更新日: 2024.08.25 00:03
VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING 2024スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ 予選レポート
第5戦 モビリティリゾートもてぎ
2024年8月24日(土)
予選
天候:晴れ 路面:ドライ
#38 阪口 晴南
予選:11番手
#39 大湯 都史樹
予選:3番手
大湯都史樹の表彰台獲得に沸いた第4戦富士から約1カ月。2024年の全日本スーパーフォーミュラ選手権は、栃木県のモビリティリゾートもてぎで第5戦を迎えた。例年真夏に行われる一戦だが、近年は酷暑の影響もあり、ドライバーにもスタッフにも厳しい一戦だ。
そんなレースに向け、チームは8月23日(金)からサーキットで準備を進めた。大湯のさらなるポテンシャルアップはもちろんだが、前戦富士ではたび重なるトラブルに見舞われてしまった阪口晴南の車両にはしっかりと対策を施し、2台そろっての上位進出を目指した。
■PRACTICE フリー走行
8月24日(土) 8:55~10:25 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分32秒775/#39 大湯都史樹 1分32秒634
迎えた8月24日(土)の予選日、モビリティリゾートもてぎは朝から雲が多いものの、湿度が高く厳しい暑さのなか8時55分からフリー走行がスタートした。
第4戦富士から好調をキープする大湯は、コースイン後ピットアウト~インを繰り返しながらセットアップを進めていった。大湯の感触は前戦から変わらず良好で、「悪くない感触がありますね。予選トップ3に入れる手ごたえがあります」とフリー走行後には笑顔もみせた。
ただ、「ポールポジションを獲れるような感触ではありません」という。20周目、1分32秒634までタイムを縮め、一時はタイミングモニターの最上位につけたが、チェッカー間際にタイムを伸ばしたライバルたちの前に4番手でフリー走行を終えていた。
「もてぎは得意意識があるわけではないのですが、いつも結果が良いコースです。ただ、ポールポジションを獲るためには細かい部分がいろいろあるので、その点を詰められるかどうかですね」と大湯は午後の公式予選に向けて語った。
一方の阪口も合計7回のピットアウト~インを行いつつ、セットアップを進めた。チームの準備の成果もあり、このフリー走行ではまったくトラブルは出ず。ただ、最後に履いたニュータイヤでは「満足いくような状況ではありませんでした。予選ではトップ10に入れるかどうか」というパフォーマンス。とはいえ1分32秒775というベストタイムで8番手となった。ただ一方でポジティブなのはユーズドタイヤでの速さがあったところ。「ふだんとは逆なんですよね」と阪口は決勝に向けた好材料を語った。
幸い、今回のレースはタイムスケジュール上、フリー走行から午後の公式予選までに時間があり、チームは大湯の細部の詰め、そして阪口の速さ向上へ改良を進めていった。
■QUALIFY 公式予選
8月24日(土) 14:45~15:27 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分32秒416/#39 大湯都史樹 1分32秒091
この日のモビリティリゾートもてぎは、事前の天気予報では午後には雷雨の恐れがあった。各陣営とも予報を注視しながらインターバルを過ごしたが、幸い雲は増えたものの雨は降らず、14時45分からの公式予選を迎えた。
気温35度/路面温度46度という暑さのなか迎えた予選Q1のA組に出走したのは大湯。まずは一度ピットに戻った後、チェッカーに向けてアタックラップに入っていった。
大湯はまずセクター1でこの時点での最速タイムを記録すると、セクター2~4とも素晴らしい速さを披露。1分32秒616というタイムでチェッカーを受けた。直後にタイムを伸ばしたライバルがいたことから結果的には3番手になったものの、それでもしっかりとQ2に進出することになった。
