投稿日: 2024.06.22 23:48
更新日: 2024.06.23 00:14

VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING 2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO 予選レポート


スーパーフォーミュラ | VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING 2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO 予選レポート

SUPER FORMULA 2024

VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING
RACE REPORT

Round.03 SUGO
第3戦 スポーツランドSUGO
2024年6月22日(土)
予選
天候:晴れ 路面:ドライ

#38 阪口晴南
予選:12番手
#39 大湯都史樹
予選:5番手

 大分県日田市のオートポリスで行われた第2戦から、約1カ月のインターバルで、2024年の全日本スーパーフォーミュラ選手権は第3戦を迎えた。舞台は宮城県のスポーツランドSUGO。1周のコース長が短く、アップダウンに富み波乱も多い難攻不落のコースだ。

 第2戦では阪口晴南が予選4番手から入賞、開幕戦で苦しんだ大湯都史樹も予選で11番手につけるなど、上昇への兆しを掴んだVERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGは、さらなるポジションアップ、そして2台揃っての入賞を目指すべく6月22日(土)の予選日に臨んだ。

■PRACTICE フリー走行
6月22日(土) 9:10~10:40 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分07秒203/#39 大湯都史樹 1分06秒133

 予選日となったこの日のスポーツランドSUGOは晴天。6月も下旬となり、東北の山間にあるコースと言えどもグングンと気温が上昇。気温28度/路面温度38度という暑さのなか、9時10分からフリー走行がスタートした。

 VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGの2台は、阪口、大湯ともコースオープンからピットアウト~インを繰り返しながら午後の公式予選を見据えたセットアップを続けていった。ただ、走り出しのコースコンディションはあまり良い状況ではなかったか、コースアウトしたりブレーキをロックさせる車両が多く、開始から20分というタイミングでは、馬の背コーナーで#6 太田格之進がクラッシュ。車両回収のため9時40分までセッションは中断された。

 再開後も2台はセットアップを続けていくことになるが、終盤残り17分というタイミングでは、大湯が1分06秒301にタイムアップ。モニターの最上位につける。

「いろんな要因がありますが、第2戦までの実績がある方向に寄せて持ち込んだことが功を奏しています。僕が知っている速いときの感触に寄せられています」という大湯は、チェッカー間際でのアタックシミュレーションでもセクターベストを連発すると、1分06秒113までタイムを縮め、このフリー走行を最速で終えることになった。昨年、移籍前に予選で見せてきた大湯の一発のスピードがいよいよ戻ってきた。

「良かったですね。開幕から苦しんだなかで、チームがここまで準備してきてくれたことが実りはじめています」と大湯。

 一方の阪口は、アタックシミュレーションで1分07秒203というタイムを記録し11番手となった。「きつかったです」と阪口はフリー走行の印象を語ったが、この走行で得られたものを午後の予選に活かすべく、エンジニアたちと入念な打ち合わせを行っていった。

VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING 2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO 予選レポート
2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO 大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)

■QUALIFY 公式予選
6月22日(土) 14:00~14:42 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分06秒171/#39 大湯都史樹 1分05秒764

 午前から続き晴天に恵まれ、気温31度/路面温度50度というコンディションのもと迎えた14時からの公式予選。まずはQ1のA組に出走したのは大湯だ。

 フリー走行ではトップタイムを記録し、その切れ味鋭いスピードが戻ってきていた大湯は、一度アウトラップをこなしピットに戻った後、ニュータイヤを履き入念にウォームアップ。3周目に1分06秒448というタイムを記録した。

 もちろんフリー走行でのタイムが良かったことから、しっかりとQ2に繋げることを意識し、わずかなマージンを保ってのアタックではあったが、結果としてはQ1のA組で4番手というもの。Q2進出という目標はしっかりと果たすことができたが、大湯にとってはQ2に向けてわずかに不安を覚える順位にもなった。

