更新日: 2024.07.21 12:10
VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING 2024スーパーフォーミュラ第4戦富士 予選レポート
第4戦 富士スピードウェイ
2024年7月20日(土)
予選
天候:晴れ/曇り 路面:ドライ
#38 阪口晴南
予選:12番手
#39 大湯都史樹
予選:3番手
2024年の全日本スーパーフォーミュラ選手権は、いよいよシリーズも折り返し。富士スピードウェイでの第4戦を迎えた。チームにとっても慣れ親しんだコースでもあり、今回は『第1回瑶子女王杯』の冠もかけられ、予選日から大きな注目を集めるなかでの一戦となった。
そんなレースを前に、7月7~8日には富士で合同テストも行われ、第3戦SUGOでのクラッシュでダメージを受けた阪口晴南の車両も修復されテストをこなしたほか、大湯都史樹もさまざまなデータを集め、しっかりと準備を整え7月20日(土)からのレースウイークに臨んだ。
■PRACTICE フリー走行
7月20日(土) 9:20~10:50 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分24秒213/#39 大湯都史樹 1分23秒723
迎えた予選日は、9時20分から1時間30分の土曜フリー走行がスタートした。早朝こそ曇り空だったものの、セッションが始まるころ晴れ間が見えはじめ、気温30度/路面温度35度というコンディションで始まった。
第3戦でのクラッシュで阪口の38号車は多くのパーツを交換していた状態だったが、合同テストの時点で車両がしっかり修復されていることを確認できており、そこで得られたセットアップを確認するべくコースインしていった。
しかし、阪口は周回を始めてすぐにステアリングに違和感を感じてしまう。一度ピットに戻ってから再度コースに入ったものの、やはり違和感がある。ステアリングは安全にも関わる重要な部分。開始から30分を過ぎたあたりから阪口車は大がかりな修復作業に入ることになってしまった。
幸い、セッションも残りわずかというところで再度コースインすることができ、阪口はニュータイヤを履きアタックシミュレーションを行うものの、やはりセットアップを進められていない影響か1分24秒213というベストタイムで12番手。予選に向けてさらなるセット改良が必要になった。
一方の大湯は、第3戦からの好調を合同テストで得られた良い部分を採り入れつつ、3~5周ほどのショートランを行いながらセットアップを確認していった。大湯が気にかけていたのは、この時期コンディションが刻々と変化するところ。その変化を見越しながら、セットアップを続けた。
セッションも残りわずかとなったところで、大湯はニュータイヤを履き予選に向けたシミュレーションを行っていくと、1分23秒723という好タイムを記録。2番手に食い込んでみせた。好フィーリングはこのフリー走行でも続いており、予選でのポールポジション獲得に向けてさらなるセットアップを進めていくことになった。
■QUALIFY 公式予選
7月20日(土) 14:00~14:42 天候:曇り 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分23秒323/#39 大湯都史樹 1分22秒571
雲が出てはいるものの、夏空のもと気温32度/路面温度48度といううだるような暑さのなか迎えた午後2時からの公式予選。VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGの2台のうち、まずは阪口晴南が公式予選Q1のA組に臨んだ。
阪口は一度コースインした後、予選に向け変更したセットアップを確認。フリー走行の周回が少ない状況ながら、エンジニアがきっちりと予選に向けてフィーリングを改善させていることを確認すると、ピットに戻りニュータイヤを履き再コースイン。チェッカー周に向けてタイヤをウォームアップさせアタックラップに入っていく。
ここで阪口は1分23秒323というタイムを記録。4番手に入り、Q2進出を果たしてみせた。ただA組トップの車両とは0.543秒の差がある。Q2に向けてこれをどう縮めていくかが課題となった。
続いて、午後2時15分から行われたB組に出走したのは大湯都史樹。阪口同様コースイン後一度ピットに戻り、残り時間5分を切ったタイミングで再度コースイン。アタックに入っていった。
合同テストを経てフリー走行から予選に向けたコンディション変化へのデータを蓄積していた大湯は、セットアップも高レベルで決まっており、アタック一閃。わずかにトップには及ばなかったものの、1分23秒078までタイムを縮め2番手につけてみせる。この結果でVERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGは、2台がともにQ2に進出することになった。
10分間のインターバルを経て、迎えたQ2。阪口、大湯ともにわずかな時間を使ってさらなるセットアップ改善を進めアタックに入っていくが、阪口にとっては思わぬQ2となってしまった。
セクター2では感触が良くなかったものの、セクター3でのフィーリングも良くなり、好タイムを狙って最終パナソニックコーナーを立ち上がった阪口だが、その瞬間、ミッショントラブルが起きてしまう。駆動を失い、阪口はピットに戻らざるを得なくなってしまった。結果は1分43秒071だが、Q2に進出していたことで12番手を確保することになった。
一方の大湯は、Q1から大幅にタイムを縮め1分22秒571という素晴らしいタイムを記録してみせる。しかし、結果は3番手。ポールポジションまでわずか0.028秒差というものだった。
極めて僅差のなかでポールポジションが届かなかったことにチームは悔しさを露わにしたが、一方であとわずかなところで最速の座が見えている。もちろん、決勝レースに向けて大いに勇気づけられるタイムであることも間違いない。
チームはさらなる高みを目指すべく、7月21日(日)の決勝に向け準備を進めていく。
■COMMENTS ドライバー/監督コメント
#38 阪口晴南 SENA SAKAGUCHI
「合同テストでクルマがしっかりと修復されていることは確認できたのですが、今日のフリー走行ではパワステのトラブルが出てしまって。最後に確認をすることができたのですが、感触はあまり良くなかったです。とはいえ、予選に向けてはかなり改善されていたのでQ1を突破することができ、Q2に向けてアジャストしたのですが、セクター2で少しQ1とは違う動きがあって。一方でセクター3は良かったのでタイムは出るかと思っていたのですが、ギアを失ってしまいました」
「中段のグリッドになってしまいましたが、合同テストではロングランで良い感触もあったので、戦略なども模索しながら、1点でも多くポイントを獲れるよう頑張っていきたいと思います」
#39 大湯都史樹 TOSHIKI OYU
「テストではさまざまなメニューをこなすことができましたが、このところコンディションが刻々と変わる印象があったので、しっかりと状況に対応できるように準備をしてきました。その事前の準備をしっかりすることができたのが、今回のフリー走行から予選に向けたアジャストで良かったところなのだと思っています」
「結果的に3番手で、惜しいタイムではあったのですが、クルマとしては『良くなっている』けど『良いね』にはまだなっていません。『良いね』にできるようにしたいですし、僕自身もタイム差を埋めるためにできたことがあったと思います。とはいえ上位からスタートできますし、決勝ペースにしっかり取り組み、少なくとも表彰台は獲りたいですね」
立川祐路 監督 YUJI TACHIKAWA
「惜しかったですね! 公式予選では誰がポールポジションでもおかしくない、本当にわずかなタイム差で大湯選手が3番手となりましたが、悔しい気持ちもありつつ、このポジションで悔しいと思える状況になってきたので、その点は明日の決勝でも期待ができるのではないかと思っています。充分に優勝が狙えるポジションなので、この悔しい気持ちを明日の決勝にぶつけたいと思っています」
「一方で、阪口選手は朝のフリー走行からトラブルが出てしまい、セットアップをする時間をとることができないなかでしたが、Q1を突破してくれました。Q2でまたもトラブルが出たのは残念でしたが、明日に向けてしっかりトラブルを直し、流れを変えたいと思っています」