投稿日: 2023.10.28 22:20
更新日: 2023.10.28 22:24

P.MU/CERUMO・INGING 2023スーパーフォーミュラ第8戦鈴鹿 レースレポート


スーパーフォーミュラ | P.MU/CERUMO・INGING 2023スーパーフォーミュラ第8戦鈴鹿 レースレポート

INGING MOTORSPORT
スーパーフォーミュラ 2023
P.MU/CERUMO・INGING
RACE REPORT
Round.08 SUZUKA
第8戦 鈴鹿サーキット
2023年10月28日(土)
予選・決勝
天候:晴れ 路面:ドライ

#38 坪井翔
予選:5番手 決勝:5位
#39 阪口晴南
予選:13番手 決勝:14位

 2023年の全日本スーパーフォーミュラ選手権も最終大会。『JAF Grand Prix』として開催される第8戦・第9戦鈴鹿の週末を迎えた。
 ランキング5位につけている坪井翔は、わずかにチャンピオンの可能性も残す。一方ランキング11位の阪口晴南も、良いかたちで今季を終えたいところだ。

 そんな週末に向けて、10月27日(金)には14時から晴天のもと、1時間30分間のフリー走行が行われた。坪井は21周を走り、1分39秒182を記録。3番手と好位置につける。また阪口は1分39秒313というベストタイムを記録し、7番手で走行を締めくくった。

QUALIFY 公式予選
10月28日(土) 9:30~10:26 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 坪井翔 1’37.717/#39 阪口晴南 1’38.376

 迎えた10月28日(土)は、9時30分から第8戦の公式予選がスタートした。

「第3戦鈴鹿でも速さはあったので、自信をもって臨んでいますが、全体のタイムが遅く、コンディションが悪いのかもしれません」とフリー走行を終えていた坪井が、まずは予選Q1のA組から出走した。

 気温17度/路面温度24度というコンディションのもと、坪井は4周目にアタックを決めると、1分37秒821を記録。トップでQ2進出を果たした。

 続くQ1のB組に出走したのは、「順位以上にクルマが良く動いてくれていて、ポジティブなフリー走行でした」という阪口。

 ただ、この予選では「昨日からさらに良くしようとしたものが結果的に裏目に出てしまいました。悔しい予選でしたね」と1分38秒416というタイムに。Q2進出までわずかに届かず、B組の7番手で予選を終えることになった。

 続いて10時05分からスタートしたQ2。坪井はウォームアップを進め、アタックラップに入っていこうかとしたが、コンディション変化が予想よりも少なく、Q2へ向け施したセット変更の感触が良くないことを感じ取った。

 ただ、ここで#65 佐藤蓮がデグナーでコースアウトし、クラッシュを喫してしまう。これでセッションは残り12秒というタイミングで赤旗中断。3分間という残り時間で再開となったが、坪井にとっては中断の間、セットアップを戻す時間を得ることができた。

 ウォームアップが1周しかとれないことから、坪井はフロントのみに温まりが早いスクラブしたタイヤを装着。ここで1分37秒717を記録し5番手という位置につけた。

「タイヤは温まったんですが、少しグリップ感がなかった」という坪井は、「最低限表彰台には登れる位置」につけて午後の決勝レースに向けて準備を進めた。

RACE 決勝レース
10月28日(土) 14:30~ 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム:#38 坪井翔 1’42.240(2L)/#39 阪口晴南 1’43.608(3L)

 予選から4時間のインターバルで迎えた14時30分からの決勝レース。晴天ではあるものの、午前にくらべかなり風が強いなかで決勝レースのときを迎えた。

 気温21度/路面温度26度というコンディションのもと、1周のフォーメーションラップを経て切られたスタートでは、坪井は5番手のポジションをキープ。

 後方につけた#15 リアム・ローソンを1度退けると、3~4周目には4番手の#5 牧野任祐に接近。1コーナーでオーバーテイクを仕掛けるなど、序盤から激しいバトルを展開していった。

