更新日: 2024.03.11 00:04
VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING 2024スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿 決勝レポート
INGING MOTORSPORT
SUPER FORMULA 2024
VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING
RACE REPORT
Round.01 SUZUKA
第1戦 鈴鹿サーキット
2024年3月10日(日)
決勝
天候:晴れ 路面:ドライ
#38 阪口 晴南
決勝:7位
#39 大湯 都史樹
決勝:16位
阪口晴南のポールポジションに沸いた3月9日(土)の予選日を終え、VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGは今季開幕レースとなる3月10日(日)の決勝日を迎えた。土曜も厳しい冷え込みとなった鈴鹿サーキットだったが、予選後も雪が舞うなど、決勝日の鈴鹿も肌寒い天候となった。
チームにとっても今季の目標である優勝に向け、ポールポジションからのスタートは絶好のチャンスでもある。一方、チームにとしては予選から苦しい戦いが続いている大湯都史樹の決勝での巻き返しも重要なミッション。午前のフリー走行から、チームはしっかりと準備を整え臨んでいった。
PRACTICE フリー走行
3月10日(日) 9:10~9:40 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分39秒990/#39 大湯都史樹 1分41秒472
迎えた決勝日の鈴鹿サーキットは、晴天に恵まれたもののやはり風が強く、9時10分からスタートした決勝日のフリー走行は、気温8度/路面温度12度という寒さのなかで始まった。阪口、大湯は揃ってコースインすると、燃料を積んだ状態での決勝セットアップを確認していった。
赤旗中断等はないまま30分間のフリー走行が行われていき、阪口はまず4周目に1分39秒990というベストタイムを記録。その後一度ピットインを行い、14周を走行した。順位としては13番手だが、「これまでロングランはやっていなかったこともあり、最初の感触はいまひとつでしたが、ピットに入って修正してからは良い感触で走ることができました」と良好なフィーリングを得られることができた。
ただ、そのまま優勝に繋げられるかというと「上位の何台かが速いですね」と阪口は語った。「とはいえ、八方ふさがりな感じではないです。スタートをトップで決めることができれば、上位で終えられることができるのではないでしょうか」
一方の大湯だが、一度ピットインを行った後、6周目に1分41秒472というベストタイムを記録し、終盤にも再度ピットへ。結果は20番手となった。
リザルトからも感じられるとおり、大湯の表情は明るくない。「周囲の状況も違うので一概には言えませんが、決して良いとは言えないですね。悩んでいます」と大湯。
「苦しい状況ではありますが、そうは言っても開幕戦なので、後方の順位だからといって諦めるわけにはいきません。決勝はペースさえあれば順位は上げられると思っています」とレースに向けて挽回を図るべく、短いインターバルを使ってエンジニアと議論を重ねながら、午後の決勝レースに向けセットアップの改善を進めていった。
RACE 決勝レース
3月10日(日) 14:45~15:46 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分40秒034(21L)/#39 大湯都史樹 1分40秒043(24L)
午後も晴天に恵まれ、2万人ものファンが見守るなか迎えた14時45分からの決勝レース。気温12度/路面温度22度というコンディションのもと1周のフォーメーションラップを経て、いよいよ決勝の火ぶたが切って落とされた。
ポールポジションからスタートした阪口は、蹴り出しは悪くなかったものの、気温の低さからか伸びが悪く、2台にかわされ3番手で1コーナーに入っていく。一方、大湯はグリッドどおりの18番手で1周目のレースを戦っていった。
そんななか、後方では13番手からスタートしていた#4 小高一斗と#20 国本雄資が11番手を争うなかS字で接触し、2台がクラッシュ。セーフティカーが導入されることになった。その混乱にも乗じ、大湯は15番手にポジションを上げたものの、やはり予選からの悪いフィーリングは変わらず。決勝ペースも悪戦苦闘することになった。
