フランスのメーカーが当初2025年に予定されていた新プロダクトの導入を延期することを決定したことを受けてのことだ。
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2025年のWECは2月、カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットでの公式テストとそれに続く1812kmレースで開幕を迎える予定だ。