投稿日: 2024.07.22 17:30
更新日: 2024.07.22 17:40

VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING 2024スーパーフォーミュラ第4戦富士 決勝レポート


スーパーフォーミュラ | VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING 2024スーパーフォーミュラ第4戦富士 決勝レポート

SUPER FORMULA 2024
Round.04 FUJI

第4戦 富士スピードウェイ

2024年7月21日(日)
決勝
天候:晴れ 路面:ドライ

#38 阪口晴南
決勝:リタイア
#39 大湯都史樹
決勝:2位

 酷暑のなか7月20日(土)に行われた予選では、大湯都史樹が僅差での3番手につけ、優勝をうかがう位置につけることができたVERTEX PARTNERS CERUMO・INGING。ただ一方で、12番手につけたものの阪口晴南は相次ぐトラブルに悩まされる一日となってしまった。

 チームは予選日のうちに阪口の38号車に発生したトラブルをしっかりと特定し対処。大湯は表彰台以上を、そして阪口は12番手からの追い上げを目指すべく、7月21日(日)の決勝日に臨んだ。重要となる燃料を積んだ状態での決勝ペースを確認するべく、まずはフリー走行に臨んだ。

■PRACTICE フリー走行

7月21日(日) 9:20~9:50 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分25秒791/#39 大湯都史樹 1分25秒970

 決勝日の富士スピードウェイは、朝から晴天に恵まれた。9時20分からのフリー走行は気温31度/路面温度39度という暑さのなか行われた。

 阪口、大湯ともにレースを想定した燃料を積んだ状態でピットアウトし、フィーリングを確認していく。阪口にとってはトラブルがしっかり解消されていることの確認も必要だったが、すぐに状態をチェックすると、3周目にまずは1分25秒791というタイムを記録。その後一度ピットに戻った後、15周を走り10番手につけた。

 阪口が履いていたタイヤはある程度距離を走ったものだったが、それでも感触は悪くない。ただ、上位陣とはタイム差がややあり、このままでは追い上げが難しくなってしまう。阪口はピークのパフォーマンスを上げるべく、決勝レースに向けてセットアップを煮詰めていくことになった。

 一方、土曜のフリー走行と公式予選までは素晴らしいスピードをみせていた大湯だったが、2周めに1分25秒970というベストタイムを記録したものの、その後は1分26秒台から27秒台と、いまひとつフィーリングとペースが良くない状況だった。ベストタイムでは14番手と、順位としても厳しい状況だった。

 もちろん大湯自身もチームもその状況を把握しており、チームにとってはパフォーマンスアップが急務となった。改善を目指したセットアップをその後決勝レース前のウォームアップで確認したものの、やはりここでも大湯の感触は良くなかった。

 いくら予選でスピードをみせても、決勝ペースが悪くては厳しい展開となってしまう。特に富士スピードウェイはオーバーテイクがしやすいコース。チームは決勝レース直前まで2台のセットアップ改善に取り組んだ。

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2024スーパーフォーミュラ第4戦富士 阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)

■RACE 決勝レース

7月21日(日) 15:07~16:07 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 ──/#39 大湯都史樹 1分25秒411(16L)

 3万1100人という非常に多くのファンを集め、瑶子女王殿下の挨拶を経て迎えた15時03分からの決勝レース。気温32度/路面温度45度という暑さのなか、決勝レースの火ぶたが落とされた。

 3番手からスタートした大湯は、2番手スタートの#15 岩佐歩夢が遅れたこともあり2番手に浮上。ポールポジションスタートの#8 福住仁嶺のテールをうかがう走りをみせていく。しかし、そんな興奮の後方では阪口がトラブルに見舞われてしまっていた。

 スタートこそ切ることができた阪口だったが、コカ・コーラ・コーナー立ち上がりでスロットルにトラブルを抱え、失速してしまう。トラブルを感じ取った阪口はアドバンコーナー立ち上がりの退避路に車両を止めることになってしまった。VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGの期待は、2番手につける大湯に託されることになった。

