更新日: 2021.08.24 14:43
アルピーヌ、LMH/LMDh関与を年末までに決定へ。WECにはLMP1の延長使用を要請か
アルピーヌは2023年以降に計画されているLMHまたはLMDhプロジェクトに向けた“移行の年”として2022年シーズンを利用するために、自社のLMP1カーがWECでもう1シーズン走れるようになることを望んでいる。
“グランドファーザー・カー”とも呼ばれる旧規定のアルピーヌA480・ギブソンは現在、WECの特例処置に基づいて2021年シーズンに限りハイパーカークラスへの出場が認められている。このレギュレーションの延長がFIAとACOフランス西部自動車クラブに認められるかどうかは不透明だ。
ロッシは2022年には新車を準備することができないため、ブランドにとっては「少し複雑」であることを認めた。
「これは我々だけの問題ではない」という同氏は、「各大会のオーガナイザーとの話し合いも必要だ」と続けた。
「明らかに、これは重要な決定事項だ。LMH/LMDh時代に今からどのように移行していくかは重要なポイントであり、私たちの要求はここにある」
「どちらのカテゴリーを選ぶにせよ2022年には間に合わない。その翌年以降でなければならないだろう。それは現時点で我々の意思決定プロセスの基準でもあるんだ」
「パートナーシップとの関係をどのように継続し、現在のチームと次の時代を築いていくかを見極めなければならない」
「私たちは主催者やFIA/ACOとともに協力して移行期間を確保し、できればLMP1を引き続き使用する可能性を考える必要がある」
ACOのピエール・フィヨン会長は、Sportscar365からWECがLMP1カーの延長使用を認める用意があるかどうかを尋ねられると、「答えを待つ必要ある」と述べた。
また、アルピーヌ・エルフ・マットミュートチームを運営するシグナテックのチーム代表であるフィリップ・シノーは、WECが延長を許可しない場合、彼のチームはLMP2プログラムへの復帰を余儀なくされる可能性を示唆した。
「たしかに、来年は移行の年になるだろう。アルピーヌとの間に何かが起これば、それは妥協案になる」とシノーはSportscar365に語った。
「ドライバーを引き止めるために1年だけLMP2に戻るかもしれないが、正確なことは分からない。決定はアルピーヌが下すのではない。それはACOとFIAが決めることだ」
■シグナテックはトップクラスで共闘する「良きパートナー」
アルピーヌのロッシCEOはシグナテックチームを称賛し、フランスのブランドがトップクラスでの長期的なプログラムにコミットすることを決めた場合、チームとの関係を継続することを示唆している。
アルピーヌ・エルフ・マットミュートは、8月21~22日に行われたル・マン24時間レースで、プジョー以来、フランス勢として初めて総合表彰台に上った。
「シグナテックは、アルピーヌとタッグを組む以前からこの分野で旗を掲げていた。私たちは、彼らを大いに評価しなければならない」とロッシは言う。
「彼らは自分たちがしていることのエキスパートだ。LMP2でル・マンを3回制し、そのカテゴリーで3度のシリーズチャンピオンに輝いた。彼らは非常に経験豊富なパートナーなんだ」
「だから、もし私たちが(トップクラスのプロトタイプレースを)続けるなら、そのような良いパートナーと別れる理由はない。率直に言って、いま私が強く考えている未来があるとしたら、それはシグナテックと一緒でなければならないだろうと思っているんだ」