投稿日: 2018.07.05 11:35
更新日: 2018.08.16 22:21
更新日: 2018.08.16 22:21
アメリカIMSAの現場から感じるWEC/ル・マン24時間2020年レギュレーションへの懸念
Report by Masahiko Amano / Amano e Associati
今年のル・マン24時間、トップカテゴリーのLMP1クラスに出場したはトヨタのハイブリッド2台と、プライベーターが走らせるプロトタイプが8台だった。
優勝車と2位マシンの差は2ラップ。2位と3位の差は10ラップもあった。それに対してIMSAシリーズの今年の開幕戦デイトナ24時間では、トップ3が同一周回。1、2位はキャデラックDPiで、3位はプライベーターの走らせたLMP2カーだった。
どちらのレースが見て楽しめるものだったかは明らかだろう。レースに求めるのが先端技術のみという人たちは、ル・マンの方がおもしろいと感ずるのだろうが、競争の存在しないレースほどつまらないものはない。
WEC/ル・マン24時間を運営するACOフランス西部自動車クラブとFIAは今年のル・マン開催期間中に2020年からのマシン・レギュレーションの外郭を発表した。中身はプロトタイプ、外観は市販車というものだが、果たして何メーカーが出場するのだろうか?
すでに4メーカーが競い合っているDPiをル・マンのトップカテゴリーとして採用するのでは駄目なのだろうか?
アメリカでは、そうなることに対して淡い期待が抱かれていた。ファン・パブロ・モントーヤのル・マン初出場もそうした事情に備えてのものだった。しかし、ル・マンはアメリカの期待に背を向けた。
なぜか? それは彼らが今も“世界の自動車メーカーなら参加するための費用には糸目をつけない”と信じて疑わないからだ。それだけの価値がレース、特に“自分たちのル・マンというレースにはある”と信じている。