 一方の阪口は、オープニングラップを13番手で終える。ただ中団での激しいバトルのなか、2周目には1コーナーでわずかにコースアウトを喫してしまい、この間に後方につけていた#19 関口雄飛にかわされ、14番手で序盤のレースを戦っていくことになった。

 しかし5周目、サーキットに戦慄が走った。後方グループで争っていた#36 笹原右京と#64 大津弘樹が接触。笹原のマシンがスポンジバリアを突き破り、フェンスに激しくクラッシュしてしまった。

 笹原の車体は130R反対側のデグナーカーブ進入のガードレール内側まで飛ばされており、生命が心配されるほどだったが、不幸中の幸いで笹原に意識はあり、メディカルセンターへ搬送された。

 ただ、130Rアウト側のキャッチフェンスが大きなダメージを受けており、レースは長い赤旗中断となってしまった。その後15時15分、エントラント代表者が集められ、キャッチフェンスの早期の修復は不可能であるとして、15時30分の時点でレースの中止が決まってしまった。

 坪井は赤旗中断直前の5周目の1コーナーで#15 ローソンにかわされていたが、最終的に3周終了時の結果が正式結果となり、坪井は5位に。

 一方、阪口は14位でフィニッシュすることになった。なおこのレースは成立はしたもののハーフポイントに。5位となった坪井は3ポイントを獲得している。

 レース後、シリーズを運営する日本レースプロモーションの近藤真彦会長が詰めかけたファンに対し事情を説明した。

 クラッシュ、また安全のためにレース再開が実現しなかったのはやむを得ないところではあるが、P.MU/CERUMO・INGINGとふたりのドライバーたちにとっては、決勝レースでのペース、手ごたえが確認できないままレースを終えることになってしまった。

 2023年のスーパーフォーミュラは残すは10月29日(日)の第9戦のみ。

坪井は「来年に繋げるためにも良いかたちで終えたい」と意気込んだ。また阪口も「今日良くなかったところと、フリー走行で良かったところをうまく合わせて臨みたい」と語った。泣いても笑っても今季最終戦。チーム一丸となって今季最高のレースを目指していく。

38 坪井翔

「決勝レースでのスタートは反応があまり良くなかったのですが、その後の加速が良くて、確実に2台ほど抜ける感触があったのですが、行き場をなくしてしまったことからポジションキープとなりました。ただすごくペースが良くて、前を走っていた牧野選手をいつ仕留められるかと思っていましたが、1発で仕留められず、ローソン選手に抜かれてしまいました」

「結果的に赤旗で順位は戻りましたが、1度で抜けないとそういうことが起きてしまいますね。決勝ペースは良さそうでしたが、それを確認する前にレースが終わってしまいました。明日はポールポジションを獲りたいですし、今年最後の締めくくりとして優勝できれば来年にも繋がると思っています」

39 阪口晴南

「エンジニアの皆さんが素晴らしい調整をしてくれたおかげで、スタートはタイミングはあまり良くなかったのですが、いつものように良い加速をすることができました。ただ1コーナーで前の集団が広がってしまったことから、行き場がなくなってポジションキープになりました」

「その後、内圧が来ていなかったことなどいろいろな要因があって、2周目の攻防のなかで1コーナーで飛び出してしまって。そこは仕方ないです。結果的に赤旗で終了となりましたが、そこまでの感触はあまり良いものではなかったです。うしろと競らなければいけないくらいだったので、悔しいレースになりました。明日はいかにそこを修正していくかだと思っています」

立川祐路 監督

「坪井選手については、予選から決勝に向けて速さをみせてくれたと思います。予選Q2で赤旗になってしまい、その後1周のアタックでスクラブしたタイヤを使いましたが、それが少しグリップせずに5番手となりました。ポテンシャルはあったので、追い上げてくれるかと思っていましたが、その前にレースが終わってしまったので仕方ないですね。明日も調子の良さを結果に繋げて欲しいと思います」

「阪口選手についてはフリー走行で悪くない感触があったものの、今日になったらオーバーステアがあり、状況が厳しく予選でも後方になってしまいました。レースで挽回するチャンスがなかったのが残念ですね。クルマも見直し、明日は前の方にいけるようにしたいです」


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