 そんなチームの思いを背負って戦う大湯は、1分26秒台のラップでトップを追っていくものの、少しずつそのギャップが広がっていく。さらに後方からは少しずつ3番手の#36 坪井翔が接近。13周目にはテール・トゥ・ノーズの戦いを強いられた。チームは13周を終えると2番手を守っていた大湯をピットに呼び戻し、迅速な作業でコースに戻すことに成功した。

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2024スーパーフォーミュラ第4戦富士 大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)

 ピットアウトした大湯は、アンダーカットを狙った#16 野尻智紀こそ先行を許したものの、後方から迫った#5 牧野任祐のアタックを退けていく。午前のフリー走行ではペースに苦しんでいたが、今回の決勝では、タイヤ交換を行ってしばらくの大湯のペースが良く、17周目のTGRコーナーで#16 野尻智紀をオーバーテイク。早めにピットインを行った陣営のなかではトップに浮上することになった。
 
 焦点はピットインをレース後半に引っ張った陣営との位置関係。とくにポールポジションスタートの#8 福住仁嶺がピットで時間を要したことから、序盤大湯とバトルを展開した#36 坪井がライバルとなりそうだった。

 #36 坪井は28周を終えピットインし、大湯の2台後方でコースに復帰するが、そこからはニュータイヤのグリップを活かし、圧倒的なスピードで大湯に接近してきた。32周目には大湯の背後につけると、34周目のコカ・コーラ・コーナーで大湯をオーバーテイクした。

 2番手となった大湯は最後までトップを追ったものの、最後は7.162秒差の2位でチェッカーを受けることになった。

 VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGにとっては、2023年第4戦以来の表彰台となったが、この時とは悔しさの質も違っていた。ベストを尽くしトップ争いに戻ることができたものの、頂に届くためにはあとわずかな向上が必要だ。チームは次戦もてぎに向け、さらに歩みを続けていく。

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阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING) 2024スーパーフォーミュラ第4戦富士

■COMMENTS
ドライバー/監督コメント

#38 阪口 晴南 SENA SAKAGUCHI

「フリー走行ではロングランを試しましたが、そこまで悪い印象がない状況で終えることができました。ただパフォーマンスをもっと上げるために、できる範囲のことを取り組んで決勝レースに臨みましたが、スタートもあまり良いものではなく、さらにコカ・コーラ・コーナーに入るところでスロットルが戻らなくなってしまって。幸い制御によって危険な状況になることは避けられましたが、今回はトラブルが続いてしまいましたね」

「僕としてはここまで続くと“流れ”ではないと思いますし、第3戦でのクラッシュ後、何か部品がいたずらしてしまっている可能性もあると思います。次戦までしっかり見直したいですし、今回の反省を次戦に活かしていきたいと思います」

#39 大湯 都史樹 TOSHIKI OYU

「昨日は予選で3番手に入ることができましたが、午前のフリー走行、ウォームアップともに決してペースが良いわけではなかったので、まずいな、と感じていました。しかし決勝レースに向けてエンジニアの皆さん、チームがしっかりと改善に取り組んでくれたので、そのおかげで上位に入ることができたと思います」

「レースを通じて良い戦いができていただけに、優勝することができなかったのは悔しいですが、こうして表彰台まで来ることができたのはチームとしても大きな進歩だと思いますので、これを機に次のレースに向けても頑張っていきたいと思います。今回は移籍して初めての表彰台だったので、その点はすごく嬉しいですね」

立川 祐路 監督 YUJI TACHIKAWA

「もちろん悔しさが残る大湯選手の2位でしたが、午前のフリー走行での状態があまり良くなかったので、厳しい戦いになるかとは思いましたが、そこからチームと大湯選手の頑張りのおかげで予想以上の戦いをしてくれたので、その点は良かったと思います。今日得られる最高の順位は得られたのではないでしょうか。トップが見えるなかでの2位なので悔しさはあるものの、それがまたチームを強くしてくれると思います」

「また今回、阪口選手の38号車にトラブルが相次いでしまいました。ドライバーに申し訳ないと思っています。次戦までにしっかりチェックして、阪口選手も思いきり走れるようにしたいと思います。暑いなか、ご声援ありがとうございました」


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