続く15時からのB組に出走したのは阪口。こちらもまずは一度ピットに戻り、残り5分のタイミングで再コースイン。アタックラップに入っていったが、この時点で前回も発生していた電気系トラブルが再発してしまった。
ただ、電源を一度落とすと復旧。再度アタックに向かっていく。ここで阪口はセクター1で最速タイムを記録し、さらに各セクターで好タイムを記録。1分32秒833を記録した。この結果5番手となり、こちらもQ2進出を果たすことに。VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGは2台がそろってQ1を突破することになった。
15時20分からスタートしたQ2は、やや陽が傾きはじめたものの変わらぬ暑さのなか迎えた。阪口、大湯の2台が揃ってコースインし、一団となってウォームアップを行った後、ギャップを作りアタックラップに入っていった。
続々とタイムが記録されていくなか、まずコントロールラインを横切ったのは大湯。1分32秒091までタイムを縮め、その時点でのトップに躍り出た。しかし、その後2台が大湯のタイムを上回ることになり、結果は3番手。第4戦富士に続く2戦連続の3番手につけることとなった。ただ、ポールポジションとの差はわずか0.096秒。上位ながらチーム、そして大湯にとっては悔しい結果となった。一方の阪口は大湯の直後に1分32秒416を記録。最終的に11番手という位置につけた。
午前のフリー走行を終えたところで、大湯は「トップ3に入れる」、阪口は「トップ10に入れるかどうか」と自身が語っていたが、その予想に近い結果となった。
大湯は3番手から優勝を、そして阪口はトラブルをしっかりと解消し、上位進出を目指したい8月25日(日)の決勝レースだが、予選日以上に読めない天気予報となっている。この日も予選後、強い雷雨がもてぎに降った。そんな時こそチームの総合力が問われていく。翌日のレースに向け一致団結して準備を進めた。
■COMMENTS ドライバー/監督コメント
#38 阪口晴南 SENA SAKAGUCHI
「フリー走行の感触から7~8番手くらいのグリッドを期待していたのですが、それよりも下がってしまったので少し悔しいですね。予選Q1で前回同様の電気系のトラブルが出てしまって。すぐに復旧したのでアタックはできたのですが、それがなければQ1でも3番手くらいにはつけることができたと思います。ただその後はQ2に向けたアジャストがうまくいかなかった印象です」
「序盤3戦まではQ1からQ2に上げることができていたのですが、それができなくなっている原因を突き止めなければなりません。ただ、今回レースペースは良さそうなので期待したいと思いますし、オーバーテイクシステムやストラテジーを使って表彰台を目指したいです」
#39 大湯都史樹 TOSHIKI OYU
「ひと言で言うと悔しい予選でした。今回もてぎに入る前から、トップ3で戦えることをみせたいとチームと準備をしてきたので、それが形になったことは良かったですが、ただやはり今回も僅差でポールポジションを獲ることができなかったですし、自分としてはクルマのポテンシャルを含めポールを獲れる確信をもっていたので、3番手はやはり悔しいですね」
「Q1ではそれまでの課題を修正できたのですが、それでも足りなかったところもあるので、明日に向けてまた修正したいです。今季は一戦一戦、レベルを上げていくことを意識していて、今回も進歩を感じられているので、優勝してポイントを獲りつつ、その過程も大事にしていきたいと思っています」
立川祐路 監督 YUJI TACHIKAWA
「惜しい感じが続きますね。大湯選手が一瞬ポールポジションかと思いましたが。ただ決して悪い位置ではありませんし、安定して前の予選順位にいるので、順調なのではないかと思います。明日優勝を飾ることができるようにしたいと思っています」
「一方の阪口選手については、前回もあった電気系トラブルが起きてしまいました。明日に向けてできる対策はしっかり行いたいと思っています。阪口選手も調子が良かっただけに残念ですし、申し訳ないことをしてしまいました。明日はしっかりトラブルフリーで戦えるようにしたいと思います」
「決勝は天候が読めないところがありますが、どんな状況であれきちんと対応したいです。明日も応援よろしくお願いします!」