 続くQ1のB組に出走したのは阪口だ。フリー走行ではあまり良い感触ではなかったが、これまでの開幕2戦でも同じような状況のなか、エンジニアたちがしっかりと予選に向けて合わせ込んできた。今回もそれは同様で、好感触を得た阪口は一度アウト~インを行った後、アタックを行っていき、1分06秒171というタイムを記録。コンディションの違いこそあれ、大湯のタイムを上回り3番手につけ、こちらもQ2進出を決めた。

 2台がQ1突破を果たしてみせたVERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGは、14時35分からのQ2に臨んだ。Q1からQ2にかけてはコンディションも変化することもあり、チームはそれを見越してセットアップを修正。2台はコースイン後、集団のなかでアタックの位置取りを行っていく。ただSUGOはタイトで、なかなか思うようにタイヤを温めながらスペースを確保するのは難しい状況だった。

 そんな難しさが影響したか、阪口はアタックラップのS字で、縁石にわずかに乗りすぎてしまい、コースオフを喫してしまった。これでタイムは1分41秒764というものに。予選は総合で12番手という位置となってしまった。阪口は自らのミスを悔やんだが、ただ感触が良くなっているのは事実だ。

 一方の大湯は、きっちりとアタックを決め1分05秒764を記録。これで5番手につけてみせた。もちろん今季最上位グリッドでチームとしても嬉しい結果にはなったが、上位陣、特にポールポジションとの差があり大湯としては悔しさを覚える結果となった。

 とはいえ、高いレベルで悔しがることができるのは本来の調子が戻ってきたということ。この調子をさらなる結果に繋げるべく、チームは6月23日(日)の決勝に臨んでいく。

 ただ気になるのは決勝レースでの天候だ。予選を終えた段階では、決勝日は終日雨の予報が出ている。難コンディションとなったとき、上位をいかに狙うかはチームの総合力が問われるところだ。

COMMENTS
ドライバー/監督コメント
●#38 阪口晴南 SENA SAKAGUCHI

「午前からクルマはすごく良くなっていて、予選Q1では感触もタイムもすごく向上していました。ただ、ポールポジションが獲れるほどではなかったので、エンジニアと微調整を加えましたが、アタック前の位置取りが難しく、もう少しタイヤをウォームアップさせたいところでした。それでも感触は良かったのですが、S字で失敗してしまって。自分のミスなので反省しています。4~6番手くらいは狙えたので悔しいですね。また持ち込みの状態が悪いのは次の課題だと思います」

「明日の決勝は天候が読めず本当に分からないことが多いのですが、最善を尽くしていきたいですし、ここまで開幕2戦でポイントが獲れているので、あきらめずに頑張っていきたいです」

●#39 大湯都史樹 TOSHIKI OYU

「午前のフリー走行での調子の良さを保とうと午後の予選に臨みましたが、Q1を走った段階で少し『あれ?』という感触がありました。そこからQ2に向けてアジャストして臨みましたが、結果は5番手となりました。正直トップ2のタイムは見えない状況で、クルマが悪い感触ではなかったので余計に悔しいですね」

「明日は5番手スタートとなりますが、今季最高位グリッドですし、展開次第では優勝も狙える位置です。もちろんこのSUGOは抜きづらい部分はありますが、天候がどうなるか分かりませんし、あきらめずにいきたいですね。いろいろ考えることも多いので、ひと晩しっかりと準備を進めていきたいと思っています」

●立川祐路 監督 YUJI TACHIKAWA

「阪口選手については、今季ずっと予選上位につけられており、Q1突破を果たすことができましたが、Q2については攻めた結果のコースアウトだったので仕方がないです。ただ安定して上位で戦っているので、続けていけばチャンスは来ると思っています」

「また今回大きいのは、大湯選手が良いパフォーマンスをみせてくれたことです。クルマの方向性を変えたことで、本来の走りが戻ってきたのではないでしょうか。安心して攻められるクルマをやっとチームとして準備できたと思います。もちろんトップを獲らなければいけないのでやるべきことは多いですし、明日の決勝レースは天候も読めないので、状況にしっかり対応して良い結果を残したいと思います」


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