レースは6周目にリスタートを迎えるが、阪口は表彰台圏内の3番手をキープ。一方の大湯は、前方の#50 木村偉織からはやや離れていたものの、#14 大嶋和也、そして2023年のFIA F2チャンピオンである#19 テオ・プルシェールを抑えながらレースを進めていった。ただ11周目には#14 大嶋に、12 周目には#19 プルシェールに先行を許してしまう。やはり地力のペースが影響してしまっていた。
VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING勢は序盤にセーフティカーが入ったこともあり、タイヤの消耗が少なかったことから阪口、大湯ともにピットインのタイミングを遅らせる戦略を採っていたが、レース中盤も2台はペースの悪さに苦しめられた。先行してライバルたちがピットに入っていたことから阪口は首位でレース中盤を戦っていたものの、19周を終えてピットインすると、先にタイヤ交換を済ませていたライバルたちの先行を許してしまう。阪口は8番手で、21周を終えてピットインした大湯は17番手でレースに復帰した。
終盤、8番手の阪口は諦めることなくフレッシュなタイヤで追い上げを狙っていく。前方では6番手の#8 福住仁嶺、7番手の#65 佐藤蓮が争っており、阪口はこれを追撃。プッシュを続けていった。
ただ、ニュータイヤを履いた状況でもなかなか阪口はペースを伸ばすことができず、2台の争いに追いつくことができず。終盤1台がピットインしたこともあり、ひとつ順位を上げたが、7位でフィニッシュすることになった。入賞圏内ではあるが、やや悔しさが残るレースともなった。
一方の大湯は、スタートからフィニッシュまでペースに苦戦。最後は16位でチェッカーを受けた。ただ、順位以上に大湯の表情は深刻。次戦オートポリスまでは2ヶ月ほどのインターバルがあることから、VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGは、さらなる改善とチーム底上げを目指し、開幕戦で得られたものを活かしていく。
COMMENTS
ドライバー/監督コメント
#38 阪口晴南 SENA SAKAGUCHI
「スタートは良い感触があったのですが、冬の寒さ、さらにポールポジションでグリッド上で待たされたことに引きずられてしまった感じがありました。とはいえ、今回気温が低かったので、次戦以降はこれに影響されすぎないようにしたいです」
「今回の決勝については、まずはレースペースの悪さが順位を落とす要因になってしまいましたし、作戦もうまくいきませんでした。もしうまくいったとしても5位だったと思うので、ペースが足りないことがいちばんの改善点だと思っています」
「戦略やチームのコミュニケーションなど、新体制ならではの問題もあったと思いますので、課題は多いです。予選がうまくいきすぎたくらいだということを再認識させられたレースでした」
#39 大湯都史樹 TOSHIKI OYU
「予想以上に厳しいレースになってしまいましたね。スタートは良かったのですが、位置取りで前に詰まってしまいました。もっと順位を上げられた感触もあったんですけどね。ただその後、とにかく決勝ペースが悪すぎました。それに尽きます」
「ライバルと争える状況にもなっていなかったので、今後どうにかしなければいけないですが、今回の苦しい状況はセットアップで解決できるようなところにないと思います」
「原因をしっかり突き止めなければレースにならないですね。次戦のオートポリスまでに2ヶ月あり、気温も変わるとは思いますが、それでもかなり問題は根が深そうです。改善が必要なので、トライをもっと増やして、しっかりと準備したいです」
立川祐路 監督 YUJI TACHIKAWA
「2台ともにロングランペースが足りませんでしたね。阪口選手については予選ではうまくポールポジションが獲れたものの、決勝についてはまだまだでした。優勝争いするだけのポテンシャルがなかったということに尽きると思っています」
「大湯選手については今週ずっと良くなくて、正直クルマに問題があるくらいの印象があります。本来こんな位置を走るドライバーではないので、ちゃんとした状況で走らせてあげられなかったのは申し訳なく思っています」
「次戦のオートポリスまでには2カ月のインターバルがありますし、38号車の課題、そして39号車の問題を見直していきたいですし、しっかり準備したいと思います。開幕戦の応援ありがとうございました」